在宅勤務の導入は夢?導入ハードルを考える

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在宅勤務ってどうなの?

近年、働き方改革の推進と高速通信インフラの整備が進んだことなどから、より柔軟な働き方を叶えるものとして「在宅勤務」が注目されています。長時間にわたる通勤の負担などから解放され、自宅で自由に取り組めるスタイルは魅力的ですが、プライベートと仕事の境界線がなくなってしまうのではないかといった懸念もあります。

在宅勤務はそもそもビジネス上有効なのか、仮にメリットが認められるとして、導入に際し遠隔地で働く人をいかにマネジメントするかなど、今回は在宅勤務をめぐる最新状況をみていきます。

「在宅勤務」は、テレワーク、リモートワークのひとつであり、オフィス空間に集まって決まった時間に働くのではなく、時間や場所にとらわれることなく、自分が居住する場所で業務を行う働き方のことを指します。企業と雇用契約や請負契約を交わしている点では通常スタッフと変わりませんが、毎日会社へ出勤する必要がないため、育児や介護、健康上の理由など、さまざまな事情から自宅を離れづらい人でも、ライフスタイルに合わせて働くことが可能になると考えられます。

すべての就労日を在宅勤務とする場合もあれば、週に数日を在宅勤務にしてその他は通常勤務にする場合など、導入の仕方もさまざまです。これまで働くことが難しかった人にも、労働の機会を提供でき、人手不足の解消につながるほか、オフィスという物理的環境の提供によるコスト削減など、企業にとってもメリットがあるため、より自由な働き方を望む人とのマッチングが図られれば、ウィンウィンの関係が結ばれるでしょう。

しかし、いつでもどこでも必要な情報にアクセスし、作業を行うことができるツールやネットワークインフラが整備・普及されるなど、実現可能な環境があり、導入が推奨されているにも関わらず、実際の在宅勤務の導入状況はというと、かなり限定的といわざるを得ません。報道などで華々しく伝えられることもありますが、一部の大企業に限られるなど広く定着してきているとはいえない状況です。

なかなか普及しないそのワケとは?

では、なぜ導入が広がらないのでしょうか。在宅勤務でできるかたちに仕事を切り出すことが難しい、周囲のスタッフとの不公平感など理解が得られにくい、コミュニケーションが取れない、見えない離れたところで作業する分情報漏洩リスクなどが増大する、ネットワークにつなぐセキュリティーリスクも上がるなど、さまざまな理由が考えられますが、最大のポイントは勤怠管理でしょう。緊張感を維持しメリハリをもって働いてもらえるか、オフィスにいない人の始業・終業をどう管理すればいいのか、不安に思われるケースは少なくありません。

確かに、何の工夫や対策もなく、従来の体制のまま明日から突然特定のメンバーを在宅勤務に切り替えたら、上司や管理者がスタッフの働きを管理することができなくなってしまうでしょう。ダラダラとした長時間労働になっていないか、タスクは順調に進んでいるか、指示は的確に伝わっているか、全体でのビジョンは共有されているかなど、不安は尽きません。プライバシーに配慮しつつ、業務に必要な部分のみしっかりとした管理下におくにはどうすればよいか、頭を悩ませるところとなります。

在宅勤務導入のポイントを整理!

それでは、在宅勤務をより有益に導入し、有能な人材の獲得・活用や生産性向上へとつなげていくにはどうすればよいのでしょうか。それにはツールの活用と制度面の整備が不可欠です。そこでこの2つの観点からポイントをご紹介します。

まずツールとしては、ICTをフルに活用し、ビジネスチャットを用いるとよいでしょう。これによってリアルタイムのやりとりを可能にし、コミュニケーション手段を充実させます。管理者や上司だけでなく、同じチームの同僚らとも、自然で密なコミュニケーションが取れるようにしておきたいですね。その日行うべきタスクを明確にし、どこまでできたら、またはどの時間的タイミングが来たら進捗報告を行うか、オフィス内にいるスタッフと同じようにチェックできるよう、定めておくと安心です。

社内の会議もこのツールを用いたWeb会議にしたり、休憩中か集中業務中か、業務に伴う移動中かなど、各々の取り組み状況をチェックすることも可能ですから、検討するとよいでしょう。そうした利用シーン・ニーズを鑑み、採用するビジネスチャットツールを選定してください。現在はさまざまなツールが提供されているので、いくつか候補をピックアップして試用期間を設け、決めていくことをおすすめします。各ツールの特色や導入方法などについて、詳しくはこちらのコラムをご参照ください。

勤務時間の管理は、タイムカードをクラウド上に設置し、開始・中断・復帰機能を設定することで解決を図ることもできます。セキュリティー面からも、業務作業時のみに社内データへとアクセスできる仕組みが有効ですから、リモートデスクトップや仮想デスクトップのシステムツールを採用し、そのアクセス権限管理と時間の関係を活かして勤怠管理を進める方法もあります。そのほかWebカメラや時間管理ソフトなど、在宅勤務をはじめとするテレワークのサポートツールやソリューションは多く存在するので、業種業態や就業する人々の意向にあわせて活用していくとよいですね。

制度面では、通常の労働時間制や事業場外みなし労働時間制、裁量労働制のいずれも採用できますが、外回りの営業など労働時間の算定が難しい場合の事業場外みなし労働時間制、成果評価による裁量労働制がより現実的でしょう。このタスクを終えて業務終了とすることで、働く側の自由度とモチベーションの両方を確保できますし、生産性の向上も実現されやすくなります。

作業環境としては自宅になりますから、基本的に本人に任せるところとなるものの、健康への配慮や通信環境・光熱費などの経費負担、貸与する機器などについて、取り決めを行っておく必要があります。健康面については、PC作業が多くなると考えられますので、厚生労働省の「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」などを参考にした制度づくりを行うとよいでしょう。

在宅勤務がうまく実現されれば、これまで就業が困難であった人の能力も活用され、誰もが自分のライフスタイルにあわせて働きやすくなるほか、企業にとっては合理的でコストを抑えた生産性の高い業務処理が可能になるなど、数多くのメリットが生まれると考えられます。

しかし、ただ導入しただけではうまく機能しません。特にマネジメント体制の整備は、円滑で確実な業務の遂行を支えるだけでなく、信頼関係の構築という観点でもきわめて重要なポイントとなります。きちんとポイントをクリアすれば、会社の規模にかかわらず検討は可能です。今回ご紹介した点を参考にしつつ、ぜひあなたの企業、チームに最適な在宅勤務のかたちを考えてみてください。

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