9時5時勤務は過去の話?多様化する勤務体系制度

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決まった時間に出社して働く、という勤務スタイルが一般的だった一昔前の日本。しかし、昨今では少子高齢化や労働者人口の減少をうけ、より柔軟な働き方を推進する社会へシフトしています。また、コロナウィルスの影響もあり、より一層柔軟な働き方が脚光を浴びています。今回は、多様化する働き方の選択肢について考えていきましょう。

勤務体系制度の変遷

古くから日本で広くみられる勤務体系の制度といえば、固定勤務制度です。一方、季節などで繁閑の差がある企業では、労働時間を調整できる変形労働時間制が設けられている場合もあります。また、労働時間の把握が難しい業務や、専門性が高く流動的な労働環境で働く業務に対しては、みなし労働時間制という制度も。

昨今ワーク・ライフ・バランスを見直す機運が高まっていることから、フレックスタイムや時差出勤などの柔軟な制度も登場しています。さらに育児・介護休業法によって、育児休暇や短時間勤務などの制度が義務付けられるなど、日本では現在、勤務体系の多様化が急速に進んでいます。

代表的な勤務時間制度

ここでは、代表的な5つの勤務時間制度について紹介します。

フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、あらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者自らが毎日の始業、終業時刻を調整できる制度のこと。この制度には、勤務時間内に必ず働かなければいけない時間帯(コアタイム)を設ける「フレックス制」と、コアタイムがなく全て自由に出退勤を決める「完全フレックス」の2つのタイプに分かれます。

フレックスタイム制は、エンジニアやWebデザイナーといったクリエイティブな業種に適用されることが多く、時間に縛られずパフォーマンスが発揮できるのがメリットです。ただし、自己管理が不得手な労働者の場合、この制度がモチベーションや集中力の低下につながるというリスクも。制度の適用は、業務の内容に加え、それぞれの適性も加味して判断するのが妥当でしょう。

時差出勤制

フレックスタイム制と似た制度に、時差出勤制があります。これは、企業側が1日あたりの実労働時間を設定し、その時間を守る範囲で労働者が出退勤時間を選ぶ制度。通勤ラッシュを避ける目的で設けられるもので、複数の候補から適した勤務時間帯を選びます。フレックスタイム制とは異なり労働時間を毎日変えることはできませんが、出勤時の心身の負担を和らげる制度といえるでしょう。

変形労働時間制

変形労働時間制とは、繁忙期や閑散期によって労働時間をコントロールできる制度。1週間・1ヶ月・1年間での労働時間の平均値を算出し、法定の1日8時間、かつ週40時間の範囲内であれば、ある日やある週にこれを超えても、残業代は生じません。

この制度では、時間にそこまで捉われることなく働けるので、時期により忙しさに差がある企業にメリットがあります。また、労働者もメリハリのある働き方が実現できるでしょう。

みなし労働時間制

みなし労働時間制は、一日の労働時間を定めておき、実労働時間が上下してもその時間で働いたとみなすもの。裁量労働時間制とも呼ばれます。事業所の外で働く営業職の労働者などを対象とした「事業場外みなし労働時間制」と、特定の専門職の労働者に適用される「専門業務型裁量労働制」、企業経営など中核を担う部門での「企画業務型労働裁量制」の3種類があり、それぞれの適用には職種などによる判断基準が存在します。

時差のある海外企業との仕事や、納期や内容により労働時間が極端に変動する職種にも対応できるのがメリットです。

育児短時間勤務

育児短時間勤務は、2009年の育児・介護休業法の改正により企業に導入が義務付けられた制度。1日の所定労働時間が6時間に定められ、仕事と子育ての両立を目指すものです。原則3歳に満たない子を養育する労働者が対象ですが、就学前の6歳までに延長することが努力義務とされています。

企業の事例

ここでは、柔軟な働き方を実現するために企業が取り入れている、実際の制度を見ていきましょう。

ダイヤモンドメディア株式会社

不動産企業向けITシステムの開発を手掛けるダイヤモンドメディア株式会社は、意思決定の権限が個々に分散した自走可能な組織を実現させる「ホラクラシー(分散型・非階層型)」体制を採用しています。上下関係やマネジメントが存在せず、全員がフラットな関係で仕事をするための体制ですが、働く時間に関しても労働者に全決定権があり、柔軟な勤務体系を実現しています。

日本航空株式会社(JAL)

日本航空では、仕事(work)と休暇(vacation)を組み合わせた造語「ワーケーション」制度を採用しています。これは、国内外のリゾート地や帰省先、地方でのテレワークを推奨するもの。実際に仕事をする環境を変えることでリフレッシュできるという声も。家族や友人と旅行の機会を得られることから、従業員の満足度向上にもつながっているそうです。

リコージャパン株式会社

リコージャパン株式会社では、正社員の育児休業に関する時短勤務期間を小学3年の学年末まで適用。男性社員の育児休業も推奨しています。また、妊娠や出産、介護などで退職をしても、5年以内であれば再雇用に対応。配偶者の転勤に帯同する場合は、最長3年間の休職も認めるなど、あらゆる社員のライフスタイルに合わせた制度を生み出しています。

自社に合った柔軟な勤務体系を

一昔前までは選択の余地がなかった勤務体系や制度ですが、現在では個々の状況に応じて働き方を柔軟に選べる時代にシフトしつつあります。一人ひとりのワーク・ライフ・バランスを実現させ、ひいては会社全体の生産性を向上するためにも、自社にとって最適な勤務体系を考えてみてはいかがでしょうか。

参考・出典

ワーケーションとは? 旅行先で働くメリットと注意点を解説 | 働き方改革ラボ
文化・制度 | 不動産業界向けのDXソリューションカンパニー ダイヤモンドメディア株式会社
組織に階層構造を設けない。ホラクラシー経営の企業が「管理しないマネジメント」を成功させた理由|@人事ONLINE
JALは、テレワークを推進し、働き方改革を進めます | プレスリリース | JAL企業サイト
「ワーケーション」がJALを変えた。地域と出合い、自分を見直す働き方 | スーモジャーナル – 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト
ダイバーシティ&インクルージョン / リコージャパン | リコー
必要な人に、必要な制度を。個を充実させる勤務体系/リコージャパン「働き方変革」 | 働き方改革ラボ

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