今こそ見直したい!テレワーク時代の人事評価制度

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働き方改革の一環として導入がすすめられてきたテレワーク。新型コロナウイルス感染症対策として在宅勤務が推奨され、ますます多くの企業が導入する流れとなりました。しかし、その状況のなかで懸念されているのが、社員に対する評価方法。今回は、在宅勤務する社員をどのように評価すべきか、その適切な評価制度について考えていきます。

現状の評価制度の課題

まずは、経営者と従業員それぞれの視点から、テレワークにおける評価の懸念点をピックアップしてみましょう。

経営者

  • 社員の勤務態度が見えない
  • 人事担当者や管理者によって評価方法にばらつきが生じる
  • 成果につながる過程の作業を細かく把握しづらい

従業員

  • 正しく人事評価されているのか不安
  • 残業代の申請がしにくい
  • 賞与に対する不安

テレワーク中は、その間の働きぶりを直接確認することができません。そのため、経営者側は、「社員の働きぶりがわからない」と感じ、従業員側は「上司に働きぶりを直接みてもらえないので、評価が下がるのではないか」といった不安を抱くケースが多いようです。
テレワーク勤務者が不利な評価にならないような評価方法を用意することが重要になってきます。

評価制度の見直し

では、現状の評価制度の課題を解決するための具体的な方法を見ていきましょう。

テレワークにおける人事評価は、基本的に「目標管理制度」に基づく成果主義が適用されます。「目標管理制度」とは、アメリカの経営学者ドラッカーが提唱したもので、組織目標の下で社員自ら目標を設定し、その達成度に従って評価するという方法。この「目標管理制度」を採用する場合、評価項目を明確化させる必要があります。目に見えやすい成果や実績のみを評価するのではなく、テレワークに合わせた形(業務スピードやレスポンスの速さなど)で評価項目を設定することで、適切な評価につながるでしょう。

同時に、評価方法も統一し、人事担当者や管理者による偏りが出ないようにしておくことが必要です。

このほか、成果主義における評価の客観性を高める評価方法として「360度評価」を導入する企業も増えています。これは、直属の上司だけでなく、同僚や部下など、多方面にわたる仕事上の関係者が評価対象者を評価するというもの。テレワークなどで直接コミュニケーションを図ることが難しい場合でも、多くの評価者による多角的な評価を受け入れることで、より公平な評価に近づけることが可能といえるでしょう。この評価制度を採用する場合は、目的や課題を明確化させることや、適切な評価者の設定などに配慮する必要があります。

こうした「成果主義」への移行が難しい場合でも、出社の伴う勤務と在宅勤務では明らかに働き方が異なるため、それを踏まえた評価体系の見直しは必要不可欠です。在宅勤務の場合は、仕事のペースが家庭の環境に左右されることも少なくないため、1日のスケジュールを単に時間で管理することが難しいもの。さらに、在宅勤務の場合、長時間労働になっても「自己都合」扱いとなり、割増賃金の対象とならないケースも。労働時間による評価ではなく、社員個人の事情に合わせた効率的な働き方が認められるよう、柔軟な評価方法が求められています。

企業の新しい働き方の事例

新型コロナウイルスの影響によって、在宅勤務の制度を見直した企業が多くみられました。具体的な企業の取り組みを見ていきましょう。

カルビー株式会社

カルビー株式会社では2014年に在宅勤務を本格導入していますが、それ以前に成果主義の報酬制度へ移行していました。今回の新型コロナウイルスの影響により、申請手続きを簡素化し、成果で報酬を決定する仕組みを導入しました。

日本マイクロソフト株式会社

日本マイクロソフト株式会社では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う全国の休校措置を受けて、子育て中の社員が新たに最大約100日間の休暇を取得できるようにしました。

株式会社日立製作所

株式会社日立製作所は、新型コロナウイルス終息後も在宅勤務を標準とし、週2~3日の出社でも効率的に働けるよう人事制度を見直すことを発表しました。また、在宅勤務でも生産性を保てるよう、来年4月からは「ジョブ型」雇用を本格導入し、勤務時間ではなく成果で評価する制度に移行します。

今こそ評価制度の見直しを

海外では一般的だといわれる成果主義。前述の通り、国内ではカルビー株式会社が先駆けて成果主義の報酬体系を採用し、多様な働き方を実現しています。しかしながら、日本の企業は「労働時間」を重視する働き方が主流であり、在宅勤務のように働きぶりを直接確認できない場合の評価制度に課題を抱えているのが現状。在宅勤務でのモチベーションを上げながら、個人や企業の生産性を高めるためにも、テレワーク時代の適切な評価方法とは何かを考える時期に来ているといえるでしょう。この機会に、自社の評価制度を大きく見直してみることも必要かもしれません。

働き方改革アンケート結果発表

評価制度の見直しをはじめ、働き方改革を進めるとどのような変化が起こるのか、まだイメージができない方も多いのではないでしょうか。
働き方改革ラボでは読者の方を対象にした「働き方改革アンケート」を行いました。働き方改革の取り組み方やその結果をぜひ参考にしてみてください。

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