そのオフィスは必要?―テレワーク時代に求められる柔軟なオフィス作り―
2020年07月07日 07:00
この記事に書いてあること
働き方改革の一環として、各所で導入がすすめられているテレワーク。新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として、ますます多くの企業がこの働き方を取り入れ始めています。
今回は、多様化するワークスタイルに合わせたオフィスの在り方を理解すると同時に、時代に合わせたオフィス作りについて考えていきましょう。
働き方の多様化とオフィスの在り方
オフィスの在り方は、従業員の働き方によって変化するものです。かつてのオフィスは、同じ時間に従業員が一斉に集まり、作業をする場所でした。一方、働く場所や時間が流動的になった昨今では、その在り方もさまざま。たとえば、フレックスタイム制の導入により全員分の固定席が不要となれば、オフィススペースの使い方も変わってくるでしょう。
最近では、作業のために使用していた執務室をクリエイティブな活動のための共用スペースにリノベーションしたり、保育所やジムといった福利厚生施設に変えたりする企業も増えています。このように、場所や時間に縛られないテレワーク時代には、オフィスの在り方もフレキシブルに変化させていくことが必要です。
オフィスの存在意義
ネットワーク環境の整備やツールの登場によって、多くの業務がオフィス以外でも滞りなく進められるようになったテレワーク時代。それでは、リアルなオフィスを持つ意味はどこにあるのでしょうか。
まず、オフィスのもたらす大きなメリットに、従業員同士のコミュニケーションの活性化が挙げられます。同じ空間にいることで何気ない会話が生まれ、相手の性格や考えを知ることでその後の仕事が円滑に進んだという経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。
また、オフィスという共有のスペースがあることで、自社の企業理念や企業文化を従業員一人ひとりが意識しやすいことも、オフィスの持つ大きな意義。自社に対する帰属意識が高まることも、メリットの一つといえるでしょう。
テレワーク時代のオフィス需要の変化
テレワークが普及する以前、特に都市部のオフィスでは、ワンフロアに集まる従業員それぞれの作業場所を確保するために十分なスペースが必要でした。また、従業員の満足度向上のために、カフェスペースやコンビニといったパブリックスペースを有することもトレンドとなり、執務室以外への設備投資も多く行われていました。
一方、場所や時間にとらわれないテレワークにおいては、オフィスも場所や時間に制限されないことが望まれます。たとえば、テレワークを中心とした企業では、従業員一人あたりに必要なオフィス面積は縮小し、なかには不要という場合もあるでしょう。また、部署や事業所ごとにオフィスを全く別の場所に構えるというケースも増えてきています。こうした背景もあいまって、昨今ではシェアオフィスやサテライトオフィス、スモールオフィスなどといった新しいオフィス需要が加速。それぞれが求めるオフィス機能やこだわり、立地の希望条件もより多様化しています。
増える選択肢
こうした新たなニーズに対応するため、不動産業界では、シェアオフィスやコワーキングスペースなど、さまざまなスタイルのオフィス提供が進んでいます。このようなオフィスは、以前から起業家やフリーランス、スタートアップ企業の作業場として利用されてきましたが、最近では大手企業による利用も増加。会社でも自宅でもない“サードプレイスオフィス”として、通勤時間の短縮化やオフィスコストの削減などの目的で活用される例も増えているようです。また、昨今大企業を中心に推進されているオープンイノベーションの場としても、活用の効果に期待が寄せられています。
時代に合わせたオフィス環境を
テレワークの普及により、働き方、そしてオフィスの在り方も変化している昨今。ある調査では、テレワークにおける一番の課題として「コミュニケーションの難しさ」が挙げられており、これからのオフィスには、コミュニケーションのリアルな場としての役割がより重要視されていくことも予想できます。
自社にとって最適なオフィスとはどのようなスタイルなのか、この機会にぜひ、その在り方を再考してみてはいかがでしょうか。
記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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