経理にテレワークは難しい?導入のポイントを解説

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営業職や、外出の機会が多い職種に比べてオフィスでのデスクワークが多い経理の仕事。内勤のためテレワークを採用しやすいように見えて、実はテレワーク導入のハードルが高いのが現状です。なぜ、経理部門にとってテレワークは難しいのでしょうか。今回は、経理のテレワーク化を阻むものと、経理がテレワークを実施するメリット、そして導入のポイントについてお伝えします。

経理にテレワークは難しい?

ICTの活用や、WEB会議システム、チャットツールなどの普及によってさまざまな業種、職種で普及しているテレワーク。新しい働き方として、積極的に採用する企業も増えています。ただ、経理部門に関しては、多くの人がオフィスへの出勤を控える中でも、出社を余儀なくされる担当者が多いのが現状です。

企業間請求代行サービスを手がけるMF KESSAIが、2020年4月に経理担当者1000名に対して行った調査によると、完全にテレワークを実施できている経理担当者は17%。政府からテレワークが推奨された期間においても、83%の経理担当者は月1日以上の出社を予定しており、半数が「テレワークをまったく実施していない」と回答しています。経理部門で働く人の多くが、出社による業務が必要という事態に直面していることがわかります。

経理担当者のテレワークを阻むものは?

では、なぜ経理部門ではテレワークの実施が難しいのでしょうか。上記のMF KESSAIの調査によると、経理・財務会計業務で出社が必要になる理由としては、主に次のような項目が挙げられました。

・決算対応
・取引先への振り込み
・請求書の作成、押印、発送
・請求書の受け取り
・契約書類の押印、発送

約半数が、決算対応のために出社をしていると回答。また、4割の人が、決算対応、取引先への振り込み、請求書の作成・押印・送付、請求書の受け取りなどの紙書類に対応する業務のため出社を余儀なくされていることがわかっています。

また、担当者に「経理部門はテレワークを実施しやすいか」についての意見を聞いたアンケートでは、6割が「経理・財務会計部門は他部門と比較してテレワークを行いにくい」と回答。その理由として、7割が「紙での会計帳簿書類(請求書等)の対応のため」を挙げ、5割が「機密情報が多く、セキュリティ対策が整っていないため」と答えています。

経理部門のテレワーク化によるメリット

主に紙資料の多さを理由に、テレワークが浸透しにくい経理の仕事。ただ、経理部門で働く人のテレワークが実現すると、次のようなメリットがあります。

業務効率化の実現

経理業務のテレワーク化には、請求書や伝票の印刷、郵送のための封入作業など、それまでオフィスで行っていた経理特有の手作業を見直す必要があります。それらをアウトソースする、書類を電子化するなどの対応によって、業務の効率化が見込めます。

ワークライフバランスの推進

在宅では作業に集中ができるため生産性がアップ。労働時間の削減につながり、家族と過ごす時間や、プライベートや自己啓発にあてる時間も充実します。また、経理は限られた社員しか仕事内容がわからないという属人化を招くことが多い業務。テレワーク化に向けて、担当者の業務を棚卸してシステム化、電子化することで属人化を防げます。休暇がとりやすくなるためワークライフバランスが実現し、社員の満足度も向上します。

人材確保

専門性の高い経理という職種における人材が確保できます。家庭や健康上の都合から通勤が難しい、また仕事に割ける時間が限られる人でも、在宅によるテレワークなら活躍ができます。経理の経験や高いスキルを持ちながら、家庭の事情で離職せざるを得なかった人も復帰ができるため、人手不足の解消にも。働きやすい環境の実現によって、優秀な人材の離職を防ぐというメリットもあります。

オフィスコスト削減

テレワークを実現することで、社員の通勤にかかる交通費や、オフィススペースの確保・運用の費用を削減できます。紙による業務が多い経理部門の仕事をテレワーク化・電子化すれば、請求書や伝票のために必要だったペーパーや、印刷費を大幅に省けるというメリットも期待できます。

経理部門のテレワークを進めるための準備

それでは、実際に経理部門でのテレワークを進めるためには、どのような準備が必要なのでしょうか。テレワーク導入に必要なものを、準備のポイントもあわせて解説します。

請求書のデジタル化

経理担当者が出社して対応しなければならない作業のひとつが、請求書関連業務です。紙の請求書を使用している会社では、請求書を紙に印刷し、封入して郵送する作業が必要。また、取引先から実物の請求書のみを受け付けている場合は、各部署宛の請求書を受け取り、封を開けて処理する業務も発生します。

経理の仕事のテレワークを進めるための第一歩として、請求書を紙からデジタルへ切り替える対応が必須です。PDFで請求書を発行して取引先に送付する、また請求書の受け取りも電子データで行うことで、オフィスでの請求関連業務は不要になり、テレワークでの対応が可能となります。

伝票のデジタル化と電子保管

出入金伝票などの書類をファイリングしてオフィスに保管している企業は、内容を検索できるようにデジタル化を進めましょう。

伝票をスキャンしてデータ化。そのデータをクラウドなどのストレージに保管すれば、場所を問わず内容を確認することができるようになります。そのため、紙の伝票の参照のためにオフィスに出勤する必要が無くなります。また、紙資料のデジタル化には、法定期間中のオフィスでの保管スペースを省けるという利点もあります。

伝票業務をクラウドサービスなどを用いてすべてデジタルで行えば、発行から保管までがペーパーレスで完了します。

クラウド会計ソフトの導入

自宅などの場所で行う経理業務には、クラウドサービスが便利です。クラウドサービスを使えば、インターネット環境があればどこでも、何人でもデータの保管や作業ができるため、専用のソフトや、自社のサーバーを準備する必要はありません。

請求書の発行や支払い、帳簿への記帳といった日々の経理業務のテレワークは、クラウド会計ソフトの導入でスムーズに行えます。クラウド会計ソフトは、会計処理や決算業務ができるほか、請求書の発行や領収証の読み込み、経費精算なども可能。紙を使った手作業に比べて、入力や出力が自動化されるため生産性も上がります。給与計算や勤怠管理、販売管理ができるサービスもあるため、自社に合ったものを選びましょう。

社内用コミュニケーションツール

他の業務と同じく、経理部門のテレワークにおいてもチーム内で連携をとるための準備が必要です。テレワークを円滑に進めるため、新たなコミュニケーションツールの導入を進めましょう。グループウェアを使えば、社内や部署内での情報共有やスケジュール管理が可能です。また、WEB会議ツールやチャットツールなど、テレワーク中もオフィス勤務と同等のスムーズなコミュニケーションを行うためのシステムも必要です。

セキュリティ対策

取引先の大切な情報を扱う経理部門のテレワークにおいては、セキュリティ対策が必須です。セキュリティソフトの導入で対策を行うほか、業務に使うツールのパスワードの適切な設定と管理も徹底しましょう。不要なソフトウエアはダウンロードしない、不審なメールは開かないなどのルールの整備も大切です。また、紙資料やパソコン上のデータの紛失や消失を防ぐために、持ち出しルールの周知やバックアップ体制の整備も進めましょう。

テレワーク導入が経理の働き方を変える!

ご紹介したように、経理部門のテレワークが難しい原因は、紙に依存する業務が多いことです。請求書や伝票をデジタル化しクラウド上での処理を進めれば、インターネット環境のあるオフィス外の場所で、経理の仕事が可能になります。ペーパーレス化によって、経理部門ならではの印刷や封入作業、資料を探すなどの作業を省けるというメリットも。テレワークによる業務フローの見直しをきっかけに、経理がスマートで働きやすい仕事になるでしょう。テレワークの導入で、会社の経理業務を改革してみませんか?

参考・出典

MF KESSAI、「経理財務・会計担当者のテレワークの対応状況」に関する調査を実施 | MF KESSAI株式会社

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