人事・総務が知っておきたいテレワーク導入の4つのポイントと代表的なツール

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人事・総務が知っておきたいテレワーク導入の4つのポイントと代表的なツール

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働き方改革の施策のひとつとして、多様なワークライフバランスを実現するために多くの企業で取り入れられているテレワーク。会社がテレワークを導入することが決まったら、人事・総務部を中心にまず制度設計や環境の整備を進めていく必要があります。今回は、テレワーク導入が決まったら必要になる人事・総務部門の業務と、準備の際に注意するべきポイントやテレワークに役立つツールについて解説します。

※2020年4月公開記事を更新しました

テレワーク導入に向けた人事・総務のミッションは?

テレワークは会社への通勤をなくすことによって社員のストレスを軽減したり、効率的な時間の活用や多様な働き方を促進することで、社員の満足度向上や多様な人材確保による業績向上が期待できる取り組みです。

そんなメリットが多いテレワークについて、人事・総務部門が主導となって進めていくべきミッションを見ていきましょう。

テレワークに向けたルールづくり

テレワークの導入の際に人事・総務部門がまずやるべきことは、テレワーク開始に向けた社内のルール作りです。

テレワークの働き方は従来までとは大きく異なる部分が多く、社員の働く場所や業務連絡や承認方法などあらかじめルールを設定しておかなければなりません。

またルールは一度設定したら終わりではなく、運用状況やテレワーク社員の状況をヒアリングし、常にアップデートしていきましょう。

テレワークに向けた周知と研修

テレワークに関するルールを設定した後は、社内にルールの周知とテレワークに関する研修を設けるようにしましょう。

特に社員のノートパソコンやモバイル端末の持ち出しに関するルールの確認や、オフィス外での業務に関するセキュリティ研修は必須です。十分なルールの説明やセキュリティに関する研修を実施していない場合、端末のウイルス感染や情報漏洩のリスクも高まります。関係部門と連携し、必要なポイントを押さえて、丁寧に進めていきましょう。

テレワーク環境の構築

実際にテレワークで働く社員に対応できる環境の構築も人事・総務部門の重要な仕事です。

具体的にはパソコンやモバイル端末の手配や、ITツールの導入、手続きの電子化など、テレワークでも業務効率が落ちない業務完了を整えていきます。また直接業務とは関係しないテレワークにおける疲労やストレスなどを緩和し、コミュニケーション不足を補うような施策も人事・総務部門を中心となって進めていくようにしましょう。

テレワーク導入に必要なステップとは?

次にテレワーク導入に必要なステップを人事部門と総務部門それぞれに分けて見ていきましょう。

人事部門に必要な3ステップ

まずは人事部門がやるべき準備について説明します。人事部門は、テレワークを行う社員の労働時間の管理体制の確立や、人事評価制度を整備するといった4つのステップがあります。

①就業規則の変更

テレワークを導入する場合は、就業規則内にテレワーク勤務に関する規定を定めましょう。テレワークに関する規定は、就業規則に直接定める場合と、「テレワーク勤務規程」として別の形で設けることも可能です。就業規則の変更、もしくは新規作成を行ったら、所轄の労働基準監督署に届け出ましょう。テレワーク中の通信費や経費をどこまで誰が負担するのかといったルールも、労使で話し合い就業規則に定めておくとトラブルを防げます。

②テレワーク社員の人事評価制度の整備

人事評価制度を見直し、テレワーク社員にも適用できるかどうか確認します。オフィスのみに勤務する社員とテレワークを行う社員の間で不公平のないよう、明確な評価基準を定めましょう。テレワーク社員のマネジメント方法についてもルール化し、管理職に必要な研修を行うことも公平な評価を行うために有効です。

③テレワーク中の勤怠管理方法の決定

テレワークを実施する社員の労働時間を正確に把握するため、勤怠管理方法を確保しましょう。電話やメールで出退勤を報告する、または勤怠管理ツールやプレゼンス管理ツールを導入して労働時間を把握するなどルールを決めて、周知します。プロジェクトやタスク、スケジュールを管理するツールの導入も、テレワーク社員の業務の進捗を確認できるため便利です。

総務部門に必要な3ステップ

総務部門が進めるべき準備は、実際の運用に関係するテレワーク環境の整備です。具体的には次のとおり。

①テレワークに関するルール決定と周知

テレワークの対象となる業務や社員、日数などを定めましょう。始業時間・終業時間、テレワーク中に業務を中断する場合の運用ルールも必要です。また、チーム内で使うコミュニケーションツール、また情報共有の方法についても決めておくと導入がスムーズ。テレワーク中の、申請や承認方法も決めましょう。また、情報の取り扱いやデータの持ち出し等に関するセキュリティポリシーも必須です。情報システム部門と連携してルールを決定し、テレワークを実施する社員と、テレワーク社員と関わる全社員に周知させる研修を実施します。

②テレワーク社員の健康管理、労災適用の確認

テレワークをする社員の健康管理も総務部門の重要な業務です。顔が見えないテレワークだからこそ、社員の健康を維持するための取り組みは必須です。労働安全衛生法に従い、テレワーク社員にも健康診断を実施しましょう。また、テレワーク中でも業務が原因で生じた災害は労災保険の給付対象となりますが、私的行為が原因の災害は対象外。テレワークを行う社員に、労災の適用範囲を周知しましょう。

③ICTやセキュリティ対策を総務部門が担うことも

テレワーク実施に必要なのが、ICT環境の現状把握と整備、セキュリティ対策です。オフィス外でも効率的に働けるような端末やネットワークの整備、そして情報漏洩のリスクに備えた、暗号化やウイルス対策などのセキュリティ対策が必要です。情報システム部門がこの業務を担いますが、該当する部署がない場合、総務部門が準備を進めることもあります。

人事・総務がおさえておきたい導入のポイント

人事・総務部門がテレワーク導入を進める上で、特に注意するべきポイントは次のとおりです。準備の時間が限られているときも、これだけは必ず押さえておきましょう。

①ルールは労使間が共通の認識を持つまで協議する

テレワークの運用ルールや就業規則上の規定は、労使側での合意の上で決定することが大切です。人事・総務部門が一方的に進めると、テレワーク導入後の社員の不満やトラブルの原因となります。社員がストレスなくテレワークへ移行し、オフィス外の業務でも成果をあげるためにも、ルールに関しては会社と社員が共通の認識を持つまで話し合いましょう。

②テレワーク勤務について書面で明示を

労働基準法や労働契約法で、会社は従業員に、働く場所などの条件を書面で確認すべきと定められています。すでに雇っている社員にテレワーク勤務を行わせる場合は、できる限り書面で労働契約の変更について確認しましょう。また、新しく雇う人にテレワークを行わせる場合も、自宅でテレワークを行うことなどを労働条件通知書に明示する必要があります。

③勤怠管理にはシステムを適切に活用

テレワーク社員の労働時間を把握するために、システムを適切に活用しましょう。テレワーク社員の勤務状況を正しく知ることで、テレワークをしない社員や管理職の不安を減らすことができます。また、ツールを利用することで複数人の勤怠管理がしやすくなるため、管理職の負担も軽減できます。

④テレワークに関する助成金を申請する

テレワークを導入する中小企業に向けた国や自治体が用意する助成金があります。中でも代表的な2つの助成金について紹介します。

IT導入補助金

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者を対象としたITツールを新規導入した際に補助金の対象となる制度です。

導入するツールはIT導入補助金が指定した業者が提供する幅広いジャンルが対象となるため、テレワーク導入の際にクラウドツールを取り入れる際には検討したい補助金です。

IT導入補助金のサイトでは、情報共有システム、RPAツール、勤怠管理システム、経費精算システム、VPN、Web会議システム、会計システム、給与計算ソフト、接客ツールなどが紹介されています。

最大450万円まで補助が受けられるため、導入したいツールがIT導入補助金の対象となっている場合には積極的に活用していきましょう。

人材確保等支援助成金(テレワークコース)

人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、厚生労働省が新設したテレワークを新規導入する中小企業向けの助成金です。

テレワークに関する制度を規定した労働協約や就業規則を整備して、テレワークのために新規でITツールを導入する時に活用できます。

人材確保等支援助成金はIT導入補助金よりも審査が通過しやすいことが特徴です。助成金の上限金額は「100万円」もしくは「20万円×対象労働者数」となります。

テレワーク導入に役立つ代表的なツール

テレワーク導入に役立つ代表的なツールを見ていきましょう。ここで紹介するツールの中でIT導入補助金指定のものは補助金申請が可能です。自社のテレワーク導入に役立つものがあれば、積極的に申請していきましょう。

人事・総務ツール

人事・総務ツールは、電子契約システム、経費精算システム、勤怠管理システムが中心となります。

電子契約システム

総務部門のテレワーク導入の際には、電子契約システムの導入が必須です。電子契約システムを導入することで、印刷、署名、押印、郵送などの手間が省けます。

またペーパーレスで契約ができるようになるため、コストの削減や契約締結までのやりとりをスピーディに行えるようになります。

電子契約には電子証明書によって署名の内容が担保されるため、契約内容の改ざん防止も可能です。

経費精算システム

経費精算システムの導入によって、経費申請と領収書のやりとりをクラウドで対応できるため、承認フローや払い出しのペーパーレス化とスピード化ができます。

クラウド型の経費精算システムを利用すれば、社員がどこからでも自分の端末で経費精算を入力し、締切に合わせて総務部でチェックが可能になります。また会社用のクレジットカードやICカードと連携できるものや、スキャンした画像の文字を解読して、自動入力できるものもあるため、入力ミスを防ぐことができます。

勤怠管理システム

勤怠管理システムを利用することで、総務部門が計算で勤怠管理をする必要がなくなります。勤怠管理システムは経費精算システムと同様、勤怠変更に対する承認作業もワンクリックで済みます。

クラウドツールであれば、社員によって多様な働き方をしている場合にも柔軟に対応が可能で、勤怠管理の工数を削減することができます。

人事評価システム

総務と人事を兼任している場合は、人事評価システムを導入することで人事管理の工数を削減できます。

人事評価システムの選定については、人事異動や組織変更などに伴う従業員データの移行にも柔軟に対応できるものを選ぶとよいでしょう。

業務効率化ツール

次にテレワークの際にも業務効率を落とさないための便利なツールをご紹介します。

チャットボット

社内のよくある問い合わせについては、チャットボットを導入することで無人化・省人化が可能になります。

特に社内の備品に関する問い合わせや、会議室の予約依頼、各種書類の手続きフローなどを定型化することで、総務部門の個別対応の工数を削減することができます。

ビジネスチャットツール

総務部門だけでなく、テレワークを導入する全ての部門で導入したいものがビジネスチャットツールです。

ビジネスチャットとは、ビジネス利用に最適なチャットツールのことで、メールよりも短文で手短にやりとりができるため、テレワーク環境でも円滑にコミュニケーションを取ることができるようになります。

無人受付システム

総務部門がテレワーク中でも来客対応ができるように、無人受付システムを導入するのもよいでしょう。

無人受付システムとは、自社に訪問した方の来客対応をタブレットやタッチパネルを利用して無人化することです。来客された方がタッチパネル端末を利用した担当者に繋げるようにすれば、総務部門が来客予定のたびに都度出社する必要がなくなります。

テレワークの成功は人事・総務部門の準備次第

柔軟なワークスタイルの採用としてだけでなく、感染症などによるBCP対策としても導入が急がれているテレワーク。人事・総務部門による事前の環境整備が、テレワーク導入成功のカギとなります。会社のリスクに対処する力を強くするためにも、テレワークの準備を丁寧に進めましょう。

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参考・出典

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