人事・総務が知っておきたいテレワーク導入のポイント

chart-2.png

chart-2.png

mail_hatarabo_archives_8.jpg

働き方改革の施策のひとつとして、また感染症対策としても国を挙げて推進されているテレワーク。会社がテレワークを導入することが決まったら、まずは制度設計や環境の整備が必要です。その準備を主に担うのが、人事・総務部門。今回は、テレワーク導入が決まったら必要になる人事・総務部門の業務と、準備の際に注意するべきポイントについて解説します。

テレワーク導入に向けた人事・総務のミッションは?

テレワークは、通勤をなくすことにより社員のストレスを軽減したり、効率的な時間の活用ができるため、柔軟な働き方の許容による社員の満足度向上など、さまざまなメリットがあります。混雑した通勤電車を利用する機会が減るため、感染症拡大を予防する効果も期待されています。

テレワーク導入が決まったら人事・総務部門がやるべきことは、ルール作りとその周知や研修。そしてネットワーク環境など、安全で快適なテレワークが行える土台を整えることです。スマホやタブレット、ノートパソコンなどのモバイル端末が普及する中、オフィス外での業務はすぐに行うことができますが、十分な制度設計やセキュリティ対策を行わずにテレワークを導入することは、トラブルや社員のストレスにつながるリスクも。関係部門と連携し、必要なポイントを押さえて、丁寧に準備を進めることが大切です。

人事部門に必要なステップ

まずは、人事部門がやるべき準備について説明します。人事部門は、テレワークを行う社員の労働時間の管理体制の確立や、人事評価制度を整備する必要があります。

① 就業規則の変更

テレワークを導入する場合は、就業規則内にテレワーク勤務に関する規定を定めましょう。テレワークに関する規定は、就業規則に直接定める場合と、「テレワーク勤務規程」として別の形で設けることも可能です。就業規則の変更、もしくは新規作成を行ったら、所轄の労働基準監督署に届け出ましょう。テレワーク中の通信費や経費をどこまで誰が負担するのかといったルールも、労使で話し合い就業規則に定めておくとトラブルを防げます。

②テレワーク社員の人事評価制度の整備

人事評価制度を見直し、テレワーク社員にも適用できるかどうか確認します。オフィスのみに勤務する社員とテレワークを行う社員の間で不公平のないよう、明確な評価基準を定めましょう。テレワーク社員のマネジメント方法についてもルール化し、管理職に必要な研修を行うことも公平な評価を行うために有効です。

③テレワーク中の勤怠管理方法の決定

テレワークを実施する社員の労働時間を正確に把握するため、勤怠管理方法を確保しましょう。電話やメールで出退勤を報告する、または勤怠管理ツールやプレゼンス管理ツールを導入して労働時間を把握するなどルールを決めて、周知します。プロジェクトやタスク、スケジュールを管理するツールの導入も、テレワーク社員の業務の進捗を確認できるため便利です。

総務部門に必要なステップ

総務部門が進めるべき準備は、実際の運用に関係するテレワーク環境の整備です。具体的には次のとおり。

①テレワークに関するルール決定と周知

テレワークの対象となる業務や社員、日数などを定めましょう。始業時間・終業時間、テレワーク中に業務を中断する場合の運用ルールも必要です。また、チーム内で使うコミュニケーションツール、また情報共有の方法についても決めておくと導入がスムーズ。テレワーク中の、申請や承認方法も決めましょう。また、情報の取り扱いやデータの持ち出し等に関するセキュリティポリシーも必須です。情報システム部門と連携してルールを決定し、テレワークを実施する社員と、テレワーク社員と関わる全社員に周知させる研修を実施します。

②テレワーク社員の健康管理、労災適用の確認

テレワークをする社員の健康管理も総務部門の重要な業務です。顔が見えないテレワークだからこそ、社員の健康を維持するための取り組みは必須です。労働安全衛生法に従い、テレワーク社員にも健康診断を実施しましょう。また、テレワーク中でも業務が原因で生じた災害は労災保険の給付対象となりますが、私的行為が原因の災害は対象外。テレワークを行う社員に、労災の適用範囲を周知しましょう。

③ICTやセキュリティ対策を総務部門が担うことも

テレワーク実施に必要なのが、ICT環境の現状把握と整備、セキュリティ対策です。オフィス外でも効率的に働けるような端末やネットワークの整備、そして情報漏洩のリスクに備えた、暗号化やウイルス対策などのセキュリティ対策が必要です。情報システム部門がこの業務を担いますが、該当する部署がない場合、総務部門が準備を進めることもあります。

人事・総務がおさえたい導入のポイント

人事・総務部門がテレワーク導入を進める上で、特に注意するべきポイントは次のとおりです。準備の時間が限られているときも、これだけは必ず押さえておきましょう。

①ルールは労使間が共通の認識を持つまで協議する

テレワークの運用ルールや就業規則上の規定は、労使側での合意の上で決定することが大切です。人事・総務部門が一方的に進めると、テレワーク導入後の社員の不満やトラブルの原因となります。社員がストレスなくテレワークへ移行し、オフィス外の業務でも成果をあげるためにも、ルールに関しては会社と社員が共通の認識を持つまで話し合いましょう。

②テレワーク勤務について書面で明示を

労働基準法や労働契約法で、会社は従業員に、働く場所などの条件を書面で確認すべきと定められています。すでに雇っている社員にテレワーク勤務を行わせる場合は、できる限り書面で労働契約の変更について確認しましょう。また、新しく雇う人にテレワークを行わせる場合も、自宅でテレワークを行うことなどを労働条件通知書に明示する必要があります。

③勤怠管理にはシステムを適切に活用

テレワーク社員の労働時間を把握するために、システムを適切に活用しましょう。テレワーク社員の勤務状況を正しく知ることで、テレワークをしない社員や管理職の不安を減らすことができます。また、ツールを利用することで複数人の勤怠管理がしやすくなるため、管理職の負担も軽減できます。

④助成金の申請を忘れずに

働き方改革の一環としてテレワークを新たに導入する中小企業に対して、国が助成金を定めています。2019年度分の「時間外労働等改善助成金」に設けられたテレワークコースの申請受付は締め切られましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、「新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース」が新設。テレワークを新規導入すると、テレワーク用通信機器の導入や外部専門家によるコンサルティングなどにかかった費用のうち、1/2が助成されます。助成の対象となる事業の実施期間は、2020年2月17日~5月31日ですが、4月1日以降は、2020年度の「働き方改革推進支援助成金」が設けられる予定です。

テレワーク導入を検討している中小企業の総務部門の担当者は、助成金の申請も忘れずに行いましょう。詳しくは、厚生労働省のサイト「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」をご覧ください。

テレワークの成功は人事・総務部門の準備次第!

柔軟なワークスタイルの採用としてだけでなく、感染症などによるBCP対策としても導入が急がれているテレワーク。人事・総務部門による事前の環境整備が、テレワーク導入成功のカギとなります。会社のリスクに対処する力を強くするためにも、テレワークの準備を丁寧に進めましょう。

参考・出典

新型コロナ対策で助成金も!在宅勤務導入のステップを解説│働き方改革ラボ
情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書│総務省
自宅でのテレワークという働き方│厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署
第85回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会│厚生労働省
 労災保険法施行規則等の改正について(概要)│厚生労働省
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)│厚生労働省

chart-2.png

chart-2.png

mail_hatarabo_archives_8.jpg

この記事に関連するタグ