テレワークの正しい導入方法とは?メリットや確認しておきたいチェック事項なども紹介

From: 働き方改革ラボ

2020年07月16日 07:00

この記事に書いてあること

「テレワークの導入」とは、テレワークができる環境を整えてテレワークを開始すること。感染症対策や多様な働き方を認める時勢を受けて、テレワークを導入する企業が増えています。今回は、働き方改革の一環としてテレワーク導入を検討している担当者のために、日本での導入実情やメリット、導入方法などをわかりやすく解説します。テレワークを導入する際の参考に、ぜひご覧ください。

テレワーク導入における昨今の実情

テレワークの導入に関して具体的にお伝えする前に、まずはテレワークに関する現状を整理しておきましょう。

テレワークとは

テレワークとは、「tele = 離れた所」と「work = 働く」を合わせた言葉。情報通信技術を活用して、固定のオフィスに限らず、時間や場所にとらわれないで働くスタイルです。

リモートワークとの違い

リモートワークとテレワークは共に離れた場所で働くことで、ほぼ同じ意味として使われます。ただ、リモートワークは、離れた場所にいるメンバーがチームでひとつのものを作り上げるというニュアンスが強いです。

テレワークの導入率

総務省によると、企業のテレワークの導入率は、2015年~2017年の平均で14%程度でした。パーソル総合研究所の調査では、2020年4月、正社員のテレワーク実施率は27.9%にまで増加しています。

テレワークを導入するメリット

2020年に入ってから一層、浸透が進んだテレワーク。では、テレワークを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

コストをカットできる

テレワークの主なメリットのひとつが、コストが削減できることです。交通費の削減が実現し、従業員にとっては、移動時間や通勤ラッシュによる負担が減ります。ワークスペースの運用コスト、紙資料の廃止による印刷費や保管費用もカットできます。

業務の効率化

テレワーク中は外部からの電話や上司・同僚の声かけによる仕事の中断が減るため、業務が効率化します。また、通勤にかかっていた分の時間や休憩などのあいた時間を、家事など仕事以外のことに有効活用ができます。

人材の確保

ケガや障がいなどで移動に制限がある人、また育児や介護で自宅を離れにくい人など、通勤が必須な勤務形態では仕事が難しい人もいます。そんな人材もテレワークを活用すれば活躍できるため、人手不足が解消できます。

テレワーク導入の課題点

反対に、テレワークの実施を妨げる要素や、導入の際に注意しなければならない点もあります。主な課題点は次のとおりです。

労務管理が困難

全社員がオフィスで仕事をするケースより、それぞれ別の場所で働くテレワークは労働状況の把握が難しいという課題があります。テレワーク社員の労働時間をチェックする仕組みや、勤務に関するルール作りを進める必要があります。

セキュリティ対策が必要

テレワーク導入には万全なセキュリティ対策が求められます。業務に使用するPCなどのデバイスのセキュリティ管理、また情報の持ち出し等に関するルール作りが必須です。各社員にとっても、デバイスの紛失や、公共の場所で仕事をする際のウイルス感染、のぞき見による情報漏洩などのリスクを防ぐ対策が必要です。

対応できる業種や業務が限定される

テレワークは対象となる仕事が限定されるという点にも注意が必要です。ITツールを利用して業務が進められる仕事はテレワークが可能ですが、工場やインフラ整備、医療サービスなど現場勤務が必要な仕事では、テレワークは実施できません。

テレワーク導入前に確認しておきたいポイント

テレワーク導入を進める前に、今、自社の体制がどこまで整っているのか確認することも大切です。そのチェックポイントは次の通り。

ネットワークやシステムが対応しているか

情報通信システムが整備されているか、チェックしましょう。PCやスマートフォンの利用状況や、社員がオフィス外で仕事をするための通信インフラの整備状況を確認します。WEB会議システムやチャットツールなど、テレワークで使用するツールが導入されているかも重要です。

セキュリティ対策がされているか

テレワーク中の情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策の有無も重要なポイントです。テレワークで使用する端末や情報通信システムに対してセキュリティ対策がなされているか、適切なセキュリティツールが導入されているか、チェックしましょう。情報の取り扱い方法や、漏洩リスクのある場所での仕事を制限するなどのルールの整備も必須です。

労務管理や経費などルールが確立しているか

テレワーク中の労務管理と経費に関するルールも必要です。労働時間に関する規則や、出勤・退勤時間の報告方法を確立しておきましょう。また、テレワーク中の通信費や光熱費、備品の費用負担についても会社と社員の間で定めておくことが大切です。

テレワークの導入方法

では次に、実際にテレワークを導入する際のステップについて具体的に解説します。

導入の検討

テレワーク導入で大切なのが、テレワークの効果をふまえた目標設定です。生産性の向上、非常時の事業継続への備えなど、テレワークによって実現したいことを明確にしたうえで、導入に関するガイドラインを制定しましょう。

課題の把握

テレワーク導入にあたり対応すべき自社の課題点を把握します。テレワークの対象となる業務の設定や、テレワークに関するルール整備などが進んでいないケースもあるでしょう。情報通信システムの整備、勤怠管理方法の確立など、必要な対策を整理することが大切です。

体制の確立

次に、テレワークの導入を進めるための体制を確立しましょう。安全かつ確実に導入するため、人事・総務部門や情報システム部門、またテレワークの対象となる部門のメンバーを含むプロジェクトチームを結成するのがおすすめです。推進体制が整ったら、テレワークの導入範囲を確認するための業務分析、労務管理制度の見直し、セキュリティ対策の準備を進めましょう。その後、テレワークに関する目的やルール、実施方法をまとめたガイドラインの策定に移ります。

環境整備

ルールやガイドラインが完成したら、実際にテレワークを行うための環境整備に進みます。使用する端末の準備のほか、情報通信システムやセキュリティシステム、コミュニケーションツールの導入など、問題なく業務が行える環境を作りましょう。

社内への浸透

社内にテレワークについての理解を深め浸透させるため、研修を行いルールや方法について周知します。また、トライアルとして社内の一部でテレワークを実践しましょう。新たな課題が見つかった場合は対策を行い、環境を改善していきます。

評価測定

トライアルでの評価測定を行うことが、テレワーク導入の成功には欠かせません。定量的、定性的な基準をともに評価した上で、導入範囲の決定や本格導入を進めましょう。

定量的評価項目

コストや業務効率など、数値で測れる要素で効果をチェックします。顧客対応回数や作成した資料の件数、残業時間などによって、業務の生産性を評価。また、交通費やオフィス賃料、印刷費などのコストの変化も重要なポイントです。離職者数や、採用の応募数の質や量の変化によって、人材確保の観点からの効果を知ることもできます。

定性的評価項目

定量的には計測できない要素の評価も重要です。顧客満足度やコミュニケーションの頻度や質の変化についても、アンケートや聞き取り調査で確認しましょう。仕事に対する意識や通勤のストレスの軽減といった従業員の満足度に関するチェックも必須です。私生活や育児・介護との両立の実現度合い、家族との時間や趣味の時間が充実したかどうかも評価しましょう。

記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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