副業解禁のメリット・デメリットとは?企業が知るべきポイントを解説

From: 働き方改革ラボ

2022年07月14日 07:00

この記事に書いてあること

2018年1月、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成して以降、解禁の動きが広がりつつある「副業」。かつて日本の企業は「終身雇用」を守っていたため、副業や兼業を原則禁止としてきました。しかし近年では、働き方の多様化や、政府が進める「働き方改革」を受け、徐々に副業を認め、促進する動きが出始めています。今回は、こうした昨今の副業事情や、副業のメリット・デメリットなどを見ていきましょう。

※2019年10月に公開した記事を資料化し公開しました

副業の現状とは

厚生労働省が2017年に行った調査では、本業以外に仕事をしている人は7.2%となっています。年代別に見ると、副業をしている人は30代から50代に多い傾向。3つ以上の副業をもつ人はごく少数で、掛け持つ副業の数が2つまでという人が大多数(94%)を占めています。

上記の厚生労働省の調査によると、副業の目的は「収入を増やしたいから」「1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体ができないから」「自分が活躍できる場を広げたいから」という回答が多く寄せられています。また、副業の業種については、収入増加につなげやすいサービス業や、自分のスキルを活かせる専門的・技術的職業の割合が高い傾向が見受けられます。

副業によって得られるメリットって?

副業について検討する際には、労働者側と企業側にそれぞれメリット・デメリットがあることを知っておく必要があります。

まずはメリットから見ていきましょう。

<労働者側のメリット>

○収入の増加
「副業の目的」として多くの人が挙げているように、仕事を増やすことで収入の増加が見込めます。

○スキルや経験の習得
本業だけでは得られないスキルや経験を習得することで、キャリアアップにつながることが期待されます。

○起業や転職に向けての準備や試行が可能
本業での収入があることで、リスクを抑えながら将来の起業や転職を視野に入れたチャレンジができます。

<企業側のメリット>

○労働者のスキルアップ
副業を通して新たな知識や経験が身につき、社員のスキルアップにつながることは企業側にとっても大きなメリットとなるでしょう。社員が本業にもやりがいを持って主体的に働けるようになることや、社員同士の競争力を向上させることなどが期待できます。

○優秀な人材の確保
副業を会社側が認めることで、従業員の定着率が向上し、優秀な人材の流出を防ぐことにもつながるでしょう。

○事業機会の拡大へつなげる
副業によって得た情報や人脈を入れることで、他の企業や団体とコラボレーションして技術開発をしたり、オープンイノベーションを生み出したりといった新たな事業拡大につなげることができます。

副業によるデメリットって?

上記のようなメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここからは、労働者側と企業側それぞれのデメリットを見ていきましょう。

<労働者側のデメリット>

○ワークライフバランスを保つのが困難
長時間労働となり、時間や体調の管理がより難しくなることが考えられます。パーソル総合研究所の調査では、「過重労働となり、体調を崩した」と回答した人が13.5%という結果も。

○雇用保険等の適用対象外となる可能性
1週間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合は、雇用保険が適用されないことがあります。

<企業側のデメリット>

○「職務専念義務」に関するリスク
副業を本業の仕事が終わった後や休日に行う人が多いため、十分に休めないことで本業に支障をきたすケースも。この場合、生産性の低下が懸念されます。

○離職を促す可能性
優秀な人材が、本業を離れて副業の方へ転職してしまう可能性がゼロとはいいきれません。

○機密情報の流出リスク
副業を解禁するにあたって、情報漏洩について不安視する声は多いようです。「秘密保持義務」や「競業避止義務」を確保するためにも、会社の機密情報の取り扱いについて、改めて社員と確認する必要があるかもしれません。

企業側が意識したい、副業トラブル対策

副業解禁は近年の流れであり、トラブル対策がまだ十分とはいえません。日本法規情報の調査では、副業に関するトラブルに巻き込まれた際、半数が「誰にも相談していない」と回答していることが明らかになっています。

労働者側のトラブルは、副業を利用した詐欺被害や確定申告漏れといった、いわゆる自己責任によるものが多いようですが、ここでは企業側ができるトラブル対策について考えていきましょう。

○労働時間の管理体制をつくる
先に述べたデメリットからもわかるように、労働者側と企業側双方の問題として著しいのが、健康管理のトラブルです。

厚生労働省は、「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」において、労働者の健康確保などに配慮しながら、どのように実効性のある労働時間管理を行うか等の課題について検討を重ねています。

2019年7月9日には、副業・兼業をする人の労働時間について、従業員の健康確保を前提として、月100時間未満を上限とする残業規制を柔軟に適用する方針が厚労省から示されました。ただ、これはあくまで選択肢の例示にすぎないとのこと。企業側も、社員の副業状況をきちんと把握する体制をつくるなど、過重労働防止のための具体的措置について考える必要があります。

○評価方法の見直し
副業を許可した際に、社員が明らかな就業規則違反をした場合、たとえば会社への報告を失念していたり、会社が許可している範囲を超えて副業をしていたりするケースは処分の対象となるでしょう。しかし、副業トラブルとして多く聞かれる「本業に支障をきたしている」というケースについては、安易な判断は避けたいもの。営業職や販売職の場合は「売り上げ成績」などで成果が見えやすいですが、それ以外の職種の評価方法はしっかり見直し、誤った評価を下すことは避けましょう。

今後の展望

株式会社インテージリサーチの調査によると、副業に関心がある人は過半数以上(58%)にものぼるとのこと。副業は単に収入を増やす手段としてだけではなく、自己実現や一つの企業に依存するリスクの回避など、その目的は今後も多様化していくと考えられます。また、趣味や特技を活かせるような副業も増えていくかもしれません。政府も副業・兼業を推進すべく、マニュアルを作成するなどして対策を初めており、今後の各企業の対応に注目が集まりそうです。

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