採用活動をオンラインで完結することはできるのか

From: 働き方改革ラボ

2020年06月25日 07:00

この記事に書いてあること

人々の生活に多大な影響を及ぼしている新型コロナウイルス。企業の採用活動にもその影響が広がるなか、急速に必要性と存在感を増してきたのが「オンライン採用」です。この記事では、今後ますます必要性が高まることが予想されるオンラインでの採用活動について、その基礎知識やポイントを整理していきましょう。

「会社説明会」と「面接」のオンライン化

従来の採用活動において、対面で実施することがいわば“当然”として取り扱われてきたプロセスが、「会社説明会」と「面接」。ここでは、これらのプロセスをオンライン化する際のポイントを見ていきます。

会社説明会

会社説明会は、採用活動の基盤を作る重要な機会です。企業側は、この段階ではまだ、応募者一人ひとりについてしっかり確認するというよりも、自社について広く知ってもらうことを前提とすることが多いでしょう。そのため、オンライン化も比較的容易に行えます。一方で懸念されるのが応募者側。できることなら実際に企業に赴き、説明会中のスタッフの振る舞いや発言、雰囲気を体感することで、自身に合う社風かどうかを感じ取りたいもの。画面越しに得られる情報には限界があるため、企業側が応募者のために、いかに自社の雰囲気や従業員の人間味を伝えられるかが、オンライン説明会の成功の鍵となります。

面接

面接は、オンライン化するにあたって最大の難関といえます。企業側は、応募者の話し方や細かい仕草、雰囲気などから、能力だけではなく、適性や自社に合うかといった内面までをも見極めなければなりません。面接時間も対面式に比べ短い場合が多いため、限られた時間で必要な情報を収集する必要があります。企業側は、応募者の履歴書を事前に入念に確認しておくことや、的確な質問を設定しておくことがポイントとなります。

採用活動をオンライン化する2つの方法

オンラインで採用活動を行う方法は、大きく分けて2つあります。リアルタイムでやり取りを行う「ライブ配信型」と、動画をアップロードしてやり取りする「録画型」です。それでは、それぞれの方法について、会社説明会と面接を行う際のポイントはどのようなところにあるのでしょうか。

会社説明会

ライブ配信型

ライブ配信型の会社説明会は、リアルタイムで実施されるため、双方向の対話が可能。チャット機能を利用すれば、随時質疑応答などもできます。一方で、スムーズな運用にはある程度のノウハウが求められるでしょう。画面越しでは多数の応募者の反応が見えにくい場合も多いため、人数の上限を設定するのも一つの方法。応募者と共に説明会をつくっていくという設計にするのもよいでしょう。

録画型

企業から明確なメッセージを伝えることに向いているのが、録画型の会社説明会です。自社を広く知ってもらいたい場合、あるいはインターンシップなどで既に面識のある応募者にアピールする場合にも適しています。伝えたい内容を無駄なくしっかり画面におさめることがポイントになります。

面接

ライブ面接

リアルタイムで質疑応答ができるため、対面に近い形で応募者とコミュニケーションをとることができるのがライブ面接のメリットです。従来はSkypeなどのWeb会議システムを用いて行われていましたが、ユーザー登録やツールのインストールなど、相互の事前準備が必要で、採用活動で活用するには限界がありました。しかし、最近ではオンライン面接に特化したツールも登場。手軽にオンライン面接を取り入れる企業が増えています。通信環境の不具合や、BGMや環境音を拾ってしまうなどのトラブルも少なくないため、事前の確認は必須です。

録画面接

録画面接とは、事前に企業から設定された質問に対し、応募者がビデオチャットアプリなどで回答を録画し、提出するもの。応募者は好きな時間に好きな場所で回答し、録画した動画を送信できるので、双方ともに負担が少ないのがメリットです。一方、応募者と面接官が直接やり取りを行わないため、採用プロセスの途中で離脱者が出やすいという懸念も。案内方法や質問の設計に工夫が必要です。

オンライン面接を工夫する

前述の通り、採用活動のオンライン化において最もハードルが高いのが、面接です。ここでは、企業側がオンライン面接時に気を付けるべきポイントを確認していきましょう。

通信環境を整える

先に述べたように、面接中に通信トラブルなどがないよう事前に通信環境や機器を確認しておくことが大切です。

応募者の緊張緩和

対面式に比べ、応募者とのつながりが希薄になりがちなオンライン面接。入社後のスムーズなコミュニケーションのためにも、応募者には少しでもリラックスした状態で面接に臨んでもらいたいものです。採用側は、画面の背景画像を工夫したり、明るい色の服装を選んだりして、応募者の緊張をなるべく緩和するように心がけるとよいでしょう。

面接の記録

オンライン面接は、対面式よりも応募者の印象が残りにくいもの。企業側は、面接時にメモを取ったり、録画機能を活用したりして面接内容を記録し、振り返られるようにしておくことがポイントです。

オンライン採用のメリット

上記のように、オンラインで対面式と同等の面接を実現するには様々な工夫が必要ですが、オンラインで採用活動をするメリットはどのようなところにあるのでしょうか。

面接にかかるコストをカットし、選考期間を短縮できる

オンライン面接は、静かな場所と通信環境があれば実施できるため、面接会場などの場所代や採用における人件費の削減につながります。また、採用までがオンラインで完結するため、書類の印刷や整理、配送といった手間も省け、内定までのスピードアップも図れます。応募者にとっては、移動時間や交通費が削減でき、効率的な就職活動につながるでしょう。

企業が求める人材に出会える確率が上がる

遠方の希望者とも会えるほか、コストカットや面接の効率化により、より多くの応募者と話す時間を確保できるのがオンライン採用のメリットです。結果として、応募者が多いほど、優秀な人材に出会える確率も上がるでしょう。

比較的リラックスして臨める

従来の面接では、慣れない場所に緊張して言いたいことがうまく伝えられないという応募者も多かったかもしれません。しかしオンライン面接は、自宅などのリラックスできる空間で受けられるため、比較的落ち着いた状態で臨めることも。採用する側にとっても、応募者の自然な振る舞いを確認できる絶好の機会となります。

まとめ

新型コロナウイルスの影響により、多くの企業がオンラインでの採用活動を開始しています。今後恒久的な採用活動の選択肢となり得るオンラインでの採用活動。以上のポイントを踏まえたうえで、ぜひこの機会に採用活動のオンライン化を検討してみてはいかがでしょうか。

記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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