ITで不動産の顧客満足度を上げよう!不動産テックとは?

mail_hatarabo_archives_8.jpg

対面での重要事項説明が必要なことや書類のやりとりの多さなどから、アナログな方法が残るイメージもある不動産業界。ただ最近では、よりユーザーが便利にサービスを利用するためのツールが増え、導入が進んでいます。不動産業界の習慣を変える「不動産テック」の概念と、IT活用の具体策について紹介します。

不動産業界のIT活用の現状は?

住居やオフィスの賃貸、また売買を扱う不動産サービス。ユーザーが利用するシーンで、ITはどのくらい活用されているのでしょうか。現状では、店舗に行って賃貸や売買の相談をする習慣や、対面での重要事項説明や郵送での書類のやりとりを必要とするケースが多く、IT活用によって取引を効率化できる余地がまだ多いと言えます。

厚生労働省が発表した「労働経済の分析-労働生産性と雇用・労働問題への対応- (平成27年度版) 」によると、不動産業界のIT資本投入の量は、14業種中最下位。不動産業界のIT投資が、他業界に比べて低いというデータもあります。

不動産業界のIT化推進の動きとメリット

そんな中、不動産業界でも積極的にITを活用しようという動きが活発化しています。国土交通省も、不動産業界の業務効率化やサービス拡大、新ビジネス創出を目的に、不動産業界のIT活用を推進。これまで許可されていなかったオンライン上での重要事項説明の解禁、ITなどの新技術を活用した取り組みへの支援、防災情報や過去の土地利用などの不動産情報のデータベース化を進めるなど、不動産業界のIT化を後押ししています。

不動産サービスを利用する消費者にとっては、業界のIT活用が進むことで、不動産情報の収集や検索、検討や契約などの利用シーンにおいて利便性がアップするというメリットがあります。

加えて、ユーザーに提供される不動産情報が質・量ともに向上。不動産価格や価値の査定システムなどのツールが充実することで、不動産情報の透明化も進みます。また、ITの活用は不動産業の業務効率化や省力化にもつながるため、不動産業界で働く人にとってもメリットがあります。

不動産テックとは?

「不動産テック」とは、不動産とテクノロジーを掛け合わせた造語。ITツールやインターネット、テクノロジーの力によって、不動産売買や賃貸、投資に関わる新しい仕組みを生み出すことや、ユーザーとサービス提供側の取引のあり方の変化を目指す取り組みのことです。

不動産テックには、すでに一般化している物件情報ポータルサイトといったWEBサービスだけでなく、不動産の業務支援ツール、VRによる物件内見体験やインターネット経由の不動産投資支援などの新しい取り組みが含まれます。さまざまな企業が不動産テックに参入し、今までにない技術を活用したサービスを提供しています。

不動産業界のIT活用の具体例

では、不動産テックの取り組みには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。主なサービスを紹介します。

     不動産情報メディア

物件情報を集約して掲載するポータルサイトや、不動産に関する情報を提供するメディア。個別の物件情報をユーザーに提供し、不動産仲介業者へとつなぐ役割を果たします。不動産購入や賃貸に関する知識や街ネタなど、ユーザーにとって有益な状況を提供するWEBサイトもこれに含まれます。

物件以外の不動産に関するデータを業務に活用できるサービスも登場。不動産登記情報の取得や、災害データのチェック、日本全国の人口統計や居住者・立地特性といった情報を取得・分析できるシステムもあります。

      マッチングサービス

物件所有者と利用者、不動産業務と不動産業界で働きたい人などをマッチングするサービスです。不動産プロフェッショナルなどの人材に特化したものや、工事の受注、民泊ビジネス、相続不動産や居抜き物件といった不動産の種類別に特化したものなど、多様なサービスがあります。リフォームやリノベーションの企画設計施工や、リフォーム業者に関する情報提供、ユーザーとのマッチングを行うサービスも。 

     VRAR

ヴァーチャルリアリティ(VR)・拡張現実(AR)の機器を不動産情報提供に活用するシステム。VRARで利用するデータ合成を行うサービスもあります。VRによる物件の疑似内見や、ARを使った、家具の配置や使用材質のシミュレーションといった活用が進んでいます。 

     価格可視化・査定

データやAIなどの解析技術を用いて、不動産価格や賃料を査定、また将来の見通しを可視化するサービスやツールです。複数社にまとめて不動産の価格の査定を依頼できる    WEBサイトや、売却のための一斉見積もり依頼ができるサービスもあります。 

     スペースシェアリング

不動産や空きスペースのシェアやマッチングを行うサービスです。会議室やイベントスペース、駐車場や美容室などの空き状況の検索や予約をすることができます。短期から中長期の間、空いている不動産を有効活用するとともに、スペースを一定期間だけ利用したいユーザーに機会を提供します。 

     ローン・保証

不動産取得に関するローンや保証サービスの提供、仲介・比較をするサービスです。借り換えメリット査定やローンのシミュレーション機能などによって、ユーザーの住宅ローン選びをサポートします。 

     IoT

IoTとは、モノのインターネット。ネットワークに接続されたデバイスを、住居やオフィスでの生活、または不動産サービスに活用します。Google Homeや電子鍵などの入居者向けサービスのほか、WEBカメラを使った不動産のチェック、入退室管理システム、管理会社向けスマートロックシステムなど、不動産の業務を支援するツールもあります。 

     クラウドファンディング

WEBプラットフォームを使って、複数の投資者から資金を集め、不動産への投融資を行う仕組みを提供。不動産事業向けの資金を必要とする人と、資金の提供者をマッチングさせるサービスもあります。投資したい個人にとっては少額から不動産投資を行うことが可能になり、資金調達をする側にも、クラウドファンディングによって機会が拡大するというメリットがあります。 

     管理業務支援

不動産管理会社などの業務効率化を支援します。顧客情報の管理、運営支援ツールなど、主にPM(不動産経営代行)業務をサポートするシステムを提供します。

管理業務支援には、IT重説の支援ツールも含まれます。IT重説とは、これまで店舗で対面で行っていた不動産賃貸契約や売買契約における重要事項説明を、スカイプなどのビデオ通話を使用してオンライン上で行うこと。201710月に、賃貸取引に関するIT重説が解禁されました。IT重説は、遠方の不動産を契約する際にユーザーに移動の負担がない、ユーザーと業者間の日程調整の融通が利くなどのメリットがあります。 

     仲介業務支援

不動産賃貸・売買の仲介業務を支援します。顧客情報管理、営業支援、物件確認自動音声対応ツールなど、仲介業務に特化したサービスを提供します。

不動産業界のIT化は働き方改革にもつながる

スタートアップ企業の取り組みを中心に、これまでになかった新しいWEBサービスやプラットフォームが不動産業界に登場しています。ITの活用は、不動産を探すユーザーや、不動産投資をしたい投資家の利便性を向上するだけでなく、新しい事業機会も生み出します。また、良質な情報を効率よく顧客に提供できるサービスや業務支援ツールの登場は、不動産業界の売上アップや業務効率化にも直結。働き方改革も実現する不動産テックの導入を、できるところから始めてみてはいかがでしょうか?

mail_hatarabo_archives_8.jpg

この記事に関連するタグ