今を生き抜く社会人のキソキホン・「生産性」って何だ?

From: 働き方改革ラボ

2017年12月18日 07:00

この記事に書いてあること

あらためて考える、「生産性」の意味

ワークライフバランスやダイバーシティなど、これまでにも働き方をめぐる問題とその改善推進はさまざまに図られてきましたが、その中でキーワードとなる言葉のひとつに「生産性」というものが挙げられます。

固定化されたサラリーマン的な働き方が当然とされ、一括採用と終身雇用、年功序列による評価・昇進が、疑いのない広がりをもって存在したかつての日本。有給休暇も取りにくく、サービス残業の常態化が放置されるなど、長時間労働になりがちな日本は、世界に比べて生産性が低い社会だということが長年指摘されてきました。

しかし改めて考えるとき、私たちはこの「生産性」という言葉の意味をきちんと理解しているでしょうか。いくら生産性向上と目標を掲げても、その内容を正しくつかんでいなければ、正しい対策の取りようがなく、問題解決には程遠いです。そこで今回は真の"働き方改革"の実現を支え、その恩恵を享受できる社会人となるべく、「生産性」について考えてみましょう。

「生産性」とは何か?日本の生産性は低いのか?

生産性とは、「どれだけ少ない資源でどれだけ大きな価値を生み出せるか」ということです。例えば、何かを生産するときには、原材料や機械設備、労働力などが必要になってきます。これらがどの程度効果的に使用されたかを割合で示したものが生産性です。労働という視点から生産性について考えると、いかに時間や労力をかけずに多くの価値を生み出せるかがポイントとなります。

生産性を向上させるということは、ただの業務効率化や労働時間短縮や、残業などインプットを増加させて事業活動の結果だけを改善するだけでも達成できません。労働力や資本を上手く使って、より付加価値の高いビジネスに取り組むことが必要です。言い換えれば、「よりスマートな」「より楽に稼げる」働き方ということになるでしょうか。

では、日本の生産性は世界に比べて実際に低いのでしょうか。ここで参考指標となるのが、就業者1人あたりのGDP、国内総生産総額を就業人口で割って求めた値です。国内総生産(GDP)は、一定期間において日本国内で生み出された財・サービスの合計のことを指します。

日本の場合、GDPは世界3位ですが、就業者1人あたりのGDPにすると20位以下に転落します。2017年のデータによると世界の国別順位では25位。先進国と言われるOECD諸国の平均値も下回っています。少子高齢化の影響もありますが、総人口にした1人あたりのGDPにすると、ここ数年でもさらに順位が年々低下していると言われています。これらの点から、日本は全体として生産性が低いと指摘されています。

gdp.png【出典 IMF World Economic Outlook (October 2017)

生産性向上のためにできること

では、生産性を向上させるには具体的に何を改善すればよいのでしょうか。

まず、仕事に緩慢と取りかからないようにすることが大切です。達成すべき目的を明確化し、そのためにやるべきことをピックアップします。仕事が早い人、成功する人は、きちんと段取りを踏むことができています。結果にいたるまでの過程を整理し、仕事をうまく分解して順序よく取り組めるようにしましょう。

ロードマップがしっかり描けていれば、その日にやること、やらないことが整理され、やらないことに割かれていたリソースをやるべきことへ集中させると、確実に生産性が上がります。目的と成果を明確にしておく上で、満たすべき質と時間の関係性も重要になります。完成度の高い仕事は信頼を勝ち得るものであり、自分自身もやり遂げたときの達成感を味わえますが、仕事では納期に間に合わなければ失敗になってしまいます。つぎ込んだ労働時間の長さ、インプットの大きさが、さらに生産性を悪化させることになります。ただやみくもに達成を目指すのではなく、満たすべき質と時間のラインをしっかり意識しましょう。

また、集中力が低下したまま作業を続けても能率は上がりません。休憩をきちんと確保し、適宜気分転換を図り、精神論、根性論から脱した働き方を前向きに実践しましょう。

作業を進めていて行き詰まったり、分からないことが出てきたりした場合には、遠慮なく人に尋ねることも重要です。恥ずかしがって確認を怠ると、思わぬ失敗に結びつきます。尋ねる際はやはり漠然と聞くのではなく、聞きたいポイントを絞って明確にし、相手から得た答えのメモを取りましょう。次に同じことを質問しなくて済むようになり、それをまとめることで自身の業務マニュアルとして、貴重な将来の財産になります。

また、モチベーションを保つため、自身の取り組みがより高次な段階、企業全体の価値などにどうつながっているかを意識し、確認することも実行したいですね。意義を見出せれば積極性が上がり、生産性も向上するでしょう。

以上「生産性」について考えてきましたが、いかがでしたか?分かっているつもりでも曖昧になっていたこと、基礎基本ながら実践できていなかったことなど、現状の問題点が少し見えてきたのではないでしょうか。まず身近なところから着手し、生産性を高める糧にしてみてはいかがでしょうか。

記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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