【見本あり】わかりやすい会議資料の作り方|確認すべきポイントを徹底解説

From: 働き方改革ラボ

2023年07月04日 07:00

この記事に書いてあること

会議でのプレゼンテーションを任されたときに必要なのが、投影や配布をして使う資料の作成です。会議資料は、内容を参加者に正しく理解してもらうためにとても重要な書類といえます。しかしなかには、わかりやすい資料を作れなかったり、準備に時間がかかってしまったりと苦戦している人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、プレゼン資料作りが苦手な人のために、効率的に見栄えのよいスライドを作るためのポイントを見本とともにお伝えします。

わかりやすい会議資料を作るメリット

はじめに、わかりやすい会議資料を作るメリットを解説していきます。

1. 会議の質を上げる

わかりやすい会議資料を作る1つ目のメリットが、会議の質を上げることです。説明の根拠やステップなどが示された資料を見ながらプレゼンテーションをすることで、参加者がより深く内容を理解することができます。

また、会議資料があることで、参加者が聞き逃してしまった情報を目で見て確認できるというメリットもあります。さらに、口頭では説明するのが難しい内容をグラフや追加情報によって補足しながら伝えられることも、発表者側・参加者側の双方にとって嬉しいポイントといえます。

2. 発表に備えられる

わかりやすい会議資料を作る2つ目のメリットが、発表者が会議に備えられることです。資料を作る過程で、作成者が参加者に対してどうすればわかりやすく伝えられるか考えられるため、プレゼンテーションの内容や進め方を整理した万全な状態で会議に参加できます。

会議資料作成前に確認しておくべき3つのポイント

わかりやすい会議資料を作るメリットはさまざまですが、資料作成に時間をかけすぎてしまっては他の業務時間を圧迫してしまいます。そのため、手間をかけすぎずにわかりやすい資料を作ることが大切です。準備を効率化するためにも、誰にでもできる資料作成のシンプルなポイントを押さえておきましょう。

この章では、会議資料作成前に確認しておくべきポイントを3つに分けて解説します。

1.     会議やプレゼンの目的

会議資料を作成する前に確認すべき1つ目のポイントは、会議やプレゼンテーションを行う目的です。ひとえに「会議」といっても、何かしらの案をともに考えるのか、数値の報告・共有をするのかなど、目的によって伝えるべき情報は異なります。適切な資料を作成し、有意義な会議を行うためにも、会議やプレゼンテーションの目的を事前に確認しておきましょう。

2.     会議で達成したいゴール

会議資料を作成する前に確認すべき2つ目のポイントは、会議で達成したいゴールです。これは会議やプレゼンテーションの目的にも通ずるポイントですが、同じ情報であっても、会議を通してどのようなことを達成したいかによって話の展開の仕方が変わってきます。ゴールを明確にした上で、それを可能にするための資料作成を行いましょう。

3.     資料作成に充てられる時間

会議資料を作成する前に確認すべき3つ目のポイントは、資料作成に充てられる時間です。会議やプレゼンテーション以外の仕事もある作成者は、限られた時間で資料作成を行わなければなりません。また、上司のダブルチェックが必要なこともあるでしょう。スケジュールを確認し、具体的にいつまでにダブルェックに回せたらいいのかを確認することで、資料作成における適切な時間配分を考えられます。

資料作成に時間を充てるがあまり他の業務を疎かにしてしまっては無意味ですし、かといって当日にあわてて仕上げては資料の完成度が落ちてしまいます。限られた時間をどう活かすのか考えるためにも、事前に確認するといいでしょう。

わかりやすい会議資料の作成方法|5つの法則

続いて、わかりやすい会議資料を作成するときに意識したい5つの法則を解説していきます。実際に見本資料を用意しているので、短期間に仕上げたい場合にもぜひご参照ください。

1.     フォントや表記を統一する

1つ目の法則が、フォントや表記を統一することです。読みやすいフォントの種類を設定するのはもちろんのこと、半角全角の表記などを統一することで見栄えがよくなり、情報が頭に入り込みやすくなります。

具体的には、長文でも疲れにくい「MS P明朝」、縦横の長さが均一で読みやすい「メイリオ」、文字情報を認識しやすい「MS Pゴシック」などがおすすめです。そもそも日本語に対応していないフォントや、デフォルトの文字幅が狭く調整するのに時間がかかる「HG 丸ゴシックM-PRO」などは避けましょう。

内容を強調したいときには文字のサイズやフォントの種類を変えることも有効ですが、フォントのサイズがあまりにもばらついている資料は散らかった印象になるため、ある程度サイズのパターンを決めて使い分けるのがおすすめです。

2.     色の選び方を工夫する

2つ目の法則が、色の選び方を工夫することです。

会議資料は、一般的に、資料の面積を占める白色や黒色といった「ベースカラー」、見出しなどに使用する「メインカラー」、本文のなかでも強調したいときに使用する「アクセントカラー」の3色で構成するのが美しいとされています。

たとえば、信号の「赤」「青」のように彩度や明度が高すぎる色は、目立つ分、非日常感を与えてしまい読む側にとってストレスになってしまいます。メインカラーとアクセントカラーは“主張”したいときに使用するため、つい目立つ色を選んでしまいがちですが、彩度と明度には注意しましょう。

3.     グラフの情報はシンプルにする

3つ目の法則が、グラフの情報はシンプルにすることです。グラフを入れる場合は、できるだけ情報や項目を減らしてシンプルにしましょう。情報が多い場合はピックアップしたりまとめたりして、重要なポイントを引き立たせるとより伝わりやすくなります。

また、用途に応じたグラフを選ぶことも大切です。売上の推移など数値の比較をしたいときは棒グラフ、変化について説明がしたいときは折れ線グラフを使いましょう。上記の図表は折れ線グラフですが、全体のなかの割合を見せたいときは円グラフが最適です。

グラフを使用するときには、モノクロではなく色をつけると目を引きます。ただ、色を使いすぎると雑然とした印象になるため、円グラフなど項目が多い場合は同系色でまとめる、棒グラフは2色の対比で強調するなどの工夫がよい資料につながります。

4.     1スライドにメッセージは1つに絞る

4つ目の法則が、1スライドに込めるメッセージを1つに絞ることです。伝えたいことを厳選してスライドを作るため、フォントのサイズを大きく設定でき、必要な情報が参加者に伝わりやすくなります。また、スライドごとに頭を切り替えられるため、参加者がプレゼンテーションの流れに沿って内容を理解できるというメリットもあります。

もしいくつかの項目を記載する必要がある場合には、箇条書きにするなどできるだけシンプルな構成にすることをおすすめします。

5.     ビジュアル要素を使って目を引く

5つ目の法則が、ビジュアル要素を使って目を引くことです。文字だけの資料を作ってしまうと、参加者は淡々とした印象を持ち、見る側が負担を感じることもあります。写真やアイコンなどのビジュアル的な素材を使うことで、メリハリのあるわかりやすい資料になります。

資料作りでやってはいけないこと

これまで会議資料を作成する際のポイントについて解説してきました。では反対に、資料作りでやってはいけないことはあるのでしょうか。この章では、やってはいけないポイントを3つに分けてご紹介します。

1.     図形を多用する

資料作りでやってはいけない1つ目のポイントとして、図形を多用することが挙げられます。先述したように、1枚のスライドに情報を詰め込みすぎてしまうと煩雑になってしまい、必要な情報を伝えづらくなります。シンプルにまとめるよう、気をつけましょう。

2.     図表をそのまま使用する

資料作りでやってはいけない2つ目のポイントとして、図表の幅を元資料から調整せず、そのまま使用することが挙げられます。たとえばExcelで作成した図表を活用する際に、幅を文字ぎりぎりまで狭めてしまうと可読性が低くなってしまいます。そのため、図表の幅を調整し、文字間の空白を作るようにしましょう。また、罫線の太さを使い分けることでさらに見やすくなるので、活用することをおすすめします。

3.     文章の幅や改行を意識しない

資料作りでやってはいけない3つ目のポイントとして、文章の幅や改行を意識しないことが挙げられます。たとえば、四角い図表のなかに文字情報を入れる場合に文章が区切られていないと、冗長な印象になってしまう上に空白がなく読みづらくなってしまいます。そのため、適切な箇所で改行をしたり、文章の幅を調整したりすることをおすすめします。

会議資料作成後に確認しておきたいチェックポイント

続いて、会議資料作成後に確認しておきたいチェックポイントを解説していきます。資料作成後は、この項目を見て事前確認をしましょう。

1.     表紙に必要な情報を入れられているか

1つ目のチェックポイントが、表紙に必要な情報を入れられているかどうかです。具体的には、会議名やタイトル、日付、作成者などが挙げられます。会議名や日付、作成者を入れておくことで、複数人で作業やプレゼンテーションをしたり、複数回に及ぶ修正が入ったりした場合に「いつ」「誰が」情報をアップデートしたかを判断しやすくなります。

2.     説明過多になっていないか

2つ目のチェックポイントが、説明過多になっていないかどうかです。これは本文にも共通するポイントになりますが、1枚のスライドに情報を詰めすぎると説明が多くなってしまい、参加者に必要な情報が伝わらなくなってしまいます。そのため、資料作成を終えたあとは、一度参加者の視線になって読み返し、説明過多になっていないか確認するといいでしょう。

3.     文字やビジュアルは見やすいか

3つ目のチェックポイントが、文字やビジュアルは見やすいかどうかです。作成しているときには「これで十分伝わる」「見やすい」と感じたとしても、一歩引いてみると足りない部分があるかもしれません。あくまで参加者側の視点を持った上で見返し、文字やビジュアルが見やすいか、伝わりやすいか確認しましょう。

4.     ページ数が書かれているか

4つ目のチェックポイントが、ページ数が書かれているかどうかです。スライドを作る際に盛り込むことを忘れてしまいがちな項目ですが、参加者がそのとき説明しているのがどのページなのか判断しやすくなるので、ページ数は必ず入れましょう

ページ数を入れることでもし再び同じスライドを出す場面があった際にも「○ページでも説明したように」とひと言添えやすくなり、参加者の混乱を招くリスクが減ります。

5.     構成は適切か

5つ目のチェックポイントが、構成が適切かどうかです。たとえば、とある課題を解決するための会議を想定して資料を作る場合、「会議の目的や達成したいこと」「課題」「課題の解決策」「結論」の順番で構成すると、ゴールに向かって会議を進めやすくなります。具体的にどのようなポイントを意識すればいいのか、詳しく解説していきます。

1.    会議の目的や達成したいこと

まず、会議の目的や達成したいことを入れましょう。スライドの冒頭に入れることで、ゴールに向かってプレゼンテーションを進行していくことができます。目的やゴールを明確にしないまま進めてしまうと、せっかくの会議が台無しになってしまいます。有意義な時間にするためにも、はじめに共有するページを作りましょう。

2.    課題と解決策

次に、課題と解決策を入れましょう。今回はとある課題を解決するための会議を想定しているため、具体的にどのような「課題」があるのか、どのような「解決策」が提案できるか、明文化することが大切です。課題や解決策についてはグラフや図表などを用いるとより伝わりやすくなるでしょう。

もし課題が複数ある場合は、はじめにすべての課題を一覧で出したあと、A課題→A課題の解決策、B課題→B課題の解決策と順番ずつまとめることで参加者の整理がしやすくなるのでおすすめです。

3.    結論

最後に、結論を述べましょう。参加者にとっては「最後のひと言」がもっとも印象に残ります。そのため、とくに伝えたいことは結論として最後に持っていくことが大切です。最後のページだけスライドの色を変えるなどすると雰囲気を変えることができ、引き締まった印象でプレゼンテーションを終えることができます。

なかには「ご清聴ありがとうございました」「提案は以上です」などのひと言のみが表示されたスライドを用意する方もいるかもしれませんが、それはプレゼンテーションの終了時に言葉として伝えるにとどめておき、印象に残ってほしいことを優先して盛り込むといいでしょう。

6.     5W2Hを守れているか

6つ目のチェックポイントが、5W2Hを守れているかです。5W1Hを聞いたことがある方は多いかもしれませんが、会議資料では5W1Hに「How much」を加えた5W2Hを盛り込むといいとされています。課題の解決策を提案する際には、予算などの数字を明確に示すことで相手に検討材料を増やすことができるのでおすすめです。

作成した会議資料を確認するときには「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どうやって)」「How much(いくらで)」が入っているかどうか確認しましょう。

はやくわかりやすい会議資料を作れるようになるためのコツ

最後に、速くわかりやすい会議資料を作れるようになるためのコツを解説していきます。

1.     フォーマットを準備しておく

1つ目のコツが、フォーマットを準備しておくことです。たとえば課題解決をする際に使用する会議資料は、「会議の目的や達成したいこと」、「課題」、「課題の解決策」、「結論」といったように大まかな流れが決まっています。そのため、よく使用する内容に関しては資料をテンプレート化しておきましょう。作成者はそれを編集するだけで資料ができるので時間短縮につながります。

また、表紙に必要な日付や作成者は「●●年●月●日」といったように入れておくことで、漏れをなくすことができます。入力漏れがないよう、あらかじめ赤字など目立つ色にしてフォーマットを作成するといいでしょう。

2.     用途別で盛り込むべき情報を一元化する

2つ目のコツが、用途別で盛り込むべき情報を一元化することです。上記のようにフォーマットを準備する手間がなかったり、さまざまな種類の会議資料を作らなければならなかったりする方は、会議の目的ごとに入れるべき情報を箇条書きでまとめておくことをおすすめします。

たとえば、先述した課題解決が目的の会議資料では、構成としては「会議の目的や達成したいこと」、「課題」、「課題の解決策」、「結論」、内容としては「タイトル、名前、日付(表紙)」「5W1H(本文)」といったようにまとめておくことで、部下が作ることになった際にも共有をしやすくなります。部署で一元化することでWチェックを行う際のポイントとしても使えるようになるのでおすすめです。

まとめ

会議資料をわかりやすくするためには、情報を少なく、内容をシンプルにするのがポイントです。また、文字やグラフも、できるだけ要素を絞りましょう。色やアイコンを使うのも有効ですが、3種類程度に絞るのが、きれいな資料を作るコツです。

資料ができあがったら、全体を通してフォントやフォーマットが統一されているかを見直し、長すぎる説明が入っていないか、チェックするといいでしょう。情報や飾りを盛り込みたい気持ちを抑えて、プレゼンを見る人の視点に立った視点で、わかりやすい資料を作成してみてくださいね。

記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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