コア業務に集中できてる?アウトソーシングを活用しよう
2019年07月17日 07:00
この記事に書いてあること
人材不足を感じている職場が多い中、法改正によって時間外労働削減や有給休暇取得推進が求められています。働き方改革を進めるためには、毎日の業務をいかに効率化するかが大きなポイントと言えるでしょう。
そんな中、注目したいのがアウトソーシングです。コールセンターや倉庫業務など、別の場所での運営を委託するものだけでなく、経理や総務などの社内業務をアウトソーシングすることも選択肢のひとつです。アウトソーシングのメリット・デメリットと、外部委託しやすい社内業務について紹介します。
アウトソーシングとは?
アウトソーシングとは、外部から経営資源を調達すること。本来、企業が外部から購入するものすべてをアウトソーシングと呼びます。一般的には、業務を部分的に切り出して、社外の専門性の高い会社や人材に代行してもらう手法のことを指します。
アウトソーシングの中でも、特定の部門の一連の業務プロセスを継続して外部の専門企業に委託することを、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)と呼びます。また、グループ企業や企業内の部門ごとに分かれている経理、総務、人事などの業務を1ヵ所に集約するシェアードサービスも、アウトソーシングのひとつです。
コア業務/ノンコア業務を理解しよう
アウトソーシングの導入を検討する上で知っておきたいのが、コア業務とノンコア業務という用語です。コア業務とは、企業として利益を生むための比較的重要な業務。専門的な能力や人材が必要であり、その企業独自の経営資源となるものです。
対してノンコア業務は、直接は企業の売上にはつながらないコア業務をサポートする仕事。主に、経理や総務、人事などのバックオフィス系の業務を指します。コア業務と比較すると定型的で、別の会社や業種の間でも共通する内容であることが多いのが、ノンコア業務です。
ノンコア業務は、独自のノウハウが必要なコア業務に比べてアウトソーシングしやすい仕事です。また、ノンコア業務は利益を直接生み出さないとはいえ、会社の運営に欠かせない仕事。ノンコア業務をアウトソーシングによって効率化することは、コア業務の生産性アップや会社全体の業務改善につながります。
アウトソーシングのメリット
業務の効率化
アウトソーシングの最大のメリットは、業務を効率化できること。業務効率が低い仕事や、自社でノウハウを持たない仕事を専門家に委託することで、業務全体の効率化につながり、組織のスリム化も実現します。
業務の品質向上
専門性の高い企業や人材にアウトソーシングすることは、その業務の品質向上にもつながります。新しい部門や事業をスタートする際にも、自社でゼロからノウハウを学んで業務を行うよりも、アウトソーシングのほうが効率よくスピーディに仕事が進みます。
コスト削減
アウトソーシングは、コスト削減も実現します。同じ業務でも、専門家なら社員が行うより少ない人数や日数で行うことも期待できます。高度な業務を外部に委託することで、人件費や人材育成費用を削減することができます。
コア業務に専念できる
ノンコア業務を外部委託することで、その会社独自のコア業務に人的資源を集中させることができます。人材不足の中、限られた人材を会社の成長を担う重要な業務に専念させることで、生産性や売上アップが実現します。
アウトソーシングのデメリット
情報漏洩のリスク
アウトソーシングのデメリットは、情報漏洩のリスクが増えることです。バックオフィス系の仕事は、個人情報を含む機密情報に関わる業務も多く、アウトソーシングによって外部の企業もこれらに触れる機会が生じます。情報に関わるリスクの軽減には、委託先の体制の確認などの対策が必須です。
外部委託した業務のノウハウは蓄積できない
アウトソーシングをすると、その業務に関するノウハウが社内で蓄積できないというデメリットもあります。人事や採用など経営面を左右する業務に関しても、外部委託により自社のレベルアップの機会が減るという点は押さえておきましょう。
アウトソーシングに適した社内業務
それでは、具体的にどのような業務がアウトソーシングに適しているのでしょうか。事業所単位で外部に委託されやすいものは、コールセンターやサポートセンターの運営や、工場での商品製造など、自社で新たに立ち上げて運営をするとコストがかかる業務があります。
社内の業務としては、会社経営において重要度が比較的高くないノンコア業務や、定型的な仕事がアウトソーシングに向いています。または、営業や企画、マーケティングといった部門での事務やサポート業務も、アウトソーシングすると効率的です。
具体的には、次のような仕事がアウトソーシングしやすい業務です。
- ・
給与計算
- ・
労務管理
- ・
人事・研修
- ・
経理・会計
- ・
社内システム整備
- ・
データ入力などのデータ処理
- ・
営業事務
アウトソーシングに適さない社内業務
一方、アウトソーシングに適さない業務もあります。その会社独自のノウハウが発揮される仕事や、ライバル企業との競争力の源となるコア業務は、アウトソーシングは避けるべきです。会社として成長させたい部門の業務も、自社の人材によって進めることでノウハウを蓄積しましょう。
また、経営戦略の立案や意思決定に関する業務も、アウトソーシングに適していません。ノンコア業務のアウトソーシングによって省力化できた部分を、会社の将来を決める重要な部門に注ぐことが、事業成功のポイントです。
アウトソーシングで人材を最大限に活用しよう
社内で行うのが当たり前と思っていた業務の中にも、アウトソーシングに適したものは多くあります。外注コストは発生しても、専門家に依頼することで業務の効率もスピードも上がります。会社の強みを生む仕事に人的資源を注げるため、長期的なコスト削減や生産性向上につながります。
アウトソーシングを活用する上で重要なのは、コア業務とノンコア業務を正しく見定めること。委託できる仕事はプロフェッショナルに任せて、会社を成長させる業務に貴重な人材の力を注ぎましょう。
記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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