GOOD FACTORY賞へのチャレンジで、視線は外向き、心は情熱的/大嶽充弘氏

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ひとくちに働き方改革と言っても、課題の性質は千差万別。日本の経済を支える製造業ではどのような課題があり、どのような取り組みを行ってきたのか。NECグループのものづくりを一手に担う、NECプラットフォームズ株式会社 大嶽充弘氏が自社での経験をもとに働き方改革の本質に迫ります。
第3回では品質について真摯に向き合う重要性についてお話しいただきました。

過去3回でご説明したように、「One Factory」という旗印の下、会社の方針やルールは、ステップを踏んで整備、改善してきましたが、組織を支えているのは一人ひとりの社員であり、個人のモチベーションは最も重要なテーマです。NECにはNEC Wayがあり、企業理念、グループビジョンの他に、個人の行動規範であるバリューが定められています。
2014年、NECはブランドステートメントを「Orchestrating a brighter world」に変更しました。そして、新たな事業領域に沿ったバリューの見直しが必要になりました。NECグループ全社員の価値観を統一する目的で、2018年にはCode of Valuesが制定されました。推奨/非推奨の行動が分かりやすくイラストで描かれたブックレットも全社員に配布され、社員一人ひとりが、ありたい姿を描きなおして、日々、行動しています。

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第4回ではこのCode of Valueと顧客価値創造ものづくりの3つの軸を実践している取り組みについてご紹介します。

顧客価値の創造ものづくりの3つの軸

我々のものづくりの目的は顧客価値の創造です。そのため、生産革新 (継続的な現場改善)、デジタル (情報活用)、顧客価値 (顧客ニーズに適合したQCDの提供) といった3つの軸を、日々、意識して活動しています。
最新のデジタル技術を活用してデジタル情報を残せば、課題の抽出や分析が容易になり、次の改善目標の設定に役立ちます。そして、変革の加速も期待できます。しかし、工場の各部門は、どうしても手慣れた生産革新軸に偏りがちです。頭では分かっていても、デジタル領域に踏み込めないのは、技術に対する知識や活用経験が不足しているからです。そのため、今年度に入り、オペレーションの現場をデジタル技術で支援するスマートファクトリー推進部門の機能を強化し、現場と推進部門が連携してデジタル活用を加速させています。

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タイ工場のGOOD FACTORY賞受賞

今後の課題は、この3つの軸の行動とCode of Valuesの5つの指針を重ね合わせていくことです。新たな挑戦のように思えましたが、こうした活動も実は既に始まっていました。2014年から取り組んできた日本能率協会(JMA)主催のGOOD FACTORY賞獲得に向けてのチャレンジは、我々の意識と行動を大きく変えてきたのです。

2014年7月、海外法人であるタイ工場が、GOOD FACTORY賞ものづくり人材育成賞を受賞しました。同工場は、企業向け通信機器、車載装置等を生産し、グローバル市場に供給しています。2011年から始まったこのGOOD FACTORY賞を、タイ工場がNECグループの先陣を切って受賞した事は、国内の工場にとって大きな刺激となりました。

受賞理由は、
・現地メンバーを巻き込んだ意思決定システムの構築
・現地メンバー主体の人材育成の仕組み構築
・新事業を成功させるQCD革新のため部品内製化
などでした。

思い返せば、2011年にタイ工場が水害に遭った時、早期復旧の陣頭指揮を取ったのがタイ工場のナショナルスタッフでした。1988年の創業当初から働いてきた社員も含まれており、あの懸命な復旧作業の底流には、My Factoryへの愛が流れていたように思います。それだけに、この受賞はナショナルスタッフのみならず、我々にとっても大きな喜びでした。

国内でも次々受賞で「視線は外向き」に

工場の実力は、こうやって外部の識者に確認、点検してもらうと、客観化されます。日々の現場革新活動は大事ですが、昨日よりも今日、今日よりも明日に向けての改善シーンが多いので、1つ1つの進歩に満足していると、思わぬ落とし穴に陥ります。目を絶えず外に向け、目標を客観的に高い水準に設定しておかないと、自らのグローバル競争力がどの水準にあるかを判断できなくなってしまうのです。このGOOD FACTORY賞にチャレンジする事で、Code of Valuesの「視線は外向き」、「心は情熱的」、「組織はオープン」といった側面が随分強化されました。

2016年から、国内工場も、受賞に向けたチャレンジを開始しました。2016年、福島事業所 (当時、NECネットワークプロダクツ福島本社工場) が、この賞のファクトリーマネジメント賞を受賞しました。

評価頂いたポイントは、
・NEC本体への貢献を最重視した生産革新とフロントローディングを融合した全社一体の経営革新活動の継続推進
・経営幹部と従業員の思いの共有と緊密なコミュニケーションの工夫
・従業員の自律的活動を支える求める人材像を明確にした人材育成
・工夫された管理と工場運営の見える化
の4点です。

こうなると、他工場の受賞に向けた活動も加速します。2017年は甲府事業所が、2018年は掛川事業所がものづくりプロセス革新賞を受賞しました。その後、受賞企業の工場見学がフォーマルに設定され、今も誇りと緊張の下で、日々お客さまをお迎えし、我々のものづくりをご紹介しています。

さらなる進化に向けて挑戦はつづく…

個々の事業所がそれぞれ蓄積してきた力を客観的に整理し、NECプラットフォームズ内に横展開することを続け、グローバルOne Factoryを支える組織力を更に高めていきたいと思っています。過去に生産を終息させた工場の取り組みもビデオなどで記録して残し、NECグループのものづくり継承資産として活用しています。組織統合が始まった2011年からの8年間は試行錯誤の歴史でしたが、NECプラットフォームズとして、「One Factory」を旗印にして全社員が同じ思いでものづくりに取り組める環境が整いました。今後も、こうした試行錯誤は続きますが、社員と一体になって、一人ひとりがやりがいを感じられる顧客価値創造ものづくりを目指してまいります。

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<第1回 ものづくり統合会社の誕生、One Factoryを旗印に

<第2回 意識の改革、「千本桜」の横展開

<第3回 品質問題予防集会、過去の失敗を将来の成功の教訓に

著者プロフィール

大嶽 充弘(おおだけ のぶひろ)

1982年4月、日本電気株式会社入社。NECパーソナルプロダクツの資材部長、日本電気のソフトウエア資材部長を歴任し、2012年4月に同社執行役員(サプライチェーン統括ユニット担当)に就任。その後同社執行役員常務(サプライチェーン統括ユニット長)を経て2018年、NECプラットフォームズ取締役執行役員専務に就任し現在に至る。

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