基本テンプレートはこれ!わかりやすい議事録を作るポイント

新入社員や、部署に配属されたばかりの若手社員が早い段階で任される仕事のひとつが、議事録です。会議の議題や決定事項を記録するというシンプルな業務ながら、議論の内容を理解して重要事項を整理する構成力が必要な仕事。次の会議の内容や、今後の課題に関わるため正確性が求められるとても重要な業務です。今回は、新入社員や初めて議事録をとる人のために、議事録の書き方のコツを、シンプルなテンプレートと併せてお伝えします。
議事録の目的と意味とは?
議事録は、会議や打ち合わせの内容や決定事項をまとめて記録に残す文書です。会議の参加者や不参加者に、内容を共有する目的もあります。単に会議で話した内容をそのまま書き残すのではなく、決定事項や今後やるべきことなどを、簡潔にわかりやすくまとめる必要があります。
会議参加者が一般社員なのか役員なのか、また、ライトなブレストなのか重要事項を決定する会議なのかなど、会議の種類によっても議事録に書くべき項目はさまざまです。最低限、決定事項を記載すればいいケースもあれば、決定までの経緯を詳細に記録すべきケースもあります。初めて議事録をとるときは、どこまで書くべきか上司や先輩に聞く、もしくは過去の同様の会議の議事録を確認するなどして、議事録に求められるレベルを把握することが重要です。
初心者におすすめのテンプレートはこれ
議事録に最低限記載するべき項目は、以下のとおりです。
・基本事項(日時と開催場所、会議名、参加者、議事録作成者、議題)
・決定事項(会議で決定したこと)
・議論内容(決定に至った理由)
・次回の会議日時や議題
そのほか必要に応じて、会議の決定事項を受けて今後やるべきことや、保留事項やさらに議論が必要な事項などを追加します。
初心者におすすめの基本フォーマットは次のとおりです。まずは、このフォーマットにあてはめて議事録の作成を進め、書き残したい内容に該当する項目がない場合は、項目を追加していく方法がおすすめです。
●作成日:〇月〇日(〇)
●会議名:〇〇〇〇会議
●場所:〇〇会議室
●出席者:〇〇、〇〇、〇〇、〇〇(議事録作成者)
●欠席者:〇〇、〇〇
●議題:〇〇〇〇について
●決定事項:
①――――――
②――――――
③――――――
●議論内容:(※提案、決定に至った理由など)
①――――――
②――――――
③――――――
●今後の課題:(※改善点、決定事項を受けてやるべきことなど)
①――――――
②――――――
●保留・懸案事項:(※今回は保留した議題、今後さらに話し合うべき内容など)
①――――――
②――――――
●次回会議の日時:〇月〇日(〇)
●次回会議の議題:
①――――――
②――――――
ポイント① 事前準備をしっかりと行う
次は、初めての議事録を成功させるためのポイントを紹介していきます。ひとつめは、事前準備をしっかりと行うことです。
正確な議事録を書くためには、まずは会議の議題や目的を把握することが大前提です。同じ議題について何度か会議が続いている場合は、過去の議事録を見直して経緯を理解しましょう。
会議の前に、議事録の構成案を作成しておくこともおすすめです。上記のフォーマットや前回の議事録を参考に構成案を作成し、あらかじめわかっている項目は埋めておくと、会議に臨む前に議題への理解も深まりスムーズです。
ポイント② メモは要点を押さえてスピーディに
会議中に、議事録作成のための資料となるメモをしっかりと残すことも重要です。すべてを書き残すのではなく、要点を押さえながら、会議に取り残されないようにスピーディにメモをとっていきましょう。
手書きの場合は、アイデアや発言を箇条書きにしたり、類似した発言を「〇」で囲む、疑問と回答、原因と結果を「→」で結ぶなど、図式化しながら整理していくと、後で見直した時にわかりやすくなります。
メモを取り切れなかったり、聞き逃してしまったりしたことがあれば、あとで確認ができるよう、マーカーで色付けするなどしてチェックしておきましょう。上司の許可があれば、パソコンでメモを取る、またレコーダーで録音するなど、ツールを活用しましょう。
ポイント③ 何が決まったかを明確に書く
会議でもっとも重要なのは、議題について決定をすること。議事録の内容も同様に、決定事項がもっとも大切です。会議の決定事項を明確に把握して、正しく記録しましょう。
会議中は、決定に至るまでの経緯を細かく追うよりも、決定したことを理解するよう注意することが、失敗しないコツです。議事録の「決定事項」の欄には経緯や理由などは書かずに、決まった事だけをシンプルに書き出します。
また、決定事項を受けて今後やるべきことも重要です。会議をより意義深いものにするために、「誰が」「何を」「いつ」「どうやって」やるのか、明確に記録しましょう。
ポイント④ 簡潔に読みやすく書く
読みやすい議事録を作るには、簡潔に書くことがポイントです。忙しい上司や先輩が読むことを意識して、なるべく短時間で一目で内容を把握できるように、決定事項ややるべきことを、できるだけ短く簡潔に書きましょう。長い議論については、そのまま書き写すのではなく、箇条書きにするとすっきりと読みやすくなります。
また、平素でわかりやすい文章を心がけることもポイントです。議事録は会議に参加していない人も読むため、誰が読んでも理解できる文章になっているか、客観的な視点を持ってチェックしましょう。
議事録上級者はこんなツールを活用
議事録の作成は、各種ツールを活用するとスムーズです。省力化や議事録の質向上のため、議事録上級者が使っている便利なツールをご紹介します。
議事録作成ツール
会議中にウェブで議事録を作成し、参加者にその場で共有ができる議事録作成ツール。議事録用のエディタに入力することで議事録を作成でき、内容の入れ替えやラベル付けもスムーズです。参加者全員が編集できるため、会議中の議論のズレや認識違いの発生を防ぐこともできます。議事録がウェブ上に一覧で保存され、過去の会議内容の確認にも便利です。
音声認識ツール
会議の音声を認識してテキスト化してくれるのが、音声認識ツールです。会議中に起動してリアルタイムにメンバーの発言を文字化するものや、録音した音声を文字化するツールもあります。時間を残すことで任意の場所から発言内容を確認できる機能や、誤認識した文字を修正することで、データから学習して変換の精度が上がっていく便利な機能も。無料で試せるツールもあるので、会議の内容や求められる議事録の精度によっては導入を検討しましょう。
文字起こし業務に便利な音声認識ツールの紹介はこちら
ドキュメント共有ツール
Google ドキュメントやEvernoteなど、ドキュメント管理ソフトも議事録の作成に便利。PCだけでなくスマホからも編集が可能で、作成した議事録をメンバーと共有できます。録音機能や、音声認識機能を備えたツールや、無料で使えるサービスもあるのでまずは試しに使ってみるのがおすすめです。
議事録は一人前への第一歩!
新人に任されることが多いとはいえ、チームの方針決定や運営にとって重要な議事録。突然、進行中のプロジェクトの議事録作成を任されて戸惑うこともあるかもしれませんが、議事録業務は、業務内容への理解が深まり、議論を整理する構成力も身につきます。地道な仕事ながら、確かな知識やスキルにつながる議事録。自分の成長のためにも、コツをつかんで議事録作成を成功させましょう!
選択と集中で質の高い会議にしよう

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