会計ソフトとは?導入するメリットやポイント・機能まで徹底解説

From: 働き方改革ラボ

2022年09月27日 07:00

この記事に書いてあること

会計ソフトは、会計処理を記録・集計する他に、帳簿書類も作成できるツールです。経理業務は手間がかかるため、最近は会計ソフトを導入する企業も増えています。この記事では、会計ソフトの導入を検討している企業担当者に向けて、会計ソフトの概要や導入するメリット、種類や機能について解説します。参考にしてください。

会計ソフトとは

会計ソフトとは、会社の取引情報や入出金など会計処理の記録・集計をして、決算書や試算表などの帳簿書類を自動で作成できる便利なツールです。従来の経理作業は、金銭の動きを各伝票に記載してから帳簿に転記するため手間がかかりますが、会計ソフトを導入すれば、パソコン1つで作業ができます。また、勘定科目を自由に設定できる会計ソフトも、多く存在しています。このように、会計ソフトの導入により、ミスや手間を減らしてスムーズに経理業務を進められます。 

会計ソフトの種類が多い理由は?

会計ソフトの種類が多い理由は、企業の規模によって必要な機能が大きく異なるためです。会計ソフトを利用する人が、経理担当者や経営者、他業務との兼任者なのかによっても、最適な機能は異なるため、それぞれの企業が自社の規模に合う会計ソフトを選択できるようになっています。 

会計ソフトを導入するメリット

会計ソフトを導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、4つのメリットについて解説します。

業務の大幅な時短や効率化

会計ソフトの導入により、業務時間が大幅に短縮されて効率化が図れます。会計ソフトを利用すると、仕訳を入力するだけで、試算表や損益計算書などの決算書類を自動作成できるため、経理業務にかかる文書管理などの負担や作業時間を軽減できます。また、経理担当者の固定業務時間が削減されると、労働時間が減るため、働き方改革にもつながります。

計算ミスを防ぐことができる

会計ソフトは、計算ミスを防ぐことができるのがメリットです。また、アラートが通知される機能を持つ商品もあり、仕訳を入力した際に数値が合わないと計算ミスを知らせてくれます。そのため、会計ソフトの導入により、手計算の手間を省くだけでなくミスを未然に防げます。

さらに、経理担当者の多くが抱えている「ミスが許されない」という負担の軽減にもつながります。経理担当者の負担を軽減するためにも、自社にとって必要な機能を備えているソフトを導入しましょう。

税制改正対応への手間を削減

会計ソフトには、税制改正対応への手間を削減できるメリットもあります。税制改正は毎年行われているため、経理担当者が手作業で対応する場合は、変更点の確認や新たな書式の用意などが必要となり、負担が大きいといえるでしょう。

会計ソフトには、税制の改正に合わせて修正されるものもあるため、最新版へのアップデートなどによって新しい税制への対応ができるソフトを選ぶことで、経理担当者の負担を削減できます。

自計化(経理業務を自社で行う)による経営改善

会計ソフトは、担当者が経理に対する最低限の知識を持っていれば扱えるため、経理業務を自社で行えることもメリットです。手作業で経理業務を行っている企業のなかには、一部業務を税理士や会計士などに委託している場合もあります。

会計ソフトの導入により、税理士や会計士に業務を委託することなく、自社内でタイムリーに経理状況を数値化できます。自計化により会社の意思決定をすばやく行え、経営診断を行う体制をタイミングよく築くこともできるでしょう。

会計ソフトを導入するデメリット

会計ソフトの導入には、デメリットもあります。ここでは、2つのデメリットについて解説します。

導入時の設定が大変

会計ソフトを導入する際の初期設定が大変なことは、デメリットといえます。そのため、初期設定に不安がある場合には、導入時のサポートが充実している会計ソフトを選ぶと安心です。初期設定の例をあげると、自動仕訳のルールや勘定科目の設定、銀行口座との連携、小売業の場合はPOSレジなどとの連携です。

操作に慣れる必要がある

経理担当者によっては、会計ソフトの操作に慣れず、すぐに利用できない場合もあるでしょう。会計ソフト初心者は、事前に無料トライアルやデモなどで操作に慣れることをおすすめします。また、会計ソフトの導入は繁忙期を避けて、経理作業に余裕のある時期にしましょう。

会計ソフトの種類

会計ソフトは、大きく分けると2種類あります。それぞれ特徴やメリット・デメリットについて解説します。

クラウド型会計ソフト

クラウド型ソフトとは、インターネットを通じて利用できる会計ソフトで、外出先でもスマホやタブレットから利用できます。データがクラウドに保存されるため、データ消失の可能性は低く、常に会計ソフトが最新版のため、アップデート作業をする必要がありません。ただし、インターネット環境が整っていないと利用できず、運用コストとして毎月の料金がかかります。

インストール型会計ソフト

インストール型会計ソフトは、ソフトを購入し、パソコンにインストールして利用します。基本的に運用コストはかからず、インターネット環境が整っていなくても利用できますが、最新版に自動でアップデートはできません。また、ソフトによりアップデートに料金がかかる場合もあるため、注意が必要です。

会計ソフトの主な3つの機能

会計ソフトには、主に3つの機能があります。それぞれの機能について、以下で解説します。

帳票作成・伝票入力

帳票作成とは、帳簿や伝票などを簡単に作成できる機能のことです。伝票入力は、入金伝票や振替伝票などに、仕訳入力や登録などを自動で転記できる機能です。帳票は帳簿や伝票など記録書類の総称で、伝票は帳票のなかで金銭に関する書類のみを指します。データを手作業で転記しなくても済むため、経理業務にかかる手間や時間を大幅に削減できます。

自動仕訳機能

自動仕訳機能とは、事前に会計ソフトに勘定科目を登録しておくと、連携する口座やクレジットカードのデータから自動で仕訳を行う機能です。AIを搭載した自動仕訳機能では、レシートや領収書を読み取るだけで仕訳を行います。

データの一元管理

データの一元管理とは、支店やグループ会社、フランチャイズ事業など複数の会計データを一元的に管理する機能のことです。この機能が搭載されていれば、1つのシステムで複数の会計データを簡単に把握できます。

会計ソフトを選ぶ際のポイント

自社に合う会計ソフトを選ぶには、どのようなポイントに注目すべきなのでしょうか。4つのポイントについて、以下で解説します。

無料か有料か

会計ソフトの料金プランには、無料と有料があります。無料プランの多くは、利用できる機能やサポートが限られています。有料プランは、プランにより月額料金や利用できる機能が異なりますが、初心者にはサポート体制が充実している有料プランの導入をおすすめします。

クラウド型かインストール型か

会計ソフトには、インターネットを通じて利用するクラウド型と、パソコンにソフトをインストールするインストール型があります。クラウド型はソフトをパソコンにインストールする作業が省かれるだけでなく、初期費用も抑えられ、さらに自社でアップデートをしなくても最新版が利用できる点で支持されています。

どのようなサポートが受けられるか

トラブル発生時のサポート体制の内容も、会計ソフトを選ぶ際の大切なポイントです。会計ソフトによって、サポート体制の有無や内容は異なるため、選ぶ際には必ずサポート体制についても確認しましょう。

無料トライアルはあるか

会計ソフトを選ぶ際のポイントには、無料トライアルの有無も注目しましょう。無料トライアルがあると、操作方法や機能について把握してから会計ソフトを導入できます。会計ソフトの多くには、無料トライアルが設定されていますが、利用できる期間はそれぞれ異なります。

会計ソフトの導入方法

会計ソフトを導入するには、手順を踏む必要があります。会計ソフトの導入に失敗しないためにも、手順を確認しましょう。

導入する目的を明確化する

自社に合った会計ソフトを選ぶためには、導入する目的を明確にすることが重要です。「コスト削減をしたい」「経理担当者の負担を軽減したい」など、会計ソフトを導入する目的を明確化できれば、必要な機能が洗い出せます。

目的をもとに機能要件を決める

会計ソフトには、さまざまな機能が搭載されており、なかには自社に不要な機能もあります。会計ソフトを導入する目的が明確になると、自社で必要な機能も明確になります。不要な機能は省いて、必要な機能を要件として落とし込みましょう。

機能要件を基準に会計ソフトを選ぶ

会計ソフトを導入する目的や必要な機能要件が明確になったら、自社の条件を満たしている会計ソフトをいくつかピックアップして、内容を比較して選びましょう。使用頻度の高い勘定科目を登録しておける会計ソフトを選ぶことをおすすめします。無料トライアルがあれば、操作方法や使用感など試してみてから選ぶと安心です。

会計ソフトを導入する前の注意点

会計ソフトを導入する前には、注意すべき点があります。ここでは、2つの注意点について解説します。

導入後の運用方法を決めておく

会計ソフトを導入しただけでは、経理業務の効率化にはならないため、導入前に会計ソフトを利用する従業員へのレクチャーが必要です。搭載されている機能が自社に対してどのように活用できるのか、使い方も検討しましょう。

初期設定の準備をしておく

会計ソフトは、導入後に初期設定が必要です。初期設定では、消費税や勘定科目、期首残高などを設定します。なかでも、勘定科目は特に手間がかかります。初期設定をスムーズに済ませたい場合は、専門家に事前に相談するとよいでしょう。

まとめ

会計ソフトは、会計処理の記録や集計、帳簿書類も作成できる便利なツールです。導入することで、経理業務が効率化され、経理担当者の負担が削減されます。生産性向上のために会計ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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