改正入管法を解説!外国人労働者受け入れ拡大で働き方はどう変わる?

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2018年12月8日、国会で改正入管法(出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律)が成立。14業種で、外国人労働者の受け入れを拡大するための法律が2019年4月1日から施行されます。改正入管法の具体的な内容や、どういった外国人労働者を受け入れるのか、そして施行のメリットや懸念されるポイントについても解説します。

今なぜ外国人労働者受け入れを拡大?施行の背景

現在の出入国管理法では、大学教授やエンジニア、経営者など高度な技術を持つ専門職のみ、日本での就労が可能とされています。また、開発途上国等の労働者が日本の技術を学ぶ目的で制定された外国人技能実習制度によって、技能実習生が日本企業で働いています。

これまで認められていなかった単純労働の労働力も含め外国人の受け入れを拡大する改正入管法は、少子高齢化による深刻な人手不足を解消する目的で試行されます。厚生労働省によると、日本国内で就業する外国人労働者数(技能実習生なども含む)は、2018年10月時点で1,460,463人。前年同期比で約18万人、14.2%の増加で、届出が義務化されて以降、過去最高を更新しています。ただ、マイナビの調査では、2019年卒予定の外国人留学生を採用した企業は全体の11.7%。採用実績のない企業にその理由を聞くと、「外国人が活躍できる環境が整っていない」や「現場の受け入れ体制が整っていない」という理由が多く、積極的な外国人の雇用を行う企業はまだ多くないのが現状です。

改正入管法で何が変わる?

改正入管法は、特定の業種で、一定の能力が認められる外国人に対して労働を許可する在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」を創設。介護業、ビルクリーニング業、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の14種が、新在留資格の対象になります。

特定技能1号は、「特段の訓練を受けず直ちに業務を遂行できる水準」の技能を持つ外国人が対象で、通算5年間の就労が可能。期間限定ながら、単純労働も含めた外国人労働力の活用が可能になります。特定技能2号は、自らの判断により高度に専門的・技術的な業務を遂行できる、もしくは監督者として業務を統括しつつ熟練した技術で業務を遂行できる水準の高い技能を持つことが条件。在留期限の更新が可能で、家族の帯同も認められます。政府はこの改正により、5年間で最大34万5150人の外国人労働者の受け入れを見込んでいます。

また、外国人技能実習生制度のうち、「第2号技能実習」を修了した者は、無試験で特定技能1号に必要な技能水準と日本語水準を満たしているものとして取り扱われます。新在留資格を取得する人の多くは、技能実習生からの移行が多くを占めると想定されています。

新資格に必要な技能は、各産業ごとに定められた試験等の方法によって確認されます。産業別の特定技能評価試験は、介護業、外食業、宿泊業については2019年4月から実施。2019年10月までに飲食料製造業、2019年秋以降にビルクリーニング業、残りの9業種は、2020年3月までに実施される予定です。また、日本語能力判定テストも、2019年度にベトナム、フィリピン、中国、インドネシア、カンボジアなどの9ヵ国で行われる見込みです。

改正入管法施行のメリット

入管法改正の最大のメリットは、単純労働も含む外国人労働者の受け入れ拡大により、人材不足が深刻化する14業種において労働力が補われること。また、地方の人材不足にも対応するため、政府は外国人労働者が都市圏や特定の地域に集中しないように、必要な措置を講じるとしています。

改正入管法は、外国人労働者の仕事の幅の拡大や、長期間雇用につながることから、すでに外国人労働者や留学生を採用している業界からも期待の声が上がっています。

改正入管法の懸念点

外国人労働者の受け入れ拡大には、懸念されているポイントもあります。政府は、特定技能1号で働く人の多くは、現行の外国人技能実習生制度の技能実習生から移行すると見込んでいますが、低賃金や過重労働などの課題がある外国人技能実習制度の問題が改善されないまま改正法を施行することを問題とする見方もあります。また、受け入れの規模や、技能試験の内容についても未定のまま改正法を可決した点も不安視されています。

外国人労働者の受け入れには、生活インフラの確保や、日本語習得などの支援が必要ですが、この体制が未整備との指摘もあります。また、外国人が増えることによる治安の悪化も懸念されています。

政府は、2018年12月に発表した制度に関する指針で、1号特定技能外国人支援計画によって、行政手続等も含めた外国人労働者の支援や、外国人に関する相談への対応を行うことを発表。また、悪質な仲介業者の排除や、行方不明者の発生や治安悪化を防ぐための対策も講じるとしています。

外国人労働者との共生に向けてまずは一歩を

改正入管法は、新たな労働力の確保を期待する産業界には歓迎されつつも、受け入れ体制の面などで課題が多いのも現状です。4月の施行までにまずは制度の内容を知り、外国人労働者との共生に向けて一歩を踏み出しましょう。



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