「健康投資」何から始める?健康の管理は、働く時間の管理から

From: 働き方改革ラボ

2018年10月16日 07:00

この記事に書いてあること

長時間労働の弊害や過労死、仕事が原因のメンタルヘルス不調の問題が話題になっている中、関心を集めているのが企業の「健康投資」。健康保険や健康診断以外にも、従業員の健康を維持・増進するための制度を整える企業が増えています。 今回は、「健康投資」を行うことの重要性、またその一例として勤怠管理を取り上げ、社員の健康状態をチェックする方法やメリットについて紹介します。

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健康投資が企業にもたらすメリット

現在、医療費の上昇や労働人口の減少といった社会状況の変化によって、社員の健康状態が企業経営に大きな影響を与えると言われています。 医療費の上昇が、健康保険組合の財政悪化や健康保険料の上昇という形で企業の負担を増やし、健康に働くことができる人材の確保が企業にとっての課題となる中で、「健康経営」が必要とされています。 健康経営とは、従業員の健康保持・増進のための取り組みが将来的に企業の収益を生む投資であるという考えのもと、従業員の健康管理を実践していく経営戦略です。そして、健康経営のための具体的な取り組みが「健康投資」です。健康投資が未来の企業経営のためにどんなメリットを生むのか、具体的に紹介していきます。

健康投資により生産性が向上する

社員の健康を維持・増進することは企業の生産性向上につながります。健康投資によって、従業員の活力や生産性のアップ、組織の活性化を生み、業績や企業価値の向上につながることが期待できます。 経済産業省が作成した「企業の「健康経営」ガイドブック」では、健康投資によって社員の医療費の削減や、傷病による欠勤が減ったことによるコスト削減が実現した企業の事例があげられています。また、健康投資と企業の業績の相関関係を示すデータも発表されています。

人材を確保し社員の満足度を上げる

生産年齢人口が減少している中で、健康に働くことができる人材を確保することが企業にとっての大きな課題です。従業員の雇用延長を検討する段階にある日本企業にとって、社員の健康状態の悪化が生産性の低下という事態に直結する可能性もあります。 長時間労働の防止や社員のメンタルヘルスのケアは、働く人の満足度につながり、社員の定着率の向上や、優秀な人材を確保できるといったメリットも期待できます。

企業イメージ・企業価値の向上につながる

積極的な健康投資は、企業イメージや株価の上昇にもつながります。社員の健康を守り、ワークライフバランスを推進する企業はイメージアップが見込めるほか、健康投資の取り組みに優れた企業を選定・評価する日本政策投資銀行の「健康経営格付」や、経済産業省と東京証券取引所が社員の健康管理に戦略的に取り組む企業を選定する「健康経営銘柄」など、健康投資を戦略的に行う企業が市場で評価される仕組みもあります。

健康投資の実現のために勤怠管理ができること

「健康投資」の一つに、勤怠管理ツールの導入があります。勤怠管理ツールは、健康投資を実践していく上で非常に重要かつ有効なツールです。社員の就労実態を把握し労働時間の適性化を行うことは、社員が健康に働くためのベースを作ることができます。 毎日の勤務状況をチェックできるだけでなく、勤怠データの活用によって、より戦略的な健康投資を推進できるという利点もあります。社員の健康管理のための勤怠の活用方法を具体的に紹介します。

社員の長時間労働や過重労働を防ぐ

適切な勤怠管理によって、長時間労働や深夜残業、連日の休日出勤などが生む社員の過重労働を発見することができます。過重労働によるメンタルヘルスの不調や過労自殺などが問題視される中、社員の労働時間を把握することは健康投資の基本と言えます。

勤務状況の乱れから社員の不調を見つける

勤怠管理によって、社員の体と心の不調をチェックすることができます。特にメンタルヘルスの不調は不眠の症状を引き起こすことが多く、朝の出勤に支障をきたすため、休みや遅刻が続くなどの勤務状況として現れます。 メンタルヘルスの不調による休職者の比率が上昇した企業は利益率の落ち込みが大きいというデータもあり、不調の早期発見は経営的な観点からも重要と言えます。

勤怠データの活用で職場環境の改善を図れる

勤怠データの分析によって、業務の偏重などの問題を発見し、職場環境の改善を図ることができます。各部門の勤怠データから、繁忙期や特定の社員への業務の偏り、長時間労働をしている社員の人数などを把握することで、部門の業務過多などの問題の洗い出し、業務分担の見直しが可能になります。

社員のワークライフバランスを実現する

勤怠管理で休暇取得率を把握し、適切な休暇取得を促すことで、社員のワークライフバランスの実現が見込めます。 内閣府が発表した「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」は、国民がやりがいや充実感を感じながら働き仕事上の責任を果たしながら、子育て・介護の時間や自己啓発等にあてる時間を持ち、健康で豊かな生活をすべきと定めています。社員の休暇取得を促し、私生活とバランスのとれた働き方を推進することで、社員の仕事満足度や組織へのエンゲージメント(愛着)を高め、結果として企業の生産性アップが実現します。

健康投資に勤怠管理を上手に活用しよう

勤怠管理ツールは、日々の社員の働き方を可視化することで、労働環境の問題を見つけ課題解決を図ることができる重要なツールです。勤怠管理を通して社員の健康をチェックすることは、健康投資を効率的に進めるための近道と言えます。 健康投資に関心はあるけれども、何から始めるべきか悩んでいる企業は、まずは適正な勤怠管理とデータの活用を進めてみてはいかがでしょうか。勤怠から社員を知ることが健康投資の第一歩になるでしょう。

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記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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