株式会社ぐるなび 新しい働き方への環境整備(後編)

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左:小島様 右:岡本様

新しい働き方を進めている企業の担当者に、導入までの道のりや成果についてお聞きするシリーズ『新しい働き方へ』

新しい働き方や新たな環境に伴い、新しいオフィスのあり方が生まれ始めている現在。そんな中、2014年より段階的に在宅勤務やテレワークを導入するなど働き方改革に着手し、2020年11月2日より新しいオフィスの運用を始めた株式会社ぐるなび。同社の人事部長小島光成様と事業管理部長岡本健太様へのインタビューを通して、新しい働き方とこれからのオフィスのあり方や環境整備について学ぶ当企画。前半では新しい働き方とオフィスのあり方を伺いました。後半では新オフィスを含めて、新しい働き方の環境整備について紹介します。

希薄になりがちな経営層とのコミュニケーションについて

−経営層から定期的な動画メッセージを配信とありますが、どのような内容を配信しているのでしょうか?

社長や役員からメッセージ動画を配信しています。社長動画は現在14本公開されていて、主には社内施策の周知や決算説明、新しい働き方など幅広い内容で発信しています。また、役員動画は部署紹介や今後の取り組みなど、役員ごとに工夫しながら動画を作成しています。

−動画の更新頻度は決めているのでしょうか?

社長動画は2020年4月から開始し、月に1本ほどのペースで公開していますが緊急事態宣言等で不安に思う社員がいたり、会社の動きが見えにくい状況には月に複数公開することもありました。役員動画は特に頻度は決めずに配信しています。

−撮影方法はどのように行っているのでしょうか?

PCのカメラやオンライン会議ツールの録画機能を使いながら撮影を行っています。

−動画配信の狙いは何でしょうか?

以前は毎朝全社朝礼を実施していました。そこでは定期的に社長からメッセージ発信をしていて、その代わりとなるものがこの動画配信です。経営戦略などの会社の動きを全社員に届けることが狙いです。

他には、対面で会いづらい今だからこそ、役員自らの言葉で発信してもらうことで社員に役員の人となりなどを知ってもらうことも狙いです。

−動画の配信プラットフォームや配信の案内のツールなどを教えていただけますでしょうか?

動画の配信に関しては社内サイトを利用しています。アナウンスは全社メールやコミュニケーションツールを利用していますね。

−2020年8月より経営層とのオンラインでの双方向コミュニケーションの場を提供しているとのことですが、ツール・頻度・内容などを教えていただけますでしょうか?

コロナ以前から「タウンミーティング」を実施しています。社長と約10名の社員が週に1度、1時間ほど集まって意見交換をする場が設けられています。

内容は経営戦略や事業戦略などの経営視点の話や、社長のこれまでの経験からのアドバイスなど、社長が気さくな方なので雑談もしたりと幅広く話していますね。現在はオンラインで行っています。

集まって話すメンバーも社員の属性で分けてみたりなど、様々な組み合わせで行なっています。

−社員からのタウンミーティングの反応はどうなのでしょうか?

社員からはちょっとした悩みが解決されたり、社長と話せたことでモチベーションが向上したという意見が多いですね。見えていなかった課題が見えたりすることもあります。仕事に直接関係のない話がきっかけとなり良い関係がうまれることもありますし、社員からは好評です。

−テレワークの浸透に伴い、グループや部署、チーム単位で行われているコミュニケーションのために行っていることはありますでしょうか?

リモートワークにおけるマネジメント向けのガイドブックを人事で作成しました。その中には「オンラインミーティングでも顔出しをして顔色をうかがいましょう」や「お互いうなずき合いましょう」、「新しい人が入ってきたら自己紹介をさせてあげよう」などオンラインならではの周りのフォローや関わり方といった内容も盛り込んでいます。

それから全部署で1on1を推奨しています。ヒアリングしている限り、9割近くは実行していますね。

0から1を生み出す新規事業に関しましては、やはり対面でないと進めにくい部分がありますので、オンラインとオフラインを上手に活用しながら取り組んでいますね。

−1on1の頻度は決めているのでしょうか?

相手との関係性や業務の重みなどによって頻度は変わってくるので、目安を出しています。

新しい働き方の「手当て」や「人事施策」について

−テレワークなどの働き方改革の1つの課題として、作業環境整備のための手当ての見直しがあると思います。現在「新しい働き方手当て」の支給についてはどうなっているのでしょうか?

通信環境補助ということで会社からWiFiなどの通信環境を貸し出すことができます。

それを借りた場合は3000円、借りない場合は5000円となっています。電気代やデスク周りの整備代などに充てています。

−今後さらに手当ての種類を増やしていくことは検討しているのでしょうか?

今のところ無いですね。家庭事情によってリモートワークができない方もいるので、その方にはシェアオフィスを全国に展開しているのでそちらを使えるように整備しています。

新しい働き方が始まってから、こういった手当を増やして欲しいという社内の声もまだ上がっていないので、今後は必要に応じて検討していきます。

−多様な働き方に対応した人事制度の見直しを考えているそうですが、具体的にはどのような見直しを行っていくのでしょうか?

アウトプットに応じた評価を意識して、各職種の役割定義を全社で作成しているところです。職務記述書という形で制作していて、これらを参考に評価も変えていこうと考えています。

人事制度とは少し違いますが、リモートワークをうまく利用して就業場所の拡大、遠隔勤務制度のようなものを可能にしています。

例えば実家や実家の近くのホテルなどでも可能です。お正月や夏期休暇で地元の家族に会いたいという人も、コロナで実家に泊まるのは心配だから近くのホテルに泊まるというシーンなども考慮しました。

新しい働き方における業務の可視化とプロセス改善について

−テレワークの課題に従業員のパフォーマンスの維持や業務管理があると思います。それぞれどのように行っているのでしょうか?

パフォーマンスの維持については先程の1on1を取り組んでいます。大事なことは1on1でする話は業務の話だけではなくて、雑談も含めてするように呼びかけています。

というのも、リモートワークの問題としてあるモチベーションの低下などの原因は悩みや不安とかも含まれているので、そこを解消するためにはやはり業務の話だけではなく雑談が必要なんですよね。

業務管理については、例えばエクセルで管理したりなど、各部署で独自の可視化ツールを持っていて、各々で業務を管理していますね。

−営業活動の一部オンライン化とありますが、どのような業務がその対象なのでしょうか?

加盟店を中心にオンライン化をしています。2020年4月から試験的に取り組んでいまして10月から本格的にスタートしています。営業に特化したオンラインツールを使って、オンラインでの商談が増加しています。

例えば、今までは行くのに一日かかるような地方のお客様であっても、オンラインだと1時間で済んだりします。地方になると広く点々とお客様がいるので、オンラインで行った方が効率的でスムーズですね。

−地方の話が上がりましたが、都内ではどうなんでしょうか?

都内でも効果がありまして、今まで1時間で1件だったところがリモート商談の場合は1時間で2件と件数が増加しています。

オンラインになったことで、たまたま時間が空いているお客様の上司の方も参加することができたり、実際にお伺いするより深い話も可能になったりしています。これもオンラインならではのメリットとも言えますね。

−営業活動のオンライン化の導入に関して、営業職へのサポートなどはされているのでしょうか?

オンライン商談についても営業部が社内で勉強会などを実施したり、マニュアルなどを作成、部署に浸透させたり、効果的な資料作りなどの意識合わせもしています。

−最後に、新しい働き方で生じるプロセスの改善は具体的にはどのようなことがあるでしょうか?

電子契約等のペーパーレス化です。電子契約サービスの導入を早い段階から行なっておりバックオフィス系のプロジェクトもペーパレス化に対応し導入を進めています。200弱の帳票も9割近く電子化が完了しており大きなプロセスの改善になっていると言えます。

もう1つは、希薄になりがちなコミュニケーションの対策として「コミュニケーションプロジェクト」を立ち上げており、経営層と社員、マネジメントと社員、社員同士の3つの視点でどうやってコミュニケーションを活性化していくかを色々と考えながら施策を行っています。タウンミーティングもその施策に含まれます。

新しい働き方のカギは”温度や湿度のあるコミュニケーション”

新しい働き方の懸念ともいえる、”コミュニケーション不足”。オンラインを活用し業務の連絡を取ることだけでは十分とは言えません、従業員の不安や悩みを発露させるための雑談を含めた”温度や湿度のあるコミュニケーション”を取れるかがカギになりそうです。

そういったコミュニケーションが「いつでもどこでも」できる環境づくりに向き合った先に新しいオフィスの姿が見えてくるはずです。

株式会社ぐるなび 新しい働き方の環境整備について (前編)

※本記事に掲載の会社名および製品名はそれぞれの各社の商号、商標または登録商標です。

著者プロフィール

小島 光成(こじま みつなり)

2020年9月に人事部長として入社。人事主導の働き方進化プロジェクトとして、「フレックスのトライアルの導入」「就業場所の拡大(ホテルや実家等)」「遠隔勤務制度導入」を担当したり、コミュニケーションプロジェクトのプロジェクトリーダーとして各種コミュニケーション(経営層と社員、マネジメントと社員、社員同士のツール活用)の推進を担当する。

岡本 健太(おかもと けんた)

2007年2月に入社。2020年4月より事業管理部長に就任し、コロナ対策事務局として20年4月からの緊急事態宣言にあわせた環境整備や業務整備対応を行なったり、「本社移転プロジェクト」を中心に働く場所などのハード面を具体的に進めた。

新しい働き方へ

新しい働き方を進めている企業の担当者に、導入までの道のりや成果についてお聞きするシリーズ

この記事を書いた人

リコージャパン株式会社
リコージャパンは、SDGsを経営の中心に据え、事業活動を通じた社会課題解決を目指しています。
新しい生活様式や働き方に対応したデジタルサービスを提供することで、お客様の経営課題の解決や企業価値の向上に貢献。
オフィスだけでなく現場や在宅、企業間取引における業務ワークフローの自動化・省力化により、“はたらく”を変革してまいります。

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