共有ファイルとフォルダの管理方法とは? 命名ルールのポイントを徹底解説

From: 働き方改革ラボ

2023年05月12日 07:00

この記事に書いてあること

あなたの企業や部署では、ファイルとフォルダの命名規則や、フォルダを作成するときのルールは決まっていますか?

ファイルの共有システムを導入したとしても、適切なルールがなければ「保存されたファイルがいつの内容なのかわからない」「必要なフォルダが探し出せない」といった事態が起こってしまいます。必要な業務に時間を割くためにも、共有ファイルとフォルダの管理を徹底することが大切です。

そこでこの記事では、業務効率化にも役に立つ「ファイルとフォルダの命名ルールのコツ」をお伝えします。

※2019年5月に公開した記事を更新しました

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共有フォルダ管理の一連の流れ

はじめに、共有フォルダ管理の一連の流れから確認していきましょう。

1. 作成・保存

まず、フォルダやファイルの作成・保存です。作成時にとくに深く考えずに名前をつけたり、クライアントからもらった資料をそのまま保存したりしている人は多いかもしれませんが、実はこの段階から共有フォルダ管理が始まっています。

共有フォルダは複数の従業員が見るため、一目で「いつ」保存された、「どのような」内容のファイルなのかをわかるようにしなければなりません。詳しくは次章以降で解説しますが、フォルダやファイルの作成・保存の段階から決められたルールに則って命名をし、管理するといいでしょう。

2.不要なフォルダやファイルの廃棄

次に、不要なフォルダやファイルの廃棄です。フォルダやファイルを蓄積し続けたままだと、ストレージの最大容量に達してしまったり、情報が煩雑になってしまい必要なファイルを探し出せなかったりする可能性があります。そのため、「定例会議の内容は一年分だけストックする」「最終版のみ残す」などルールを決め、定期的に整理することが大切です。

共有フォルダ管理をルール化する2つのメリット

では、共有フォルダ管理をルール化することでどのようなメリットが生まれるのでしょうか。この章では、共有フォルダ管理をルール化する2つのメリットを解説していきます。

1. 必要な情報がすぐ見つかる

共有フォルダ管理をルール化する1つ目のメリットとして、必要な情報がすぐに見つかることが挙げられます。

2. 不要な容量を使わない

共有フォルダ管理をルール化する2つ目のメリットとして、不要な容量を使わないことが挙げられます。

共有フォルダ管理の2つのポイント

では、具体的にどのように共有フォルダ管理を進めればいいのでしょうか。この章では、共有フォルダ管理のポイントを2つに分けて解説します。

1. フォルダは2階層までにする

1つ目のポイントとして、フォルダ作成時は2階層までにすることが挙げられます。先述したように、フォルダを作って整理したつもりになっていたとしても、中ファイル、小ファイルと階層を深くしてしまうと、それだけ必要な情報にたどり着くのが遅れてしまいます。さらに、不要となったファイルやフォルダを探すのもひと苦労となってしまい、情報が溢れてしまうことも考えられます。

そのため、社内で共有するフォルダはあらかじめ「2階層まで」と決めることをおすすめします。もし取引先が多く、クライアントごとにフォルダを分けているのであれば、「A社」→「01_ミーティング」「02_資料」→「20230301_ミーティング」など多くても3階層にしておくことで、必要なファイルを見つけやすい上に、不要となったファイルもすぐに整理できます。

2. アクセス権限を設定する

2つ目のポイントとして、アクセス権限を設定することが挙げられます。まずはよく共有フォルダを使う人にだけアクセス権限を設定することで、情報がいきなり溢れてしまうことを防げます。

また、共有フォルダを定期的に整理する人を決めておくことで、「誰が」「いつ」消したかなど混乱を招くことを回避できるため、導入当初はアクセス権限を設定しておき、慣れてきたら徐々に使用する人を増やしていくことをおすすめします。

必要な情報にすぐたどり着ける! 共有フォルダ名の命名ルール

続いて、必要な情報にすぐにたどり着くために設けたい共有フォルダ名の命名ルールを5つご紹介します。自社でまだ導入されていないものに関しては、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

1. ファイル名の日付表記は「yyyymmdd」を徹底する

1つ目のルールが、ファイル名の日付表記を「yyyymmdd」で徹底することです。

同じ日付に作成・保存したファイルであっても、「20230301」「3月1日」「230301」といったように表記方法が統一されていないと、あとからファイルを検索した際にヒットしなかったり、フォルダのなかで日付の順番に並ばなかったりといった不便が生じてしまいます。

そのようなことを防ぐためにも、ファイル名の日付表記を統一するようにしましょう。どの表記にするかは組織として統一されればどれでも構いませんが、とくにこだわりがないのであれば、数字のみであることによる入力のスピード、フォルダ内での並び替えの利便性から「yyyymmdd(例:20230301)」で統一するのがおすすめです。

また、ファイルの設定日付も統一しましょう。会議で使用するファイルであれば、検索性を考えてファイルの使用日(=会議の実施日)で統一し、請求書であれば発行日、クライアントからの受領資料であれば受領日など、ファイルの性質や使用方法に応じて定めると整理がしやすくなります。

2. つなぎ記号は「_(アンダーバー)」で統一する

2つ目のルールが、つなぎ番号を「_(アンダーバー)」で統一することです。つなぎ記号を定めないと、「_(アンダーバー)」、「.(ドット)」、「-(ハイフン)」、「 (半角スペース)」など表記がばらけてしまい整理がしづらくなるため、「_(アンダーバー)」で統一するのがおすすめです。

「_」を使用する理由は諸説ありますが、少し古いパソコンではスペースがつけられず、文字化けしてしまう恐れがあるため、「_」で統一することでどのパソコンでもファイルを見られるようにすることが挙げられます。近年のパソコンでは改善されていますが、その時代の名残がある社員やクライアントもいるため、統一しておくほうが無難でしょう。

3. 全角数字、全角英語、全角記号、半角カタカナは使わない

3つ目のルールが、全角数字、全角英語、全角記号、半角カタカナは使わないことです。たとえば、下記に記載している①と②のファイル名は内容は同じですが、使用できる文字や記号を制限しないことで作成者によりバラツキが発生しているのがわかります。

①:20190501_ABC商事マーケティング事業部_広告提案資料(送付用)
②:20190501_ABC商事マーケティング事業部_広告提案資料(送付用)

同じフォルダ内にこういった内容が混在すると視認性が悪くなってしまいますので、ルールを決めることで見やすくなり、わざわざ検索機能を用いなくとも目視で探せる可能性があがります。

4. 用語の表記ルールを定める

4つ目のルールが、用語の表記ルールを定めることです。

「株式会社」や「定例会議」などよく使用する用語については、予めルールを定めておくと良いでしょう。入力の手間を省くためにも、株式会社は「(株)」をつけるかファイル名称では省略する、定例会議は「定例」と省略する、第一四半期は1Qと表記するなどが挙げられます。

入力の手間を省くとなるとつい作成者の名前まで省略してしまいがちですが、社内で共有するものについてはフルネームを使用しましょう。誰が作成したのかを確認するためにファイルを開く時間を考えると、あらかじめフルネームで統一しておくほうが結果として時間短縮につながります。

5. 命名テンプレートを作る

5つ目のルールが、命令テンプレートを作ることです。命名テンプレートとは、共有フォルダやファイルの命名をどう統一するのかまとめたテンプレートのことをいいます。

すべてのフォルダに適応する必要はなく、定例会議などよく行われるものをまとめておくことで、新人であっても命名ルールがひと目見てわかります。テンプレートにすぐにたどり着けるよう、あらかじめSlackやスプレッドシートなど共有で開くものにまとめておくことをおすすめします。

共有フォルダの管理を維持するための2つのコツ

せっかく共有フォルダに関するルールを定めたとしても、維持されなければ効率化の意味がなくなってしまいます。そこでこの章では、共有フォルダの管理を維持するためのコツをご紹介します。

1. 定期的にフォルダを整理する

1つ目のコツが、定期的にフォルダを整理することです。冒頭で述べたように、不要になったフォルダやファイルをずっと溜めておくと情報が煩雑になるだけでなく、ストレージの最大容量に達してしまうことが考えられます。

そうならないために、共有フォルダ管理の一環として不要なフォルダやファイルを削除する日を設けましょう。毎週金曜日退勤前、月末などタイミングを複数設けておくことで漏れを防ぐことができます。

2. 一時保存用のフォルダを活用する

2つ目のコツが、一時保存用のフォルダを活用することです。たとえば、作業の都合上、一時的な保存が必要となったときに「一時保存用」のフォルダにストックしておくことで、命名する時間があるときに整理できます。

ただ、一時保存用のフォルダはあくまで短時間での使用を想定しているものです。一時保存用のフォルダに入れっぱなしになることがないよう、定期的に管理しておくことが大切といえます。

共有フォルダのルール作りと周知の方法

最後に、共有フォルダのルール作りから従業員に周知するまでの流れをまとめました。共有フォルダのルールを導入したい方は、ぜひご参照ください。

1. ルールを設定する目的を明確にする

はじめのステップが、ルールを設定する目的を明確にすることです。これはルール作りに直結するステップで、「なぜ共有フォルダ管理を徹底したいのか」を明確にし、そのためにはどのようなルールが必要かを考えます。社内で課題となっていることや共有フォルダ作成によってどんなことを実現したいかを洗い出すといいでしょう。

2. 共有フォルダの管理ルールを作成する

続いて、1で考えたことをもとに、ルールを作成します。また、その際に、ルールの優先順位をつけることが大切です。

従業員に周知する際に、いきなりいくつものルールに則って進めるとなると混乱を招いてしまいます。「これだけは守ってほしい」、「慣れてきたら守ってほしい」など優先順位をつけることで、社内の浸透もしやすくなります。

また、あらかじめテンプレートを作っておくことで、従業員の質問にいちいち回答する手間を防げます。「フォルダの命名ルール」をまとめておき、ミーティングや資料作成などよくあるタスクについては事前にテンプレート化しておきましょう。

3. 従業員に周知する

ルールを作成したあとは、従業員に周知するステップに移ります。まずは。目的とあわせてメリットについても説明すると協力を得やすくなります。

また、実際に浸透させるまでには時間がかかります。もしルールを守れていない従業員がいたとしても、重要度ごとに注意の仕方を変えましょう。いちいち同じように注意してしまっては従業員の不満につながります。あまりにも浸透しない場合はルールから見直すのもおすすめです。

まとめ

今回は、ペーパーレスやファイルの共有システムを導入した時に陥りがちな課題をもとに、業務効率化にも役に立つ「ファイルとフォルダの命名ルールのコツ」を紹介しました。

新しいルールや運用を導入するときはどうしても定着までに時間がかかるものですが、運用が軌道にのれば大きな効果が期待できます。ぜひ「働き方改革」の一環として、命名ルールづくりに取り組んでみてください。

記事執筆

働き方改革ラボ 編集部(リコージャパン株式会社運営)

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