健康経営に求められるフェムテックとは?意味や活用を進める企業事例も紹介

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健康経営に求められるフェムテックとは?意味や活用を進める企業事例も紹介

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女性にとって働きやすい職場環境作りや、健康経営の一環として今、「フェムテック」が注目されています。このコラムでは、企業にとっても重要なキーワードであるフェムテックについて、普及の背景や、働き方改革におけるフェムテックの意義を解説。さらに、フェムテックに積極的に取り組む企業の事例もお伝えします。

フェムテックとは?

「フェムテック」という言葉を聞いたことがあるものの、その意味を詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。まずは改めて、その意味や、注目されている背景を解説します。

フェムテックの概要をおさらい

フェムテックとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた言葉。月経や妊娠、更年期などの女性特有の健康課題を、テクノロジーの力で解決する商品やサービスを指します。

フェムテック専門オンラインストアを運営するfermataがまとめた「日本国内Femtech マーケットマップ」によると、日本国内のフェムテックサービスの数は、2020年12月時点で97種。2020年4月時点の51種と比べて、大幅に増加しています。

また、矢野経済研究所の調査によると、2020年のフェムテック関連サービスや商品の市場規模は、前年比103.9%の597億800万円。2021年の市場規模は635億8400万円と推定されています。また日立コンサルティングの調査によると、2025年時点でのフェムテックによる経済効果は推計で、年間2兆円。大きな経済へのインパクトが期待されています。

たとえばこれがフェムテック

では、フェムテックとは具体的に、どんなサービスや商品を指すのでしょうか。

フェムテックのジャンルのひとつが、月経(生理)に関するサービスです。たとえば「ルナルナ」は、生理日から、排卵日や次の生理日を予測できる月経管理アプリ。基礎体温記録やピル服薬支援など、女性の健康管理をサポートする機能を備えています。

不妊治療や、将来子どもを生みたいと考える女性をサポートするサービスもあります。「cocoromi」は不妊治療に役立つ情報が得られるアプリ。ユーザーの治療スケジュールや治療内容の一括管理機能や、不妊治療に関する統計データの閲覧、当事者間で情報交換ができるSNSコミュニティなどの機能で、妊娠を希望する人をサポートします。

更年期の女性の健康問題に特化したサービスもあります。たとえば「TRULY」は、オンラインで女性の更年期の体の悩みに関する情報を閲覧できるサービス。医師や専門家に直接、オンラインで悩みを相談することも可能です。

なぜ今、フェムテックが注目されるのか?

フェムテックが広がる背景にあるのは、ジェンダー平等に対する課題意識の高まりや、女性の社会進出などの社会の変化です。男性中心の社会では問題視されてこなかった女性特有の課題を解決する必要性が高まったことで、フェムテックが注目されています。

また、テクノロジーの進化もフェムテック普及の要因のひとつです。ビジネスや生活の利便性向上といった課題と同じように、女性の健康問題の解決にも、テクノロジーを活用する動きが活性化しています。女性向けサービスを提供する女性起業家の増加も、フェムテック普及を後押ししています。女性の健康問題が、社会全体が取り組むべき課題としてとらえられています。

働き方改革にフェムテックが必要な理由

女性の体の悩みを解決するフェムテックは、職場の働き方改革においても求められています。その主な理由は、次のとおりです。

健康経営の一環としての重要性

健康経営の観点からも、女性の健康問題に注力することは重要です。健康経営とは、社員の健康管理の重要性を経営的な視点でとらえて、戦略的に取り組むこと。社員の健康に投資することで生産性向上や組織活性化を実現する、働き方改革の重要な取り組みです。

今、健康経営に積極的な企業の中では「女性特有の健康問題対策」に高い関心が寄せられています。日本企業で働く全従業員のうち、女性が占める割合は44%。女性社員の体調管理をサポートし女性が働きやすい環境を整えることが、会社の生産性向上につながるのです。

政府もフェムテックを推進

政府も、企業がフェムテック活用に取り組むことを勧めています。2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針」にも、フェムテックの推進が盛り込まれました。

方針では、女性がより活躍する社会を実現するために、女性のデジタル人材育成や、女性の登用・採用の拡大といった施策とともに、フェムテックを推進するという目標が掲げられています。

女性特有の健康課題が仕事に影響

企業がフェムテックに取り組むべきもうひとつの理由が、働く女性の体のトラブルが企業経営に大きく影響を与えることです。経済産業省ヘルスケア産業課の「健康経営における女性の健康の取り組みについて」によると、企業で働く女性の5割が、女性特有の健康課題で、職場で困った経験があると回答。そのトラブルの多くが月経痛や月経前症候群であるのに対して、管理者が正しくその状況を把握していないこともわかっています。

また、女性特有の月経随伴症状による労働損失は、4,911億円に上ると試算されています。女性の健康問題に対処することが、企業にとって、労働環境改善や生産性向上、また長期的な人材活用につながると見込まれています。

ライフイベントでキャリアの機会を喪失

生理や妊娠・出産、更年期を理由に、働く女性が仕事の機会を喪失していることも、フェムテックに取り組むべき理由です。不妊治療との両立ができないことを理由に退職したり、更年期の体調不良を理由に昇進を諦めたりと、女性が活躍する機会を失うケースがあります。企業側も、女性の体調ケアに対処しないことで、活躍するチャンスを逃していると言えます。

企業がフェムテックを活用することで、女性のライフイベントや体の不調ケアをサポートし、女性が長く企業で活躍できる環境を整えることができます。

フェムテックで働き方改革を進める企業事例

働き方改革や健康経営を積極的に進める企業では、女性の健康問題に対する取り組みが採用されています。フェムテックを働き方改革の施策に取り入れている企業の事例をご紹介します。

女性が産業医に相談できるシステムを導入

消費財メーカーの花王株式会社は、女性社員が産業医にメールで悩みを相談できる仕組みを整えています。化粧品の販売員が全国で働いていることを考慮して、どこからでもメールで相談ができる「女性の健康に関する相談窓口」を開設。産業医が、症状の対処法や、社内で利用できる制度を紹介するなどのサポートを行っています。

そのほか、「妊娠・出産」「がん」などのテーマを扱う「女性の健康セミナー」の定期開催、女性の健康に関するイントラネットでの情報発信「Women’s News」などの取り組みで、ライフステージに応じた女性社員の健康を支援しています。

女性が相談しやすい環境作りのためフェムテックを導入

小田急電鉄株式会社は、働く女性の仕事と私生活の両立を支援するためフェムテックのサービスを活用。不妊治療・流産相談窓口「ファミワン」と、産婦人科に特化したオンライン医療相談「産婦人科オンライン」を導入しました。

また、駅や運転現業の監督者向けに、フェムテックを導入した背景や、不妊治療の実態への理解を深めるための妊活・不妊に関するセミナーを実施。今後は、健診会場に不妊治療の専門家を呼ぶなど、より女性社員が相談をしやすい環境作りを進めていく方針を掲げています。

フェムテック市場参入へ向けてサービスを社内で導入

総合商社の丸紅株式会社は2020年、女性の働き方の問題を社会課題ととらえ、fermataとパートナーシップを組みフェムテックプロジェクトをスタート。年齢層や所属も幅広く、男性社員を含む20名のプロジェクトチームを発足しました。

プロジェクトの取り組みとして、オンライン診療システムで低用量ピルを処方し、生理痛やPMSの改善を支援する「オンライン外来ピルプログラム」と、更年期の悩みを医師に相談できる「更年期チャットサービス」を、福利厚生として社内で試験導入。今後、社内での意見を事業化に活用していく予定です。

【まとめ】誰もが健康に自分らしく働ける会社に!

女性特有の体の問題は、男性が多い職場では特に、女性が個人で対処せざるを得ない状況が多いのが現状です。女性側が、働きづらさを感じながらも、月経トラブルや不妊治療に関して相談しにくさを感じているケースもあるでしょう。企業側が女性の健康問題を経営課題としてとらえ、サービスや制度を利用しやすい環境を整えることが、女性の活躍推進や、働き方改革を大きく前進させる上では重要です。

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参考・出典

この記事を書いた人

リコージャパン株式会社
リコージャパンは、SDGsを経営の中心に据え、事業活動を通じた社会課題解決を目指しています。
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