エイジョの想いが社会を変える!16時退社のプレミアムエブリデー

From: 働き方改革ラボ

2018年03月30日 07:00

この記事に書いてあること

入社10年以内に9割。

なんの数字だか、わかりますか?実は、これは営業職に就いている女性が産休などで現場を離れてしまう割合。結婚や出産といったライフイベントに直面したとき、やりがいを感じているにもかかわらず営業を離れてしまうことが多いというのが現状です。

その根本的な解決に向け、企業を超えて横断的に取り組むプロジェクトがあります。それは、営業女性、すなわち「エイジョ」のための働き方改革プロジェクト『新世代エイジョカレッジ』。

業界・企業の垣根を超えた27企業が集結し、「次世代型営業モデルの創出」をテーマに各社で実証実験。その結果を、サミットで発表します。

今回はこのサミットで見事「特別賞」を獲得した、リコージャパン株式会社(以下、リコージャパン)の皆さんにお話を伺いました。

16時退社でライフも充実!プレミアムエブリデー

「次世代型営業モデル」を考える。リコージャパンのエイジョたちがまず行ったのが、女性営業職の現状の把握や課題の確認。挙がったのは、「営業=長時間労働」というイメージ、そして現状でした。

結婚や出産といったライフイベントを迎えたとき、仕事と家庭を両立するために仕事の方を制限してしまいがちなのは、やはりそこに理由があります。

「普段の仕事の中では考えていなかったけど、結婚して、営業ってなんだろうって考えて。これからもずっと営業を続けていけるかというのが不安でした」

でも、本当に仕事を制限しなければ両立できないでしょうか。考えた彼女たちが行き着いたのは、「そもそも今の17時半という定時が、絶対なのか」という疑問でした。

そんなエイジョたちが「次世代型営業モデル」として打ち出したのが、『プレミアムエブリデー!』。これはエイジョの5人と、それぞれの上司が、毎日16時退社するというもの。ただし、仕事のボリュームはそのままです。

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16時に帰るには、仕事のやりかたを変えないといけなかった

17時半までにやっていたことを、16時までに終わらせる。当然、これまでのやり方では16時には帰れません。

「以前は、来たメールを順に返していたんですが、それって生産性が低かったんだなと気が付きました。そういったところから変えないといけませんでしたね」

16時に帰るには、小さなところから仕事のやり方を見直し、生産性を上げなければなりません。とはいえ、日によってはどうしても16時までには帰れないことも。

「私の担当しているお客様は、マシンが安全稼働することが売上に直結します。16時に退社したあとにトラブルが起きれば、お客様にダイレクトにご迷惑がかかるんです」

今回の『プレミアムエブリデー!』は、仕事の量と質を落とさないこと、そしてお客様にご迷惑をかけないことが大前提。そのために設けられていたのが、短縮分1.5時間のバッファタイム。これは、16時までに仕事が終わらない場合は、1.5時間場所を問わず働けるという、いわば部分的なテレワークの導入でした。これにより、16時退社を目指しながら、必要あれば1.5時間フレキシブルに働くという環境のもと、2ヵ月の実証実験をすすめていきました。

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部署に広がる「時短って大変なんだね」

「勤務時間が決まっていていいよね」「仕事が早く終わっていいね」

時短勤務というと、このようにイメージされてしまいがちです。ですが、時短勤務の大変さは、実際に体験した人にしか分かりません。今回の企画で、エイジョたちもその大変さを実感します。

「いざ自分でやってみると、終わりの時間が決まっているのって本当に大変!『楽だね』なんて、冗談でも言えないことがわかりましたね」

エイジョの5人と、それぞれの上司の計10人で始まった『プレミアムエブリデー!』。実際にやってみると、初めて知ることがたくさんありました。

これは他のメンバーにも、ぜひやってみてほしい!

そんなエイジョたちの思いで、プロジェクト参加者を、26名まで拡大。試行錯誤するエイジョを見て、また実際に時短勤務を体験してみて、周りの意見も変わっていきました。

ある男性からは、「今まで時短勤務なんてぼんやりと先のこと、くらいに考えていたけれど、自分に子供ができたら働き方がどうなるかを考えるようになった」との声が。子育てをしながら時短勤務をしている奥様がいる上司は「時短勤務している奥さんの気持ちや大変さがすごくよくわかった」と、時短勤務に対する意識の変化がありました。

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自分が親になっても続けられるのは、営業だな

5人のエイジョたちは、普段はそれぞれ別の部署での勤務。そんな彼女たちにとっても、ライフステージの近いメンバーとのプロジェクトは、大きな意味がありました。

「同じ部の中には時短で働いている人がいなかったので、育児をしながら働いている人がどうしているのかわかりませんでした。このプロジェクトで、育児しながら働いているメンバーの姿を見て、すごいな、尊敬するなと思いました」

また今回のプロジェクトを通して、営業という働き方に対する考えの変化も。

「今回やってみて、自分が親になっても続けられるのは営業だな、って思いました。営業は、成果を出せばある意味で働き方が自由だから。お客様の職場に直行直帰できるし、PCも持ち歩いているからどこでも仕事ができる。それはすごくいいなって思いました」

「営業=長時間」というイメージから、「営業=自由」という考え方に変化した彼女たち。次に考えるのは、この『プレミアムエブリデー!』を営業だけでなく、全社で行うにはどうしたらいいのかということ。もちろんそこにはまだまだたくさんの課題があります。

「『長く働いていることがよく働いている』と考える方もいますよね。全社で導入するなら、例えば事業部全体で2ヶ月間、みっちり強制力をもって時短勤務をするなどしないと実施は難しいかなと思います。どういったことが課題なのかも、まずそこからやってみないとわからないと思いますね」

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変わっていく、エイジョを取り巻く環境

「彼女たちの上司って、部下とのコミュニケーションが良好で、育成の意識も高かったんです。今回はそれがプラスに働いたんだと思いますね」

そう語るのは、エイジョのプロジェクトをサポートした人事部の松木さん。『プレミアムエブリデー!』では、16時までの時短勤務を、定時の17時半までの勤務と同等に見なすという判断で、エイジョたちの活動を後押ししました。

今回のエイジョの栄光は、彼女たちの頑張りはもちろん、一緒に参加してくれる上司や人事部のサポートが背景にあったことも大きかったようです。また松木さんは今回の企画についてこう語ります。

「10年前だったら、営業をこういったプロジェクトに出そうとすると『この期末の忙しい時期に、人事は何を考えてるんだ!』と言われる空気だった。うちの会社も含め、社会が変わってきたんだなと感じます」

エイジョの想いが社会を変える

今回の『プレミアムエブリデー!』により、エイジョたちの残業時間は、平均で22時間削減。さらに生産性の向上で売上額はなんと250%も向上しました。

女性営業職の抱える課題の解決に向けて、ワークライフバランスの向上、仕事の効率化を実現し、売上向上という具体的な成果にまでつなげた、リコージャパン・エイジョたちの『プレミアムエブリデー!』。

育児や介護といったライフステージの変化に影響されることなく、人々が長く働き続けられる社会へ。エイジョ発のこの一歩が、社会に大きな風穴を開けることを期待しています。

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記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

「働き方改革ラボ」は、”働き方改革”が他人ゴトから自分ゴトになるきっかけ『!』を発信するメディアサイトです。
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