建設業も脱書類!ペーパーレス導入で業務改善

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建設業も脱書類!ペーパーレス導入で業務改善

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ピラミッド構造と呼ばれる工事発注形態があることから、書類のやり取りが多い建設業界。書類に依存した業務が多いことが、建設業界の働き方改革が進まない理由のひとつと言われています。そこでこのコラムでは、建設業界で導入できるペーパーレスの取り組みを紹介。業務効率化など、ペーパーレスの導入メリットや、企業の成功事例もお伝えします。

紙によるやりとりが多い建設業界

建設業界での工事の発注の仕組みは、元請けから一次、二次受けと続く「ピラミット構造」と呼ばれています。それぞれの業者間で、見積もりや契約、請求などのステップが必要なため、建設業界では書類によるやりとりが多く発生します。

また、契約や検査に必要な資料や膨大な図面も、紙で作られて作業に使用されているのが現状です。他の業界ではペーパーレス化やデジタル化が広がっている中で、建設業界の働き方改革にとっても、脱・紙文化が課題となっています。

建設業界にペーパーレスが必要な理由

では、建設業界にとってなぜ今ペーパーレス化が必要なのでしょうか。

紙資料による非効率や作業員の負担増

業務を書類に依存した状態では、作成や押印、書類の検索といった非効率な作業が発生します。また工事現場の作業には、図面や作業指示書、工程管理表といった、さまざまな資料が必要です。現場の作業員が大量の書類を持ち運ぶ手間や、現場監督が工事を掛け持ちしているケースでの取り違えのリスクも生じます。

紙資料による非効率や作業員の負担増が、建設業の働き方改革の推進を妨げています。ペーパーレス化が進めば、これらの作業のムダが減ることに加えて、工事関係書類の電子化、電子納品などのICT活用によって、業務の遂行がスピード化します。

政府も、2004年にe-文書法の制定で、法律で保管が義務付けられている文書の電子保存を認めるなど、ペーパーレス化を推進。国土交通省も、公共工事などを対象に従来の紙による手続きをインターネット上で行える「電子契約システム」を導入するなど、建設業のペーパーレス化を推進しています。また国土交通省は、建設業界の生産性向上と魅力ある職場環境の実現のため、建設や土木でのICT活用の取り組み「i-Construction」も推進しています。

ペーパーレスが建設業にもたらすメリット

では、ペーパーレス化は建設業界において、どのような点で有効なのでしょうか。主なメリットを解説します。

業務効率化

ペーパーレス化の最大のメリットは、業務の効率化です。契約書などの書類の電子化によって、書類作成や押印の手間が減ります。また、修正が入った図面などの最新資料も、デジタルで管理することで、紙に再び出力して持ち出す必要がなく、現場ですぐに確認ができます。

書類をデータで保存することで、資料の閲覧や検索もスムーズに行えます。また、ペーパーレス化をサポートするICTツールの活用を進めれば、業務プロセスも効率化。社員間や部署間での連携が円滑化し、会社全体の生産性が向上します。

コスト削減

ペーパーレス化によって、紙資料の印刷や保管にかかるコストを削減できます。インクなどの印刷費や紙の費用、また大量の資料を運ぶ輸送コストや、廃棄費用をカットできるのもメリットです。取引先との契約業務を電子化すれば、契約書に必要な印紙代や郵送代も不要です。大量の紙資料を工事現場へ持ち運ぶ必要がなくなるもの大きなメリットです。

コンプライアンス強化

資料の電子化によって、書類に関するコンプライアンスが強化されるという点もメリットです。ITツールやクラウドサービスを活用することで書類のチェックがスムーズになり、法律に基づく社内監査が円滑化。また、紙資料の持ち運びや保管中の紛失による情報漏洩のリスクを防げます。閲覧権限を設けたデータの管理によって資料のセキュリティが強化されるなど、安全面のメリットもあります。

ペーパーレス化の具体的取り組み

次に、建設業界にとって業務効率化の効果が高いペーパーレス化の具体的な取り組みをご紹介します。

受発注システムによる取引書類の電子化

建設業界のペーパーレス化の取り組みとして一般的なのは、受発注システムを使った書類の電子化です。2001年の建設業法改正で、建設業でも電子契約書の使用が認められ、大手企業を中心に電子化が進みました。見積回答や契約締結をシステム上で行うことで、押印や郵送など時間や手間のかかる作業が必要なくなり、スムーズな取引が可能になります。

クラウドサービスで大量の書類を管理

建設業界に欠かせない施工図面などの大量の紙資料を、クラウドサービスで管理・共有することも有効です。ファイルにまとめて現場で持ち運び、作業や確認に使用している図面も、クラウドサービスで管理をすれば、タブレットやスマートフォンで確認ができます。工程管理表などを作成して、そのまま保存や更新ができるクラウドサービスを使えば、より業務を効率化できます。

施工管理アプリ

建設業界の業務に特化した施工管理アプリも、施工現場の生産性向上を実現します。施工管理アプリは、帳簿や図面、写真など、工事に関わる情報を一括管理できるツール。施工現場で、アプリに保存した資料をスマートフォンやタブレットを使って確認することも可能です。電話やファックス、メールで行っていた現場でのコミュニケーションを、チャットで行うことで円滑化するツールもあります。

電子納品

電子納品は、工事の写真や図面、書類などの完成書類の一部を、電子成果品として提出すること。従来はこれらの成果品は紙で提出されていましたが、大量の書類の作成や保管に時間や手間がかかることから、国土交通省も電子納品を推奨しています。CD-Rへの格納や郵送などの作業負担軽減のため、現在、オンライン上で電子納品が可能なシステムの開発が進められています。

ペーパーレス化の成功事例

建設業界では、実際にどのようにペーパーレス化が実施されているのでしょうか。中小企業の取り組みを中心に、ペーパーレス化の成功事例をご紹介します。

現場写真と施行体制台帳のデータ化で管理を効率化

愛知県で公共事業を中心に土木工事を行う株式会社東郷建設は、施工管理業務の効率化を目指しペーパーレス化を推進。工事現場の写真撮影・管理と、施工台帳作成・管理をサポートするシステムを導入しました。

現場で、工事黒板をデジタル化した電子小黒板アプリを使ってフォルダを選んで写真を撮ると、データがクラウド上に保存。工事の詳細を黒板に書いたり、写真をアルバムに振り分けたりする作業の負担が減りました。また、協力会社から紙で送付された施工台帳を複合機で読み込むことで、データ化・分類して管理。システム上でスムーズに資料の検索や再利用ができるため、作業効率が向上しました。

タブレットを活用し大量の設計書類をクラウドで管理

空調設備などの設計・施工を手がける埼玉県の竹内セントラル株式会社は、ICT活用を進める取引先との意思疎通をスムーズに行うため、ICTを導入しました。

現場担当の社員にタブレットを支給し、施工前や施工中、完成後の写真をタブレットで撮影して直接クラウドに保存。クラウドから呼び出した図面を作業や確認に使用するなど、資料の管理を効率化しました。大量の紙資料を持ち運ぶ負担が減り、空いた時間で資料や写真の整理をすることも可能に。現場で施工に変更が発生した際もすぐにデータを取り出して協議できるなどスピーディな対応ができるため、社員の労働時間削減にもつながっています。

会議資料をペーパーレス化して200時間を削減

株式会社鴻池組では、会議資料に関わる作業負担軽減のためペーパーレス化を推進。経営会議などでは最大200ページに及ぶ会議資料の印刷や製本、差し替えが必要で、担当者の休日出勤や長時間労働につながっていました。そこで、会議資料などのコンテンツをタブレットやスマートフォンで閲覧できるツールを導入。

13種類の会議で使う資料をデジタル化し、大量の紙の使用を削減しました。会議前や会議中の資料差し替えや追加もスピーディにできるため、会議運営が効率化。年間約200時間の作業時間軽減につながりました。閲覧の権限管理も可能なため、機密性の高い資料も安全に管理ができています。

手書きのタブレットでワークフローを変えず電子化

電気設備の販売や、配電盤などの製造を行う株式会社電巧社は、配電盤などの検品作業にタブレットを活用することで、ペーパーレス化を実現しました。長時間労働や作業効率低下の要因を社内で洗い出したところ、手書きで伝票に記入した検品情報の入力作業の負担が課題にあがりました。そこで、専用のペンで記入した情報がその場でデータ化されるタブレットを導入。

現場の担当者が慣れている手書きに検品という業務フローを変えずに、伝票のペーパーレス化を実現しました。24時間かかっていた入力作業が2時間ほどに短縮できる見込みが立つなど、業務効率化に成功しています。

脱・書類で業務効率化を進めよう

建設業界のペーパーレス化は、紙の削減や、書類に関わる作業負担を軽減することにとどまらない、業務効率化のメリットがあります。働きやすい職場環境を実現して、人材の定着や採用を成功させるためにも、ペーパーレス化を進めてみてはいかがでしょうか?

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参考・出典

この記事を書いた人

リコージャパン株式会社
リコージャパンは、SDGsを経営の中心に据え、事業活動を通じた社会課題解決を目指しています。
新しい生活様式や働き方に対応したデジタルサービスを提供することで、お客様の経営課題の解決や企業価値の向上に貢献。
オフィスだけでなく現場や在宅、企業間取引における業務ワークフローの自動化・省力化により、“はたらく”を変革してまいります。

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