建設業で請負工事の電子契約が可能に?事例や導入のポイントを解説!

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建設業で請負工事の電子契約が可能に?事例や導入のポイントを解説!

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従来は、請負工事の契約は書面が一般的でしたが、建設業においても電子契約書が認められたため、電子契約を導入する企業が増えています。この記事では、建設業の電子契約化の概要や具体例、導入時のポイントなどを解説しています。自社に導入する際の参考にしてください。

電子契約とは?

書面での契約を電子化したものを「電子契約」といいます。建設業においては、請負工事などの契約の際に利用されています。

契約の主な流れは、契約書の作成、印刷、製本、郵送、返送、保管(ファイリング)の順に実施されるケースが一般的です。しかし、契約書を電子化すると、全体のフローが簡略化されます。

書面での契約との違いは、契約書の作成から保管までのプロセスを迅速に進められることです。印刷や製本、郵送時の封入などの作業工数の削減につながります。

建設業における電子契約化とは?

建設業で電子契約が導入されるようになった経緯や、電子契約に不可欠なものなどについて解説します。

建設業が電子契約化されるようになった経緯

建設業で請負工事などの契約を締結する際は、請負業者、発注者、下請け業者を含む当事者同士による書面での契約が義務づけられていました。

しかし、IT革命並びに、国内経済の発展を阻害する要因になると懸念する声が挙がったこともあり、2001年4月に建設業法が改正されました。2020年10月には、建設業法施行規則が改正され、建設業においても働き方改革や生産性の向上などへの対応が求められています。

ただし、必要要件を満たさなければ、電子契約の締結はできないので注意が必要です。なお、必要要件については、後ほど解説します。

建設業の電子契約化に必要な要件

電子契約を締結するには、建設業法第19条第1項~第3項に定められた、電磁的措置の方法、種類・内容、これらに適合する技術的基準などを満たす必要があります。

電磁的措置とは、Webサイトや電子メールなどによって電子契約を行う方法を意味します。具体的には、建設工事の請負契約を締結する際に、工事の具体的な内容や請負金額、納期などの記載が必要です。

また、電子契約を交わす際は、事前に契約相手から承認を得なければなりません。さらに、電子契約書のデータの記録だけでなく、契約相手が出力によって書面を作成できること、契約書の改ざん対策が行われていることが条件に挙げられています。

グレーゾーン解消制度とは?

グレーゾーン解消制度は、経済産業省の主導のもとに行われている新規事業創出の一端を担っている制度です。具体的には、これまで市場に出ていない新サービスなどを提供する企業が、法律や規制に則ったサービスであるのか、いわゆるグレーゾーンを所轄の省庁に照会するために利用されています。

電子契約サービスは、すでにグレーゾーンの照会によって、見読性、原本性、本人性の3つの要素を確保していると認められたサービスです。見読性とは、データの記録、書面での作成が可能なことを指す言葉です。原本性は、電子契約書が改ざんされていないかどうかを確認できることを意味します。本人性とは、電子署名した人の本人確認がなされていることを表します。

建設業における電子契約化のメリット

建設業の企業が請負工事などの契約を締結する際に、電子契約を導入するメリットについて解説します。

契約業務を効率化できる

電子契約化によって、書面での契約業務の作業工数を一部を削減できます。書面でのやり取りは、契約当事者の双方にとって大きな労力を要します。たとえば、作成した契約書を印刷し、収入印紙を添付してから契約相手に郵送するなどの作業のほか、印刷用紙や収入印紙の用意、郵送準備、返送後のファイリングなどの作業も必要です。

一方、電子契約は、インターネット環境が整備されていれば、時間や場所を選ばずに契約業務を円滑に進められます。

契約コストを削減できる

上述したとおり、電子契約の導入によって印刷や封入、郵送、保管などの契約業務を削減できます。削減可能なものは、契約業務だけではありません。これらの業務に付随するコストの削減も可能です。たとえば、印刷コスト、収入印紙代、郵送料、保管コスト、人件費などが挙げられます。

なかでも、建設業の契約では莫大な契約金額になることも多く、契約金額に見あった収入印紙を納める必要があります。電子契約書は収入印紙を添付する必要がないため、契約コストの削減にも有効です。さらに、契約業務に携わる従業員の業務負担も減らせます。

コンプライアンスの強化に有効

電子契約は、セキュリティ面においても有効性が認められています。そのため、情報セキュリティ管理におけるコンプライアンスの強化につながります。具体的には、電子契約書の内容は、アクセス権をもつ人しか閲覧できません。そのうえ、アクセスログの取得が可能なため、電子契約書へのアクセス管理がしやすくなります。

また、書面の契約書では印鑑を肉眼で判別します。しかし、電子契約書では高い信頼性が確保された、電子署名とタイムスタンプをセットで用いるため、コンプライアンスをさらに強化できるのがポイントです。

建設業における電子契約導入のポイント

建設業で電子契約を導入する際は、以下の3つのポイントに留意して進めましょう。

原本性・見読性・本人性を確認する

電子契約サービスを導入する際は、上述したとおり、原本性・見読性・本人性の3つの要素を満たしているサービスかどうかの確認が大切です。いずれか1つでも不足すると、作成した電子契約書が法制度や規制などに抵触する可能性が高まるため、注意が必要です。

原本性が確保されたものかどうかを見極めるうえで重要なポイントは、公開鍵暗号方式の電子署名であること、信頼性が高い第三者機関による電子証明書があること、改ざん対策がなされているシステムであることの3つです。

見読性に関しては、パソコン画面や書面のどちらも契約内容が明瞭に表示されるものであるかを確認しましょう。

本人性については、電子署名が契約者本人であることを確認できることが重要です。電子署名の種類は、認証局による本人確認がある「当事者型」と、クラウド上で署名できる「立会人型」があるので自社にあうものを検討してみましょう。

公開鍵暗号方式による電子署名が必要

公開鍵暗号方式とは、電子契約書の改ざんを防ぐうえで有効とされる暗号技術です。電子契約書のデータを暗号化する際に、公開鍵と呼ばれるものを使用します。暗号化された電子契約書を閲覧する際は、秘密鍵と呼ばれるものでデータの復号化を行います。

また、秘密鍵で暗号化されたデータを復号するためには公開鍵が必要です。秘密鍵・公開鍵ともに外部に流出しないようにしっかり管理しなければいけません。加えて、第三者機関による電子証明書の添付も必要になるので、合わせて覚えておきましょう。

収入印紙の添付は不要

書面での契約時は、収入印紙の添付が必要になる場合がありますが、電子契約では収入印紙の添付が不要です。収入印紙が不要とされる理由は、印紙税法における課税対象に該当しないためです。書面そのものを契約相手へ交付したかどうかが、印紙税法において課税対象になるかどうかの分かれ目といえます。

たとえば、電子契約書をプリントアウトしてから紙面に押印して交付すると、課税対象になるため、収入印紙による納税が必要です。

電子契約の導入によって収入印紙の作業が省略されれば、郵送などにかかる人的コストの削減にもつながるでしょう。

建設業における電子契約の導入事例

実際に、建設業で電子契約を導入した事例をひとつ紹介します。自社で導入する際の参考にしてみてください。

電子契約で建設請負工事をコストカットした事例

堤防や橋脚の改修や復旧工事などを請け負っている株式会社技研製作所では、書面の契約書の作成にかかる郵送料や収入印紙代、人件費などのコストを削減したいという課題がありました。1件の契約書につき、数万円の収入印紙代がかかっていたそうです。これらのコストを削減する目的で、電子契約サービスを導入しました。

電子契約の導入によって得たメリットは、Web上で契約の作成から締結までを完結できること、他部門との共有、契約書の保管などを容易に行えることでした。ほかにも、契約相手に金銭的な負担を与えずに済んだことも、導入の決め手になりました。

ただし、電子契約に対して抵抗を感じている取引先もおり、電子契約は全体の80%に留まっています。今後の課題として、電子契約100%を目標に掲げ、取引先からの理解を得られるよう、交渉を進めていくことを挙げています。

まとめ

法改正によって、義務化されていた書面での契約に代わり、電子契約が可能になりました。また、2020年10月に改正された建設業法施行規則では、建設業における働き方改革の促進に関する項目も定められています。最新の法制度に対応するためにも、最新情報を入手するように心がけましょう。

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参考・出典

この記事を書いた人

リコージャパン株式会社
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