50代のリアル – 定年なき時代のキャリア戦略

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定年まで一つの会社で勤め上げて、退職金と年金で余生を過ごす。
社会のグローバル化や時代の変化などに伴い、そういったモデルは今や過去のものとなりました。
今回は、”退職”にまつわる現状を理解し、いつまでも市場価値を持ち続けるために必要なキャリア戦略について考えていきましょう。

「終身雇用」は過去のもの?

今年の春、大手企業の大規模な早期退職が話題になりました。

このニュースで特に話題となったのが「45歳以上」という対象年齢。まさに働き盛りといえそうな年代を含むため世間の注目を集めたようですが、実は、早期希望退職者を募集している大手企業には、対象年齢を「45歳以上」とするケースが増えてきているようです。

ここで一度、「終身雇用」についておさらいしてみましょう。「終身雇用」というのは、企業が正社員を定年まで雇用するという“慣行”です。あくまで“慣行”にすぎないものであり、法律や規則で定められているものではないのです。しかし、一度採用されたらよほどの理由がない限り解雇されないといった雇用ルール(労働契約法)などの影響から、この慣行が今まで定着していたと考えられます。

しかし、経団連会長の「終身雇用なんてもう守れない」という発言などからもわかるように、企業側から「雇用システムを変えよう」という声が上がり始めているのも事実。雇用される側としては、この流れを受け入れた上で、もはや終身雇用はないものとして捉えたほうが自身を守ることにつながるといえそうですね。

退職金がない企業は20%?今後も増加?!

退職金制度(退職給付制度)は、法律で定められているわけではなく、設けるかどうかは各会社の自由となっています。 平成30年就労条件総合調査(厚生労働省) の結果によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は80.5%とのこと。さらに、企業規模が大きいほど退職給付制度がある割合が高く、中小企業ほど退職給付制度を設けているところが少ないことがわかります。

ただ、この退職給付制度は、終身雇用が前提だった時代の名残ともいえます。かつては年功序列で賃金が設定され、定年まで働けば多くの退職金がもらえるといったケースも多かったのでしょう。しかし、終身雇用が崩壊しつつある現在、退職給付制度は企業規模を問わず縮小の傾向にあり、その代わりに、退職金を普段の給与に反映させる企業が増えてきているようです。

年金受給開始年齢が70歳以降に?!

現在は、年金支給開始年齢は60〜70歳の間で個人が自由に選択できる仕組みとなっています。また、65歳より後に受給開始をする「繰下げ制度」を用いると、最大で42%受給額が増えるそうです。さらに、平成30年2月16日に閣議決定された「高齢社会対策大綱」では、70歳以降の年金受給開始を選択可能とする制度の検討が盛り込まれました。

「定年延長」とも捉えられるこの状況。その理由について、「高齢社会対策大綱」には「70歳やそれ以降でも個々人の意欲・能力に応じた力を発揮できる社会環境づくりを推進する」と明記されています。しかし、裏を返せば「生涯現役でなければ生きるのが厳しい時代」という見方もできるかもしれません。

また、2014年に実施された財政検証(将来の公的年金の財政見通し)では、経済が低成長の場合、所得代替率(現役世代の手取り収入に対する年金給付水準の割合)が30年後に50%割れとなる可能性が指摘されていました。

こうしたことから、近い将来定年が一律70歳に引き上げられ、年金の受給額は2割ほど減るのではないかといった予測もあるようです。いざというときのために、今後は定年後も働き続けるためのスキルアップやキャリア戦略が必要となってくるかもしれません。また、住宅ローンや資産形成の前提条件も今一度見直しておいた方がよいかもしれませんね。

50代のキャリア戦略

変化の多い社会を生き抜くためには、常にスキルやテクノロジーを学び続け、業務を効率化していくことが必要でしょう。50代でも、働き続けるためのキャリア戦略が必要なのです。

最も危険なのは、慣れ親しんだ会社と家庭を往復するだけの変化のない生活を繰り返すことです。慣れた業務は確実ですが、社会のニーズや変化を捉えられなければ、キャリア戦略を立てることもできません。

まずは現在持っているキャリアや経験、スキル、人的ネットワークを棚卸しして、リストなどで見えるようにするところから始めましょう。

長い社会人生活の強みは、なんといっても経験とスキルです。これからも強みとなる部分を確認することで、はじめて世界や仕事のトレンドを分析し、これから必要となる能力や人脈を把握することができます。

その上で、自分の強みを伸ばすのか足りていないところを補うのか、時代のニーズや自分の特性を見極めスキルを磨いていくことが重要です。

50歳から70歳まで働くとすれば、20年。これまでの人生の半分近い時間を働き続けることになります。今までの経験とスキルをよりよく活用し、成長し続ける生き方を考えることが現実的で前向きな戦略ではないでしょうか。

個人の働き方改革は生涯続く

終身雇用や退職金といった「安定」が揺らぎ始めた現代。定年まで一つの企業に勤めるのがよしとされる潮流は、もはや時代遅れかもしれません。

「高齢社会大綱対策」には「65歳以上を一律に「高齢者」と見る一般的な傾向が現実的なものでなくなりつつある」と明記されています。定年のないこれからの時代、「一億総活躍社会」を構成する一員として、たとえ50代であっても、サイドワークに目を向けていくなど、自分自身の「働き方改革」を進めていきたいものですね。



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