外国人労働者を介護職で雇用する場合の4つの制度とは|雇用のメリットや注意点なども解説

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外国人労働者を介護職で雇用

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日本の介護業界の人手不足は深刻なため、昨今では外国人労働者の受け入れが重要なポイントとなっています。この記事では、働き方改革を背景に、自社の採用についてさまざまな検討をしている担当者向けに、外国人労働者を介護職で雇用する場合の方法やメリット、注意点を解説します。外国人労働者を介護職で雇用する際の参考にしてください。

外国人労働者を介護職で雇用する、とは

現在日本は深刻な人手不足の問題を抱えています。この問題は介護業界も同様です。厚生労働省によると、2025年問題として2025年までに34万人もの介護人材が不足するといわれています。

これに対し、国の政策としては介護職における外国人労働者の受け入れを進めています。2021年時点では外国人労働者が日本で介護職として働くために認められている4つの制度があります。

また、2019年4月には、改正入管法によって新たに創設された「特定技能(1号、2号)」という特に不足する国内人材を補うための在留資格(ビザ)の制度が開始されました。これは14の対象分野の1つに介護分野が認定(他には、建設業など)されています。このような理由から、今後も介護職での外国人労働者の受け入れは進んでいくと予想されます。

現状、介護職で働く外国人労働者はどれくらいいるか?

外国人労働者の全体としては、2016年に初めて100万人を突破し、2019年には特定技能1号、2号の創設を背景に約165万人になりました。それ以降も制度が整ってきている背景と共に、外国人労働者は増え続けています。

厚生労働省の「産業別・外国人雇用事業所数及び外国人労働者数」によると、医療・福祉分野における外国人労働者は2019年10月時点で3万4,261人です。そのうちの半数以上が社会保険、社会福祉、介護事業などの介護福祉分野で働いていることがわかります。

外国人を介護職で雇用するための4つの制度

外国人を介護職で雇用するための4つの制度について詳しく解説していきます。

1.(2008〜)EPA介護福祉士候補者

EPA介護福祉士とはEPA(経済連携協定)に基づく外国人介護福祉士候補者のことです。候補者になるために以下のような要件を満たす必要があります。

  1. 日本語研修機関による訪日前の日本語研修(6~12ヶ月)日本語能力試験の修了
  2. 入国
  3. 日本語研修機関による訪日後の日本語研修(2.5~6ヶ月)
  4. 介護事業所で雇用・研修
  5. 入国から4年目に国家試験を受けて介護福祉士の資格取得
  6. 介護福祉士として引き続き就労(在留期間の制限なし)

上記のような流れで、EPA介護福祉士候補者は介護福祉士になります。

2.(2017.9.1〜)在留資格「介護」

在留資格「介護」とは、日本の介護福祉士養成校を卒業した在留資格「介護」を持つ外国人の雇用のことです。養成校に入学する要件としては、日本語能力検定がN2以上に合格、もしくは日本語教育機関で6カ月以上学習し、日本語試験でN2相当以上と確認できることなどになります。介護事業所で働くまでの流れは以下の通りです。

  1. 入国
  2. 介護福祉士養成校に留学(その前に日本語学校に通う場合もあり)
  3. 介護福祉士の資格取得
  4. 介護事業所で雇用(介護福祉士養成校に留学中にアルバイト雇用することも可能)

また、この制度には受入調整機関がないため、自主的な採用活動が必要です。

3.(2017.11.1〜)技能実習

技能実習とは技能実習制度を活用した外国人(技能実習生)の雇用のことです。具体的には、日本から諸外国への技能移転を目的として、外国人を日本の産業現場に一定期間受け入れ、OJTを通じて技能や技術等を学んでもらい、母国の経済の発展に役立ててもらうための制度になります。

要件としては、帰国後に習得し技能等を要する業務に従事する予定、介護と同様の業務に従事した経験を有するなどがあります。

4.(2019.4.1〜)特定技能

特定技能とは2019年4月にはじまった、就労目的で外国人人材を受け入れるための在留資格です。特定技能には1号、2号がありますが、介護職は1号になります。2つの主な違いは在留期間で1号は上限が5年までと定められていることです。特定技能1号になるためには技能水準、日本語能力水準の2つの試験に合格する必要があります。

その後、入国し介護事務所で雇用されて帰国という流れです。

外国人労働者を介護職で雇用するメリット

外国人労働者を介護職で雇用するメリットを紹介します。

人材不足の解消

日本は少子高齢化の流れが進んでいます。この先さらに人手不足になることが予想されます。外国人労働者を採用することで、介護業界の慢性的な人手不足の解消につながるのです。

人手不足解消が離職率の低下や復職にもつながる

人手不足が離職の原因の1つとなっている場合もあります。そこで外国人労働者を受け入れることで人手不足が解消されると、労働環境の改善につながります。その結果、職場への満足度があがり、離職率が低下したり、潜在介護士の復職につながったりします。

制度によっては長期雇用が可能

介護福祉士の資格を取得し、「介護」の在留資格があれば年数の縛りがなく、永続的な雇用が可能になります。在留資格がなければ在留期間の定めがあるため、大きなメリットといえます。

一緒に働く日本人へも好影響を与える

日本人の介護士にとっても、外国人労働者を受け入れることで良い刺激となります。たとえば、仕事への向き合い方や、文化の違いや言語の違いに触れることで、働き方や生き方に良い影響を与えるでしょう。

外国人労働者を介護業界で雇用する場合の注意点

外国人労働者を介護業界で雇用する場合の注意点を解説します。

企業内で受け入れの準備をしっかりと整える必要がある

企業側は外国人労働者を受け入れるにあたって、以下のような準備が必要になります。

  • 設備
  • コミュニケーションの取り方
  • ルールの制定
  • マニュアル作り
  • 既存の日本人職員への説明など

これらを事前に準備してから外国人労働者の受け入れを行うとスムーズです。

外国人労働者への各種サポート体制が必要になる

外国人労働者への各種サポートが必要です。たとえば、生活面の支援や、仕事に必要な日本語を理解するための研修の実施などの幅広いサポートを行わなければなりません。

宗教や文化、コミュニケーションの取り方の違いに対するお互いの理解も必要

外国人労働者を受け入れることで、トラブルが起こらないようにお互いに理解しあう必要があります。たとえば、宗教や文化、コミュニケーションの取り方の違いにより、いじめや差別、パワハラ等が起こらないように気をつけてください。

安価で雇用できる、といった認識は間違い

くれぐれも外国人労働者を「安価な労働力」と認識しないように注意しましょう。このような間違った認識があると不当な扱いを生み出しかねません。そのようなことがないためにも日本人と同等の給与水準や準備費用、サポート費用などといったコストは必要不可欠です。

各種申請や届出を行ったり、労働管理の知識も必要

外国人労働者を受け入れるにあたり、各所への申請や届出を行ったり、労働管理の知識も必要です。たとえば、在留資格の管理や更新の支援、外国人労働者を常時10人以上雇用する場合は「外国人労働者雇用管理責任者」の選任も必要になります。

外国人労働者を介護職で雇用した事例

外国人労働者を介護職で雇用した事例を紹介します。

社会福祉法人 晋栄福祉会

晋栄福祉会は法人委員会として「グローバル推進戦略委員会」を発足させました。その結果、EPA介護福祉士候補者に向けた「受け入れの手引き」を作成することで外国人労働者をスムーズに職員として受け入れ、現在は120人近くの外国人労働者を雇用しています。

社会福祉法人 神港園

EPAの制度はマッチングされてから、着任するまで1年ほどかかります。そのため、社会福祉法人神港園では、留学生や技能実習生などのさまざま制度を併用して実施しました。その結果、5ヵ国からの外国人労働者の採用につながっています。

介護業界の人材不足には、ICT活用を活用した働き方改革も有効

ICTとは「Information and Commnunication Technology」のことで、略すと「情報通信技術」のことです。ICTを活用するとは、情報技術を使ってコミュニケーションを行うことになります。厚生労働省は、介護現場におけるICT化を進めており、その代表事例に導入支援事業があります。

介護現場にICTを導入した例としては介護ロボットによる見守りシステム(ケアサポートシステム)を導入することで、利用者の生活支援、職員の負担軽減につながったという実例があります。

介護業界の働き方改革の成功事例

ここでは介護業界の働き方改革の成功事例を紹介します。

株式会社EMIKA

株式会社EMIKAはベットセンサー「リコーみまもりベットセンサーシステム」を導入しました。その結果、転倒のリスクや見守りの負荷を軽減することが可能となっています。さらにカメラとの併用により、負荷を約4分の1にまで軽減することで成功しています。

社会福祉法人 芳洋会

社会福祉法人芳洋会では、これまでは介護記録の作成が介護スタッフの負担になっていました。そこでタブレットを活用したことで、大幅な負担の軽減に成功しています。また、正確で詳細な記録ができるため、今後のケアにも活用できています。

まとめ

日本では深刻な人手不足が問題視されています。介護業界も例外ではなく、人手不足の解消が課題です。外国人労働者を受け入れることで、その解消が期待できるでしょう。

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参考・出典

この記事を書いた人

リコージャパン株式会社
リコージャパンは、SDGsを経営の中心に据え、事業活動を通じた社会課題解決を目指しています。
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