業務棚卸もできて一石二鳥!業務マニュアル作成のポイント

From: 働き方改革ラボ

2020年04月16日 07:00

この記事に書いてあること

4月は、新しい社員の入社や部署移動もあり職場が活気づく季節。新しく迎える社員に早く業務に慣れてもらうために、使いやすい業務マニュアルを用意したいものですね。今回の記事では、業務マニュアル作成のポイントをお伝えします。

業務マニュアルを作成する理由

そもそも業務マニュアルはなぜ必要なのでしょうか。ここではそのメリットをみていきましょう。

質の維持

メリットとしてまず挙げられるのは、業務に対する共通の認識を持つことで作業の質の維持ができること。「あの人がいないと作業ができない」といった属人的なリスクも回避でき、作業の質を保つことができます。また業務中に不明点が生じた際にいつでも業務マニュアルに立ち返れる安心感もあります。

コスト削減

次に、業務マニュアルを利用することで、新人に対する説明が簡素化でき、教育に費やす人件費等のコスト削減にもつながることが挙げられます。業務マニュアルがあることで、新人が初めて聞く内容も理解しやすく、ただ口頭で説明を受けるよりも頭に入りやすいという利点も。また、教える人によってやり方が違い、新人が混乱するといった事態も避けられるでしょう。

作業効率の改善

業務マニュアルを作成する際に業務の棚卸を行うことで、作業効率を見直すことができるのもメリットの一つ。現在の状況を客観的に把握し、無駄や業務の偏りを改めるきっかけにすることもできるのです。

まずは業務棚卸をしよう

業務マニュアルを作成する前にぜひ行いたいのが、前章で触れた業務棚卸です。業務棚卸とは、企業や部署、または従業員一人ひとりの単位で、日常業務の種類と内容、また作業時間やコストを洗い出し、働き方を可視化すること。これにより、仕事上の非効率なポイントを見定めたり、誰かに負担が偏っていないかなどを確認したりすることができます。業務マニュアルは、業務棚卸によって可視化した全体的な作業効率を確認しながら作成することがポイントです。

具体的な棚卸の方法については、「働き方の課題を可視化しよう!業務棚卸のポイント」を参照ください。

業務マニュアルの作成の流れ

それでは、実際に業務マニュアルを作成する手順を見ていきましょう。

・概要決定
・カテゴリを分類し、仮マニュアル作成
・実際に仕事をしてみる
・チェックリスト作成
・内容更新

まず、いつまでに、誰向けに、どういう形で、どこまでを明記するのかなど、大まかな概要を決めます。

次に、作業ごとに大きなカテゴリに分類。仕事の流れに沿って細かい内容や注意点を記載し、仮のマニュアルを作成します。この際、「なぜその作業が必要なのか」という目的や「具体的な事例」を盛り込みましょう。

続いて、この仮のマニュアルに沿って実際に仕事を進めてみます。その際に、手順が正しいか、情報の過不足が無いかなどを実際の現場で確認しましょう。この作業が、業務マニュアルの精度を高めるのに重要な役割を果たします。

修正を経ていよいよ最終的な業務マニュアルが完成したら、手順のなかで特に重要な項目を抜き出し、チェックリストを作成。ポイントを押さえることで、大きなミスを防ぎ、知識の定着を図ります。

実際に業務マニュアルの運用が始まったら、必要に応じて適宜更新し、より実務に沿った内容に更新していくことが大切です。

作成のポイント

業務マニュアルを作る際、最も大切にしたいのは、全員が使いやすいものにするということ。では、業務を始めて間もない新人から、業務に慣れたベテランまで、誰にでもわかりやすい業務マニュアルを作成するには、どのようにしたらよいのでしょうか。ここでは、作成に際し気を付けたいポイントを紹介していきます。

仕事の全体像を俯瞰できること

まず、業務マニュアルには、作業に必要な情報がすべて書かれている必要があります。マニュアルを初めて開いた時に、業務の全体像が大まかに把握できるよう、作業の手順に沿って目次を作成しましょう。

わかりやすく簡潔に

各作業のマニュアルを作成する際は、ただ手順を書き連ねるだけではなく、主語をはっきりさせ、「5W1H」を意識することが大切です。

・誰が(who)
・いつ(when)
・どこで(where)
・何を(what)
・なぜ・何のために(why)
・どのように(how)

を簡潔に表現することで、情報の主旨が明確になるうえ、過不足なく伝えることができるでしょう。これらを、時系列に沿って、短文で作成します。適宜フローチャートや図表などを盛り込むことで、視覚に訴えるのも効果的です。

業務の判断基準を明確に

新人でも判断に迷うことがないように、共通の認識として「判断の基準」を示すことも大切なポイントです。判断の要素として、

・仕事の意味(最終的な目標、なぜこの作業が必要なのか)
・求められる水準(作業時間、達成レベル、品質)

を明らかにしておくこと。特に右も左もわからない新人は、判断のすべてにおいて不安を抱えやすいもの。そうした彼らを守り、正しい方向へ導くためにも、判断基準が明確に記載されているマニュアルは大いに役立つでしょう。

クレームやトラブルを想定した事例も

業務マニュアルに沿って作業していても、ミスや予期せぬトラブルはどうしても生じるものです。そうした際に参考になるのが、過去の事例集です。具体的な事例を多く盛り込むことで、頼られ、応用されやすい業務マニュアルになるでしょう。

万が一トラブルが生じたら、その後トラブルに対しどのように対応したかを追記し、組織に共有していくことも大切です。大きなトラブルはもちろん、小さなケアレスミスまで網羅できれば、作業の質の向上も期待できるでしょう。その他、ちょっとしたノウハウやコツなど、手順の補足になるようなポイントも適宜記載し、共有することも大切です。

より質の高い業務マニュアルを

業務マニュアルは、単に新人研修のツールとなるだけでなく、作業ルールや手順の属人化を防ぎ、急な組織変更や人事異動の際でもスムーズな引継ぎを叶える役割も期待できるもの。最近ではこの重要性を見直し、専門サービスやソフトなどを使って業務マニュアルの製作に取り組む企業もあるようです。この機会に、より質の高い業務マニュアルの作成を検討してみてはいかがでしょうか。

記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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