ウィズコロナ時代のBCPとは?

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2020年に入ってから日本でも感染が拡大し、未だ収束の見込みが立っていない新型コロナウイルス感染症。人の移動や出社が制限されたことから、業務の稼働体制に影響が出た企業は少なくありません。世界的に感染症が広がる事態は今後も起きる可能性があり、その規模も予測が困難です。そんな感染症の危機に強い会社を作るために有効なのが、事業継続計画=BCPです。新型コロナウイルス感染症のピークが去ってからも重要な感染症を想定したBCPについて、そのポイントを解説します。

感染症拡大で重視されるBCP

BCP(Business Continuity Plan =事業継続計画)とは、自然災害や感染症などが起きた際に備えて、企業の事業運営方針や対応体制などをあらかじめ取りまとめた計画のこと。緊急事態に陥ったケースにおいて、損害を最小限にとどめながら、重要な事業の継続や早期復旧を実現することを目的としています。

日本でも本格的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症の問題は、さらに長期化するとみられています。対策が必要な事態が長引く中でも企業が事業を継続していくため、また今後も起こりえる感染症のリスクに備えるために、自然災害とは異なる感染症対策に適したBCPの整備が急がれています。

感染症による経営リスクの特徴

人々の生活や健康だけでなく、経済にも深刻なダメージを与えている新型コロナウイルス感染症。ワクチンや薬の開発は進められていますが、完全な収束までは時間がかかると見られています。発生直後から復旧を目指す自然災害とは異なり、企業にとっては、数ヵ月から年単位での長いスパンでの計画や、感染症ならではの対応が求められます。その対策や、経営に及ぼすリスクの主な特徴は次のとおりです。

影響がある期間が長き、予測不可能

地震などの自然災害の場合は、規模が同程度の過去の事例から、被害を受ける期間の予測がある程度は可能です。一方で、新型コロナウイルス感染症などの感染症は、影響期間の予測が難しいのが特徴。また、ワクチンや薬がまだない感染症の被害が広範囲に及んでいる場合は、影響を受ける期間が長引く可能性があります。

被害エリアが広範囲に及ぶ

被害エリアが広いのも感染症の特徴です。地震や台風などの自然災害は、広範囲で起こるケースもありますが、日本全体や全世界で一斉に起こることはなく局所的です。そのため、被害を受けていない場所で操業することも可能ですが、感染症は影響が全国や世界中に及ぶため、代替施設での稼働や、代替サプライヤーの確保も難しくなります。

復旧よりも事業継続レベルの決定が求められる

自然災害の場合は、できるだけ早い災害からの復旧と、事業を元の状態に戻すことが求められます。その点、感染症の場合は被害が長期間に及ぶ可能性が高いため、復旧よりも、どのレベルで事業を継続していくかを決定することが重視されます。従業員や取引先への感染リスクや社会的責任、また経営的な側面を勘案した上での事業継続レベルの判断が重要です。

設備や社会インフラよりも人的資源が失われる

建物や設備、社会インフラが損なわれる自然災害の被害に対して、感染症の場合は、主な被害が人的資源に及びます。従業員や取引先の人の健康が害されるリスクがあるほか、出社や働き方が制限されることで人材が不足するという事態も発生します。労働力不足のために、対応できる業務の範囲が狭まる可能性があります。

感染症向けBCP策定のポイント

では、感染症の被害を最小限にとどめるためには、どんな点を意識すれば良いのでしょうか。BCP策定のポイントをお伝えします。

継続・縮小させる事業の選定

早期の普及が最優先される自然災害向けのBCPとは異なり、感染症を想定したBCPでは、継続する事業や、縮小する事業を選定することが重要です。中核事業を定めた上で、感染症発生時に中核事業とその他の事業をどのくらいのレベルで継続させていくのか、決めておく必要があります。

経済産業省が2009年に定めた「新型インフルエンザ対策のための中小企業BCP策定指針」では、事業継続レベルは、次の感染症発生段階ごとに設定すべきと説明しています。

・前段階(未発生期)~第一段階(海外発生期)
・第二段階(国内発生早期)
・第三段階(感染拡大期、まん延期、回復期)
・第四段階(小康期)

第一段階まではすべての事業を通常通り行い、第二段階からは中核事業以外は休止、第三段階では中核事業も縮小するといったように、段階別にレベル設定をしていくことがポイントです。

交代勤務や在宅勤務など人員確保対策

建物や設備に被害がなく、電力などのライフラインも大きく損なわれる可能性が低い感染症拡大時において、事業継続のための対策として重要なのは人員の確保です。感染拡大を防ぎながら、中核事業を継続していくために、複数の班による交代勤務や在宅勤務を導入しましょう。また、ひとりの従業員が複数の業務をこなせるように教育しておくクロストレーニングも有効です。クロストレーニングによって、事業継続のために重要な業務に就く社員が感染しても、代わりの人員を確保できます。

長期の縮小・停止を想定した運転資金の確保

感染症を想定したBCPにおいては、長期間の事業縮小や停止に備えた運転資金を確保する対策も重要です。自然災害が原因のケースよりも、感染症の場合は縮小や停止の期間が長引きます。従業員の給与やオフィスの賃料などから運転資金を概算し、最低でも2ヵ月ほどの事業停止を想定した運転資金を確保できるよう準備しましょう。

感染症発生時のBCP発動基準の明確化

BCPをどんな事態で、どのような体制で発動するのかを決めて、文書化することも必須です。「新型インフルエンザ対策のための中小企業BCP策定指針」では、前段階から第四段階までの感染症の発生段階をBCP発動の基準にすることが推奨されています。また、BCP発動時の指示系統などの体制も明確に定めましょう。経営トップが感染した場合に備えて、代理の意思決定者を複数人決めておくとさらに安心です。

情報収集や感染防止策も徹底しよう

発生の予測や、過去の事例からの被害予想が難しい感染症。予期せぬ事態を想定したBCP策定と同時に、感染症に関する正しい情報を知っておくことも重要です。症状や感染経路などの知識や、発生時に連絡できる相談窓口、また利用できる行政の支援制度も把握しておきましょう。また、自社の事業内容に応じた感染予防対策も欠かせません。日ごろから、手洗いの徹底や来訪者管理、テレワーク体制の確保やリモート会議の実施、消毒用アルコール製剤やマスクの確保などの準備をしておきましょう。体制の整備には時間や費用もかかりますが、会社や社員を危機から守るために対策を進めることが大切です。

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参考・出典

新型インフルエンザ対策のための中小企業 BCP(事業継続計画)策定指針 │ 中小企業庁
中小企業向け新型インフルエンザ対策に関する情報提供資料のご紹介について │ 中小企業庁

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