バックオフィス業務のDX化とは|DX化が必要な背景や得られる効果、注意点などを解説

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バックオフィス業務のDX化とは|DX化が必要な背景や得られる効果、注意点などを解説

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DX化という言葉が、世間でよく聞かれるようになりました。この記事では、働き方改革についての情報を集めている方に向けて、バックオフィス業務のDX化について解説します。DX化の必要性や、バックオフィス業務のDX化により得られる効果、DX化の注意点などに触れるため、自社のDX化の参考にしてください。

バックオフィス業務をDX化するとは

バックオフィス業務の効率化は、企業にとって重要な課題です。DX化は、バックオフィス業務を効率化する手段の一つです。

バックオフィス業務とは

総務・経理・一般事務・庶務・人事・法務などの社内業務全般は、バックオフィス業務に該当します。これらの顧客と直接顔をあわせることのないバックオフィス業務は、企業の運営には欠かすことはできません。

直接利益を生み出さないバックオフィス業務では、いかに業務を効率化するかが重要です。なぜなら、効率化によりコストを削減すると、バックオフィス業務であっても企業利益に貢献できるためです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DXとは、アナログな業務のデジタル化を指すだけではありません。デジタルツールにより一部の業務がデジタル化した状態は「デジタイゼーション」または「デジタライゼーション」と呼ばれます。一方、DXでは、業務そのものが大きく変革します。

バックオフィス業務が抱えている課題の解決(効率化)にDX化が役立つ

バックオフィス業務の課題として、マンパワーに対して業務が多すぎる点、テレワークがままならない点などが挙げられます。バックオフィス業務が抱える課題の解決には、DX化が役立ちます。具体的な課題とDX化を進める方法については、のちほど詳しく解説します。

バックオフィス業務のDX化、DX戦略の必要性が注目される背景と現状

バックオフィス業務について、DX化が望まれるようになった経緯を解説します。DX化に戦略が重要である理由も解説します。

少子高齢化に伴う労働人口の減少

少子高齢化により、国内の労働人口は減少しています。総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)平均結果の要約」では、2024年以降に労働人口が減少に転じると予想されています。将来的には、現状よりも少ない人数で業務を回さなければいけません。

人口の減少による生産量の低下や、生産スピードの低下は深刻です。労働力不足をカバーするためには、業務の効率化が急務です。

日本は労働生産性が低いというデータや、海外と比べてDX化が遅れているという現実がある

ほかの先進国と比べると、日本は労働生産性が低い傾向です。一説には、同じ業務をこなす際に、日本人の要する時間は、先進国の人々の2倍程度とされています。また、日本では業務ごとの人員の割り当ても多くなりがちです。

先進国と対等にビジネスをすすめるためには、DX化により日本企業の労働生産性を高める必要があります。

DX化が進まない背景には、経営層の理解を得ることの難しさがある

バックオフィス業務にかかわる人の多くは、業務効率化を待ち望んでいるケースも少なくありません。しかし、社内体制が整わなければ、DX化を進めることは難しくなります。特に、経営層が納得しなければDX化は困難です。

企業が「2025年の崖」を克服するためにはDX化が必要との経済産業省のレポートがある

「2025年の崖」は、経済産業省の「DXレポート」内で報告されました。レガシーシステムと呼ばれる古くなったシステムや技術は、データの活用を妨げ、デジタル競争に悪影響をもたらします。2025~2030年の間に、レガシーシステムが原因で、最大で12兆円の経済損失が発生すると予想されています。

2025年の壁の克服に向けて、レガシーシステムの刷新が必要です。なお、レガシーシステムがはびこる背景には、IT人材の不足も影響しています。

コロナ禍によるバックオフィス部門のDX化を検討する企業の増加

コロナ禍により、社員に出社を控えさせる企業が続出しました。しかし、DX化が進んでいない職種や企業では、テレワークを推進したくとも社員に出社してもらわなければ、業務に対応できない現実がありました。

コロナ禍への対応は短期的な課題ではありますが、企業のDX化をより加速させると考えられます。

バックオフィス業務の抱える課題

バックオフィス業務の抱える課題について、人手不足や独特のアナログ業務、他部署の影響などに触れながら解説します。

人手不足の問題、そこから派生するその他の問題

バックオフィス業務は、コスト削減を名目に担当者が限られます。加えて、業務には専門的な知識が必要になるため、人手が欲しくてもなかなか人を補充できません。

人手不足は業務の属人化を加速させます。また、社員1人あたりの負担が増えるとヒューマンエラーのリスクが起きがちです。その上、エラーに対応が起きるとさらに業務負担が増えてしまいます。人手不足は、さまざまな課題の温床といえます。

デジタル化できず残っているアナログ業務

バックオフィス業務には、数多くのアナログ業務が残っています。たとえば、紙の書類による承認・申請、印鑑の捺印、郵送物の受け取りや発送業務などです。契約書のような取り扱いが難しい書類も、デジタル化へのハードルを引き上げています。

他部署からの問合せ対応の多さによる業務の中断

バックオフィス業務では、他部署から突発的な問合せを受けたり、トラブルへの対応を求められたりするケースが多々あります。社員が多ければ、同じような対応を何度も求められこともあるでしょう。そのような要因で自身の業務を頻繁に中断することで、業務効率が大きく低下します。

バックオフィス業務をDX化することで得られる効果

バックオフィス業務の課題は、DX化で大いに改善します。DX化がもたらす効果を解説します。

業務効率化、生産性の向上につながる

DX化で効率化できる業務は多岐にわたります。経理部門では、会計や経費精算、請求書発行を自動化可能です。人事部門でも、給与計算や人材管理、社会保険・労働保険手続などをツールやシステムで代行可能です。企業の多くの業務を効率化すると、コア業務に注力するリソースを増やせ、社内の生産性が高まります。結果、企業の成長が見込めます。

コスト削減につながる

DX化により業務が効率化した分、残業代を節約できます。バックオフィス業務にかかわっていた人への人件費も抑制できます。さらに、ペーパーレス化が定着すると、印刷費用も減らせます。

社員のモチベーションアップや、ケアレスミス削減に役立つ

DX化は、雑務や単純作業のような業務を減らせます。本来の業務に時間を割けると仕事へのモチベーションを高められ、集中して専門的な業務に取り組めます。また、ツールやシステムに業務をまかせると、ヒューマンエラーを削減可能です。

テレワーク導入など多様な働き方への対応がかなう

DX化により、多用な働き方が実現できます。クラウドサービスを導入すると、オフィス以外の場所からでも業務に取り組むことが可能です。柔軟な働き方は世間に受け入れられやすく、優秀な人材が集まりやすくなります。また、働きやすさに魅力を感じてもらえると、人材の流出も抑制できます。

バックオフィス業務のDX化を進めるための方法

バックオフィス業務の効率化には、さまざまなツールの導入が役立ちます。DX化を進めるための方法を解説します。

業務自動化ツール(RPA)を活用する

RPAとは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」を指します。RPAは定型業務を自動化できるため、バックオフィス業務との相性は抜群です。経費精算や請求書の発行などのルーティン作業はRPAにより効率化でき、ミスも防げます。また、AIを搭載したRPAは、より高度な業務に活用できます。

AIやチャットボットを活用する

AIを導入すると、これまで担当者の経験に頼りがちであった業務を効率化できます。帳簿の仕訳のような微妙なさじ加減が求められる業務にも、AIの学習機能を使えば対応可能です。

また、チャットボットは、社員からの問合せに自動的に回答して担当者の負担を減らします。このように、AIやチャットボットを活用すると、テレワークの推進や業務量の削減が見込めます。

ペーパーレス化を進める

バックオフィス業務では、多くの「紙」を取り扱います。紙をデータに変えると、必要な情報をすぐに検索できる、紛失のリスクを減らせるなどして業務が効率化します。

2020年10月から「電子帳簿保存法」が改正され、請求書・領収書などのペーパーレス化も可能になりました。より一層の利便性を求めて、ペーパーレス化を進めましょう。

クラウドサービスを導入する

クラウドサービスとは、アプリケーションをオンラインで利用する仕組みです。クラウドサービスは自社サーバーを利用しないため、テレワークに有利です。勤怠管理や経理業務などの効率化が見込め、情報伝達もスピードアップします。

以前はクラウドサービスはセキュリティ面が懸念されていたこともありましたが、近年は改善が進んでいます。

DX化に役立つツールやサービスを導入する際のポイント

DX化に役立つツールやサービスはたくさんあります。導入効果を十分に得るためには、ポイントを押さえて選びましょう。

現状の課題を明確にし、効率化すべき業務を特定してから自社に適したものを選ぶ

業務内容や作業工数を明確にしたのちに、効率化する業務を決めてください。業務によっては、ツールやサービスの導入に不向きな場合があります。たとえば、負担が大きいとしても発生頻度が低い業務は、効率化の恩恵を感じにくい可能性があります。負担が大きく、さらに日常的に対応が必要な業務を見つけ、ツールやサービスを導入しましょう。

ツールやサービスの選定は企業のルールや体制に沿って行う必要がある

ツールやサービスを選定する際は、各部門の担当者の意見を取り入れましょう。特に、よく使うツールとの互換性がないものを導入すると、かえってバックオフィス業務の負担を増やしかねません。取り扱うデータの量や作業内容を理解し、マッチするツールやサービスを選んでください。

誰もが使いやすいツール・システムを選ぶ

ツールやシステムを日常的に業務で活用するためには、操作性が重要です。多機能なツールやシステムを導入したとしても、使いにくければ宝の持ち腐れになってしまいます。また、ツールやシステムの導入・運用には、トラブルがつきものです。サポートの手厚さも確認してください。

バックオフィスのDX化を進めるうえで必要な注意点

バックオフィスのDX化は、瞬時にできるものではありません。じっくりと状況をみて進めましょう。コストにも注意する必要があります。

バックオフィスのDX化には時間がかかることを理解したうえで進める

バックオフィス業務が効率化するためには、経営陣の承認から始まり、ツールやシステムの選定、導入、運用、システムの定着まで長期間を要します。また、運用して不具合が見つかれば改善を試みなければなりません。

ツールやシステムをしっかり定着させるためには、計画的な導入が重要です。繁忙期は避け、社員の時間と気持ちに余裕のある時期にDX化に取り組みましょう。

自社の課題に合わせて進める

企業が変われば、課題も変わります。課題を明確化するためには、業務プロセス全体の見直しが必要です。形式的な業務がみつかれば、丸ごと省くことも検討できます。また、課題が複数ある場合は、優先順位を決めて対処しましょう。理想的なビジネスモデルと比べると、導入すべきツールやシステムが見つかりやすくなります。

ツールやサービス導入時のコストや月額費用の発生等に注意し導入を検討する

クラウドサービスなどを導入すると、初期費用や運用費用が気になるかもしれません。ただし、DX化によりコスト削減が可能です。コストについては総合的に判断しましょう。

むしろ、レガシーシステムの改修や刷新をしなければ、既存システムの維持費がかさんだり、蓄積したデータを活用できなくなったりというリスクが懸念されます。

バックオフィス業務のDX化を行った企業の事例

バックオフィス業務のDX化に成功した企業の事例について、課題や導入内容、効果をまじえて紹介します。

「経理業務のデジタル化」で70%以上の業務削減を達成した企業の事例

マンション・アパート等の建物管理業と不動産仲介業を営む神奈川中央住宅株式会社は、人手不足による業務停滞を解決すべく、経理業務のDX化に踏み切りました。

不動産業界は紙を取り扱う業務が多い傾向です。同社は、請求書関連の業務であれば、比較的簡単にペーパーレス化ができると判断しました。請求書関連の入力業務は、ツールの導入後に74%も削減されました。

RPAと連携した業務改革により、月末の経理業務を80%以上削減した企業の事例

株式会社ノリタケカンパニーリミテドは、セラミックスの技術をベースに様々な事業を展開しています。同社は、膨大な請求書の入力作業を効率化するために、AIを搭載したRPAを導入しました。

RPAは請求書情報を自動でデータ化して、入力作業を丸ごと削減しました。ツールの導入後、月末の経理業務の80%以上が効率化しています。

請求データの一元管理で、請求業務の「工数削減」と「テレワーク」を可能にした企業の事例

有限会社エクサスは、エレクトロニクス事業をはじめとして、あらゆる事業を幅広く手掛けています。同社の課題は、請求データにかかわる情報連携です。連携不足で請求書の発行漏れが起きるたびに、月末に残業時間がかさんでいました。

課題の解決に向けて、同社は請求データを一元管理するシステムを導入しました。システムが請求書の発行漏れを防ぎ、月末の残業が大幅に削減されています。

まとめ

バックオフィス業務をDX化すると、業務効率化やコスト削減、社員のモチベーションアップやケアレスミス削減などが可能になります。DX化に役立つツールやサービスは、自社の課題を明確にしたうえで、現場目線で選びましょう。

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参考・出典

この記事を書いた人

リコージャパン株式会社
リコージャパンは、SDGsを経営の中心に据え、事業活動を通じた社会課題解決を目指しています。
新しい生活様式や働き方に対応したデジタルサービスを提供することで、お客様の経営課題の解決や企業価値の向上に貢献。
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