知りたい!AI×クラウドでできること

From: 働き方改革ラボ

2020年02月07日 07:00

この記事に書いてあること

労働力人口が年々減り、特に中小企業にとっては、新たな人材獲得が難しいのが現状。人材不足の中、仕事の生産性を上げて、限られた人材でも高い成果を出せる組織を作ることが急務です。また、社員の長時間労働や過重労働に頼らざるを得ない状況が、優秀な人材が離れてしまうというリスクにつながることも。労働環境の改善によって、社員が生き生きと活躍できる職場になることも重要です。そこで今回は、業務の効率化を進める上で有効なAIやクラウドの活用について、そのメリットをご紹介します。

人手不足の問題を解消するAIとクラウド

人手不足が深刻化する中、高齢者や女性などの潜在的な労働力を確保する動きが政府による取り組みも含めて活性化しています。それでも、将来的に日本の労働力は、減少の一途をたどるといわれています。

この課題に対処するために必要なのは、仕事の生産性を上げることで、社員の過重労働に頼らずに成長する組織となること。さらには、柔軟な働き方ができる職場環境を作り、会社を長きにわたって支えてくれる人材を確保することも大切です。その実現をサポートするのが、業務を効率化する最新のIT技術です。

世界では、ビジネスへのAI・IoT の活用が普及しています。総務省が発行した平成30年の情報通信白書のデータによると、IoT デバイスの数は、2020年に約400億になると予測。また日本企業の中でICTによる生産性向上の方策を実施している企業と、していない企業を分けて、その生産性の伸び率の平均値を比較。すると、ICT施策を実施した企業は「業務プロセスの効率化」において2.5倍の生産性向上を実現していました。その一方で、日本は国際的に見ても、AI・IoTを含めたICT導入率が低いというデータもあります。

生産性を高めるクラウド導入のメリット

人手不足の課題を解決する方法のひとつが、クラウドサービスの活用です。グローバルにおいては、企業間取引においてクラウド化・電子化が普及しています。日本でも電子化は進みつつありますが、アメリカなどの海外と比べて、受発注業務のクラウド化の導入率は低いのが現状です。請求書など、紙の伝票で取引を行う習慣がまだ残っているため、人の手による確認や集計などの業務が、働く人の負担を増やしているケースもあります。

労働力不足の問題や働き方改革の面で、企業間取引などの業務をクラウド化することで得られるメリットは、以下が挙げられます。

どこからでも情報へのアクセスや作業が可能になるため、場所を選ばない柔軟な働き方が実現します。在宅勤務やサテライトオフィス勤務の人でも作業を担えるため、勤務形態の幅が広がり、労働力確保にもつながります。

また、社内にサーバーを置いて運用するオンプレミスの場合にかかっている、容量の追加や機能の拡張などの手間と費用が抑えられます。

そのほか、クラウドサービスはユーザーが直感的に使える設計で作られているため、ひとつひとつの作業の時短につながり、仕事の生産性が上がることもメリットと言えるでしょう。

総務省が行った平成30年通信利用動向調査によると、クラウドサービスを利用している日本企業は、平成30年の時点で58.7%。主に、ファイル保管やデータ共有、社内ポータルなどの目的で利用されています。また、クラウドサービス利用企業のうち82.3%が、業務上効果があったと回答。ただ、社内の情報管理やスケジュール管理といった用途にとどまるケースが多く、まだ活用の余地があるといえます。

人の働き方を変える!AIのメリットとは

働き手の不足という課題を打破する方法として有効なのが、AI(人工知能)の活用です。人工知能と聞くと「人間の仕事を奪う」とイメージする人もいるかもしれませんが、AIは、働く人の負担を軽減して、労働環境を改善します。うまく活用することで、AIが人を助けてくれる存在になるのです。

任せられる業務はAIで自動化することで、人は、本当にやるべき仕事に集中できます。正確性が必要な照合や、学習させることで代行が可能な作業はAIに任せて、人は、企画立案や業務のモニタリングといった経営上重要な仕事に注力できます。結果として、組織全体の労働生産性が上がるのです。

AIは、会計業務など身近な業務でも活用が可能です。たとえば、見積もりから注文、請求、支払いという一連の会計業務に関する情報を電子化することで、AIが取引プロセスを学習。それまでマニュアルを使って人が行っていた、注文内容と請求書の内容の照合などをAIが代行できます。正確な照合が可能なだけでなく、業務自動化によって人の労働時間削減も見込めます。

AI×クラウド×人で労働環境が改善

AIとクラウドを掛け合わせることによって、人の働き方が大きく変わります。たとえば、人の手をかける部分が多く、月末に作業が集中して働く人に負担を強いていた請求関連業務も、AIとクラウドの活用で大幅に作業量の削減ができます。スキャンした紙の請求書を、AIがテキスト化することで手間のかかる入力作業を省けます。さらに、それをクラウドサービスで管理・運用することで、関係する部署間で的確に業務を割り振り、効率的に仕事を進めることができます。

確認作業や入力作業の大部分が削減できるだけでなく、クラウドにはどこからでもアクセスが可能なため、これまで請求関連業務に携われなかった在宅勤務者にも、仕事を割り振ることができます。人員を新たに増やすことなく今いる人材を十分に活用することで、特定の部署や担当者への業務の偏りを防ぎ、労働環境を改善します。

AI×クラウドで人材にとっても魅力ある会社に

労働力確保の観点から政府も推進しているのが、在宅勤務やサテライトオフィス勤務などのテレワーク。テレワークを導入すれば、介護中や育児中など私生活の事情によりフルタイムで働けない人や、居住地の問題からオフィスへの出勤が困難な人といった人材を活用できます。

AI×クラウドの活用は、テレワークの導入や利用拡大にもつながります。オフィスへ出勤するという一択ではなく、多様な場所・働き方を選んで活躍できる職場環境を作ることで、眠っている労働力を掘り起こすことができます。また、多様な働き方を認める「働きやすく、魅力ある会社」となることで、優秀な人材を引き付けるという長期的なメリットも期待できます。スマートな働き方で成果を出す会社になるために、クラウドやAIの活用を進めてみてはいかがでしょうか。

記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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