採用ブランディングとは?いま注目のジョブ・ディスクリプションで優秀な人材を確保する方法

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働き手が不足し、多くの応募者の中から自社に合った人材を探すという従来のスタイルでは優秀な人材を採用しにくくなっている今、採用ブランディングの手法が注目されています。

この採用ブランディングについて、導入の手順と注意点、そして採用ブランディングの中でも注目され始めている「ジョブ・ディスクリプション」について解説します。

※2019年10月公開記事を更新しました

採用ブランディングとは?

採用ブランディングとは、採用活動にブランディングの考え方を取り入れた手法のことです。マーケティングのひとつであるブランディングは、企業や価値のブランドを設定してユーザーに認知させ、価値を高めていくこと。採用ブランディングは、就職や転職で求職している人に向けて自社をブランド化することで、採用を成功へ導くことです。

具体的には、企業が求める人材を獲得するというゴールのために、応募者にとって魅力ある理念や社風、また入社することで得られるメリットなどを伝えて、応募への意欲を高めます。

採用ブランディングのメリット

採用ブランディングを行うことで、採用活動や企業によって以下のようなメリットが期待できます。

①求める人材像にマッチした採用をしやすくなる

採用ブランディングを行うことで、会社の理念や社風、また会社が求める人物像を、求職中の人材に正しく伝えることができます。募集の目的や会社の理念、事業内容への理解を深めた人の応募が増えるため、求める人材にマッチした人を採用しやすくなります。

②人材の定着

採用ブランディングは、入社した人材の定着にもつながります。応募前や選考の過程で会社への理解を深めることで、入社後に社員が仕事への違和感や不満を覚えるといったミスマッチも防げるため、離職率の低下も期待できます。

③社員のモチベーションアップ

求職者向けに自社のブランディングを行うことは、社内にもよい影響を与えます。社外へ発信する情報に触れた社員たちが、自社の魅力や価値を再確認できます。社員の仕事へのモチベーションアップや、帰属意識の向上などの効果も見込めます。

採用ブランディングの4ステップ

では、採用ブランディングの取り組みは、具体的にどのような手順で行うべきなのでしょうか。採用ブランディングで重要なのは、誰に、何を、どのように伝えるかという戦略を立てたうえで、情報を的確に発信していくこと。採用ブランディングの4ステップについてご説明します。

ステップ1:ターゲットとゴールを設定

採用マーケティングの第一歩は、ターゲットである採用したい人物像を明確にすることです。採用活動の目的や、募集によって強化したい部分を改めて確認した上で、採用したい人材のスキルや特性を設定しましょう。

また、採用マーケティングによって達成したいゴールを決めることも必要です。採用したい人数や、将来的に離職率を下げたいといった目的を明確化することで、より具体的な取り組みやメッセージを定めていくことができます。

ステップ2:自社の強みや価値を確認

次に、自社が求職者にアピールできる強みや価値を確認します。まずは、企業理念やビジョンを求職者に伝えるため、社会貢献への思いや事業で実現したいことを、わかりやすい表現に置き換えましょう。また、成長できる場所であること、風通しがよく人間関係がよいなど、働き方や社風の面での強みも確認しましょう。働き方改革が進んでいてワークライフバランスを実現できるといった価値も、求職者へアピールできる強みのひとつです。

また、採用活動において、時には社内にいないタイプの人材を募集したいこともあります。そのようなケースには、求める人材に魅力としてアピールできるような自社の側面を切り取って提示したり、将来的に目指すべき姿を示すなどして、社外へ伝えていくことも必要です。

ステップ3:求職者のニーズとズレを確認

次に、採用活動で獲得したい人材が求めている会社の姿と、自社の現状を照らし合わせてズレがないか確認しましょう。成長意欲のある人材を獲得したいけれども社内に裁量を与える風土がない、プライベートも充実させたいと願う層に自社をアピールしたいけれども、現実は長時間労働の実態があるなど、求職者が理想とする働き方と自社の間に差異がある場合は、求職者が好むイメージに近づけるために社内を変える施策も必要です。

また、求職者が持っている自社のイメージが、実態とは異なるケースもあります。年功序列の習慣が残るというイメージを持たれているけれども、実際は若い世代が活躍しているなど、世間の認識と事実が異なる場合は、誤解を解消するための戦略を立てましょう。

ステップ4:ターゲットに伝えたいメッセージを設定

ターゲットにとって魅力のある自社の強みを確認できたら、そのイメージを印象付けるための具体的なメッセージを設定しましょう。採用したい人材に強くアピールしたいことを言葉にしていきます。メッセージを設定するときは、ターゲットから見て魅力的に感じるかどうかという観点が最も重要です。

採用ブランディング導入時の注意点

企業が優秀な人材を獲得するためには採用ブランディング活動が重要になってきていますが、反面注意するべき点もあります。

優秀な人材獲得のための採用ブランディングを成功させるためにも、注意点を理解し、運用できる体制を整えていきましょう。

会社全体で取り組むことが必要

採用ブランディングで発信する情報やメッセージには、会社内の本当の姿を映し出す必要があります。そのため、採用者に向けた発信ためだけに情報を作り出すのではなく、会社全体で意識や価値観を統一し、理想的な労働環境を作り上げていく必要があります。

もちろん魅力的な労働環境を作り上げていくためには、社員一丸での持続的な取り組みが必要不可欠になるため、まずは社内の認識を高めるところから始める必要があります。

効果が出るまでに時間を要する

会社全体で魅力的な労働環境を作り上げた上で、採用ブランディングとして情報発信をする必要があります。企業としての認知度アップや、企業ブランディングの浸透、応募者への訴求など、採用ブランディングの効果が出るまでに平均で2〜3年程度かかると言われています。

長期的に一貫した取り組みが求められる

商品のブランドイメージと同様に、採用ブランディングは5年後、10年後を見据えた長期的な取り組みとして運用するべき手法です。自社の採用に向けたメッセージの配信を継続し続け、より多くの求職者に対して深いブランドイメージを定着させていくことが求められます。

もちろん施策として取り組んだ結果の効果検証をすることも重要ですが、企業理念や発信するメッセージがその年によって大きく異なると、ブランドイメージが低下する可能性もあります。大切なことは最新の自社の状況をアップデートしながらも、自社のブランドイメージは一貫して発信する取り組みを継続することです。

採用ブランディングの中で重要度が高まるジョブ・ディスクリプション

優秀な人材を確保するために採用ブランディングに力を入れる企業が増えてきていますが、その中でも特に重要度が高まりつつあるのが「ジョブ・ディスクリプション」です。「ジョブ・ディスクリプション」とは何か、重要度が高まった背景などを解説していきます。

ジョブ・ディスクリプションとは?

ジョブ・ディスクリプションとは、日本語で「職務記述書」のことです。担当する業務内容や範囲、難易度、必要なスキルなどがまとめられた書類のことで、アメリカを中心に求職の際や人事評価の際に使用されることが多いものです。

日本では転職の際に書面で示される職務権限範囲を、より広い範囲で詳細にわたってまとめた個人資料のようなイメージに近いでしょう。業務上必要とされるスキルや求められている成果などを担当する職務ごとに明確化させることで、職務にあった人材の採用や、能力・成果に応じた適正な待遇の決定など、採用活動で大きな効果が期待されています。

ジョブ・ディスクリプションが求められるようになった背景

ジョブ・ディスクリプションは職務に見合った人材を雇用する「ジョブ型雇用」を採用しているアメリカなどの職場で活用されてきました。一方日本の雇用は先に人を採用し、そこに職務を当てはめる「メンバーシップ型雇用」で組織を作ってきたため、ジョブ型雇用で採用されるジョブ・ディスクリプションを活用した採用活動は日本では浸透していませんでした。

しかし近年になってメンバーシップ型雇用にかわって、ジョブ型雇用に切り替える日本が増えてきたこともあり、ジョブ・ディスクリプションを採用活動の中で活用されるケースが出てきています。その背景として、3つの要因が考えられています。

①働き方改革によるワークスタイルの多様化

2019年の働き方改革関連法の施行によって、従業員の状況に合わせて柔軟で多様なワークスタイルの導入が浸透しました。特に2020年の新型コロナウィルスの流行によって、在宅勤務や遠方からのテレワークも多くの企業で一般的なものとなり、育児や介護、健康上の理由から毎日オフィスに通勤することが難しい人でも、自分の環境に合わせて働くことができるようになりました。

この結果として、従来までのメンバーシップ型の業務評価制度では多様なワークスタイルへの変化に対応しきれなくなり、業務内容を具体的に定めて評価をするジョブ型雇用のジョブ・ディスクリプションを取り入れた採用活動を実施する企業が増え始めました。

③従業員のモチベーション向上施策として

従来までのメンバーシップ型雇用の人事評価制度では、具体的な目標や役割が設定されておらず、評価が曖昧で、従業員の不公平感が高まるケースが多くありました。しかし対象ポジションに求められる役割や目標を明確にしたジョブ・ディスクリプションを導入することで、客観的な判断を元にした人事評価をしやすくなり、評価の公平性も高めることができ、結果として従業員のモチベーションの向上の取り組みとして取り入れられるケースが増えてきました。

②採用におけるミスマッチを防ぐため

ジョブ・ディスクリプションで業務のミッションや責任範囲を明確にするため、採用時に企業が求めるスキルを持った人材と応募者のニーズのミスマッチを減らすことができるようなりました。

ジョブ・ディスクリプションには会社組織の紹介や、職務に関する指示系統、報酬や待遇などについても記載があります。こうすることで、応募者が実際の職務イメージを想起できるようになるため、応募者と企業のマッチ度合いの向上や、早期退職の抑制効果を期待ができるようになりました。

採用ブランディングを高めるジョブ・ディクリプションの作成方法

働き方改革によるワークスタイルの多様化によって、導入されるケースが増えてきたジョブ・ディスクリプション。より効率的に効果を高めてジョブ・ディスクリプションを活用するためにはどのような点に着目して作成するべきなのでしょうか?

今回は採用ブランディングを高めるジョブ・ディスクリプションという観点で、記載に必要な項目を解説していきます。

①職務等級・職種・職務名・会社概要

ジョブ・ディスクリプションを作成する際に、まず必要になる項目が採用後に与えられる職務に関する項目と、会社概要です。

職務等級

「職務等級」は従業員や応募者の能力を数段階で区分し、一般従業員や管理職などの職務等級を記載します。

職種・職務名

「職種」には従業員や応募者が担うべき役割である「営業」や「マーケティング」などの部門を分類し、「職務名」にはその部門の中で担当するより詳細なポジション名を記載します。

会社概要

会社概要には応募者が業務内容をより具体的にイメージしやすいように、企業の歴史や、どのようなサービスや価値を生んでいるのか、社会に対してどのように貢献しているのかなどを簡潔にアピールすると良いでしょう。

②職務概要・具体的な職務内容・職務内容の比重

次に採用後に担当することになる職務の概要や具体的な内容を記載し、企業が求めている業務内容と応募者のニーズに乖離がないか確認できるようにします。

職務概要・具体的な職務内容

「職務概要」と「具体的な職務内容」では、前述の職務等級や職務で記載した役職での具体的な仕事内容や目的を記載します。ここでは応募者が職務内容を具体的なイメージとして持ちやすいように、仕事上の関係者や日々の業務内容を具体的に記載すると良いでしょう。

職務内容の比重

「職務内容の比重」は、業務で実際に行う頻度や業務時間など実務にかかる工数を記述したものです。特に「優先度」や「重要度」、「頻度」を項目ごとに数値化して記載することで、より具体的な業務イメージとして持つことができるようになります。

③期待される目標・ミッション

業務を効率化するためには、企業と従業員の共通のミッションや目標が一致している必要があります。応募者に対しても職務を実行する上での売上や件数、時間などの数値化できる目標を共有することで、企業と応募者の認識のずれを防ぎ、入社の早い段階から効率的に業務に取り組むことができるようになります。

④雇用形態・勤務地・勤務時間・時間外手当支給の有無

もちろん雇用契約を結ぶ上で基本的な項目となる雇用形態や勤務地、勤務時間や時間外労働に関する規約についてもしっかりと記載する必要があります。

⑤必要とされる知識・スキル・資格・学歴

雇用形態や勤務地などと並んで、業務に必要とされる知識やスキル、資格や学歴、などの応募者に求められる能力についての記載も欠かせません。

⑥待遇・福利厚生

最後にジョブ・ディスクリプションに欠かせない項目が「待遇」と「福利厚生」です。

待遇

ジョブ・ディスクリプションに記載する待遇には、基本的な給与面の記載はもちろんですが、長く務めることによってどのような給与テーブルや昇進が待っているのかを完結に伝えることで、応募書にとっても自分の具体的なキャリアデザインを想起しやすくなり、モチベーションの向上にも繋がります。

福利厚生

給与面の待遇に並んで応募者のモチベーション向上に繋がりやすいのが福利厚生に関する情報です。福利厚生には社会保険や厚生年金保険などの法定福利厚生と、企業が独自に導入する社員食堂や住宅手当を始めとする各種手当。代行サービスを利用して導入している旅行やレジャー、財形貯蓄制度などの財産に関する取り組みがあります。福利厚生は応募者のモチベーションにも大きく影響する部分のため、導入している制度があれば記載すると良いでしょう。

人材のニーズにイメージを近づける施策も必要

採用ブランディングで重要なのは、マーケティングのブランディングと同様、ターゲットのニーズを把握して、ターゲットの目線に立った戦略を立てることです。特に近年ではSNSやインターネットで情報を発信するだけでなく、企業が求めるスキルを持った人材と応募者の職務内容に関するニーズのギャップを作らないためのジョブ・ディスクリプションを積極的に作成する取り組みが盛んになってきています。

求職者にとって魅力があるのかという視点で自社を見つめなおし、長期的な目線でブランディングをしていくことが、人材に長く活躍してもらうことにつながっていくのです。

ただ、採用ブランディングにおいては、ターゲットのニーズと自社の実態が違う場合、ターゲットのニーズに合致するように社風や働き方を変えていくことが必要なこともあります。求職者にとって魅力があるかという視点で自社を見つめなおし、長期的な目線でブランディングしていくことが、人材に長く活躍してもらうことに繋がるのです。

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この記事を書いた人

リコージャパン株式会社
リコージャパンは、SDGsを経営の中心に据え、事業活動を通じた社会課題解決を目指しています。
新しい生活様式や働き方に対応したデジタルサービスを提供することで、お客様の経営課題の解決や企業価値の向上に貢献。
オフィスだけでなく現場や在宅、企業間取引における業務ワークフローの自動化・省力化により、“はたらく”を変革してまいります。

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