本質に切り込む!いまさら聞けないペーパーレスとは?

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ペーパーレスとはなにか?その歩みと本質を解説

ペーパーレス化、進んでる?

これまで紙で運用してきたいわゆる"書類"を電子的なデータに切り替えることにより、紙を使用しないものとする「ペーパーレス」。ペーパーレス化が定着している企業もある一方、取り組みのハードルの高さから紙媒体を捨てることができず、無駄な書類に埋もれるオフィスも少なくありません。

しかし、"働き方改革"に取り組む企業にとって、生産性の向上や、テレワークなどの柔軟な働き方とは実は切っても切り離せない密接な関係にあり、ペーパーレスは再び注目を集めているテーマでもあります。

そこで今回は、あらためて「ペーパーレス」について、基本的な意味をおさえ、課題と現状、今後の展望まで考えていくこととしましょう。

ペーパーレスの歩み

「ペーパーレス(Paperless)」とは、その名の通り、"paper(紙)"を"less(より少なく)"していくことであり、紙媒体でやりとりしていた文書や資料、データを電子化し、ネットワーク上において、紙の利用を最小限にしていくことです。

広義では書籍から電子書籍へ、紙のチケットから電子チケットへ、切符からICカードへといった変化も含まれます。しかし一般的には主に企業や官庁などで、紙で管理・運用していた資料をデジタル文書化。さらにそれをコンピュータシステムを活用した閲覧や操作に移行させることで、情報共有の円滑化や業務効率化、保管・管理の合理化、紙資源の消費削減・コスト削減などを図る取り組み全般として、言われることが多いでしょう。

人間は古来、粘土や皮、木などに文字を刻み記してきました。その後、1455年にグーテンベルクが活版印刷の技術を発明すると紙のニーズが急増、今日までさまざまな印刷物が文化・文明を支えてきた歴史があります。

ペーパーレスというとごく最近の言葉のようですが、意外にその歴史は古く第1の波は1970年中頃に生まれました。米ゼロックスによるコンピュータ「ALTO」開発などをきっかけに、デバイスの開発が加速、電子メールも登場して紙資料一択だった時代に変化が訪れます。

その後ワープロ専用機が普及。パソコン向けワープロソフトがオフィスに導入されてきた1990年中頃に第2の波がみられました。当時のエコブームも背景に、資源の無駄使いをやめようという掛け声のもと、ペーパーレスの言葉が最も広がった時期でもあったでしょう。

そして2010年代になり、高速インターネット環境の充実と無線LANの普及、大容量のネットストレージ、クラウドサービス、仮想化技術、ドキュメントスキャナーの普及にスマートデバイスが広がっていきます。このようなさまざまな電子環境が比較的低コストで整うようになったことから、第3の波がやってきたのです。

しかし、こうしたペーパーレスの波が繰り返し訪れながらも、多機能なコピー機やプリンター機の普及などで印刷が手軽になり、オフィスの紙利用は減少するどころか増え続ける傾向も一方で進み続けます。日本国内でも、2007年頃まで1人あたりの紙・板紙消費量は増え続けていました。
現在や今後の見通しでも、増加にはかろうじてストップがかかっている程度。IT化ほどに進行することはなく、紙の使用量は横ばいから微減といった企業が多く、ペーパーレス化に失敗するケースも少なくないと報告されています。

ペーパーレスのメリット!

では、ペーパーレス化を現場で実践するにあたってのメリットとデメリットについて整理してみましょう。基本的なメリットでは、まず紙と印刷消耗品を節約できる環境負荷の軽減とコストの削減が挙げられます。紙媒体の保管には、物理的に大きなスペースを必要としますから、デジタル化によりオフィスの省スペース化が図られその分のスペースコスト削減も望めるでしょう。

また、デジタル化された紙資料の内容情報には、いつでもどこでも、欲しいときに欲しい端末からアクセスできます。その結果、携帯性や検索性が向上し、業務の効率化が実現できるメリットも大きなものとなります。決済や承認を伴うプロセスや経営判断も迅速かつスムーズに、時間や場所を問わず実行可能で、ビジネスに有利な働きをするでしょう。

情報の管理・検索が行いやすくなる、一括で処理できるようになることは、仕事を容易にするだけでなくセキュリティ面の強化にもつながります。

会社全体としては、こうしたメリットが挙げられますが、一個人でみるならば、紙資料があふれるデスクから解放される、整理の手間が省けるという点が最大のメリットかもしれません。資料探しに時間をとられていては、仕事も効率よく進められません。

プレゼンの資料を作成しても、紙媒体の場合、必要数を毎回印刷しなければなりません。変更が加わればまた印刷、まとめといった作業が必要になります。しかしデジタルデータで扱えば、いつでも気づいた変更点を反映させて手軽に編集でき、本番も直接パソコンやプロジェクターに表示させれば簡単です。ホワイトボードに書き出したアイデアなども、ボードやペンの機能で自動電子化して取り込んだり、スマートフォンで撮影し画像によって共有したりすることで、紙の資料を作成して配布するといった手間がなくなりました。

名刺交換や社内外とのコミュニケーションも、チャットツールやメッセンジャー機能で、タイムリーに、スムーズに行いやすくなっています。手紙のように書いて送付する手間は、いまやかけられるものではないでしょう。

ペーパーレスにはデメリットも?

一方で、ペーパーレス化にはデメリットもあります。電子文書法という法律で、電子保存が認められる対象文書と認められない対象外文書が規定されており、対象外文書の場合は紙媒体での保存を行わなければなりません。正式な提出書類は紙で、という文化もまだまだ根強くあります。こうした中での使い分け判断が難しくなった点はデメリットといえます。

また、ディスプレイ資料は紙に比べると視認性に劣る部分があり、見づらさや作業への集中のしにくさなどが発生することがあります。また、起動や呼び出しに時間がかかると、気軽にメモを取りづらく、やはり紙の方が便利と感じることもあるでしょう。柔軟なスケッチのような書き込みでは、とくに紙が優れています。さらに電子化されたデータの場合、システム障害によって大きな影響を被る点もデメリットです。

個々の実感では、データで配付した資料も結局プリントアウトして利用している上司が多い、読んだりチェックしたりできない古い感覚の人も多いために紙に頼りがちというケースもあるのではないでしょうか。画面表示ではカバーしきれない利便性がまだ紙には存在する、そのことは個人差がありつつも否定できない状況があるでしょう。

ペーパーレスなデジタル化を全般的に望んでいても、組織の指示や企業体質・業界の慣習・社会的な信頼性といった観点から、紙が求められることが多く、技術的には可能でもデータ化できないというケースも依然として多くあります。また、デジタル化を図る方がかえって説明や新たなフォーマットの導入、すり合わせを行わなくてはならず、二度手間になったり新規に行うべき作業が増えたりしてしまうことを煩わしく感じている方もあるのではないでしょうか。

決まった書式の紙で提出というルールで、はんこをもらわなければ何事も前に進まないといったシーンも少なくありません。これらどうにもできない状況のはざまにあって、結局、紙やメモが現場にはあふれている、この現状はそうそう簡単には変えられないと感じられているかもしれません。

ペーパーレス化の成功事例

こうした現場の実際とテクノロジーのズレから、さまざまな困難もありますが、ペーパーレス化を推進して成果をあげている企業・団体もあります。2つの例を紹介しましょう。

野村総合研究所では、紙にとらわれない働き方をするというノンペーパーの取り組みを実施、業務の生産性向上を目指しました。それまでは紙の資料が山積するオフィスで、社員の多くが紙の使用量にも無頓着な状況だったそうですが、社長の「ノンペーパー会議」、「共有資料の電子化と個人資料の廃棄」、「本部キャビネットの70%削減」などを掲げる指示で、本格的な取り組みがスタートしたそうです。

特徴的なのは、ただ紙を使わない、なくすというのではなく、現場のために紙にとらわれない働き方、生産性の高いノンペーパーのワークスタイルを構築するために実行するのだという意識の定着に努めた点です。これにより高いモチベーションを維持して活動を推進、整理整頓と会議の効率化、質の向上、スムーズな情報共有にオフィス環境の美化、柔軟な働き方の実現が可能となったほか、コストの削減も図れ、キャビネットの集約で空いたスペースをミーティングルームと改変するなど、大きな効果が得られたと報告されています。

長野県長野市では、会議資料に膨大な紙が使われ、多大な準備の手間とコストがかかっていたことから、ICTによるペーパーレス会議を導入、省力化と省コスト化を目指しました。以前から電子化に積極的だった同市ですが、さらに紙媒体の資料配付を禁止した会議としたり、文書を作成時点から画面で見ることを意識して作り、ポイントを絞って伝わりやすくしたりと工夫を施しました。また、運用ルールを明確にすることで、印刷費用にして300万円を削減することができたそうです。会議準備にかかる時間も約6分の1にまで短縮でき、作業効率もアップ、会議用パソコンで表示した資料は持ち帰り不可にしたことから、情報漏洩のリスクも低減できています。

今後の流れ、紙媒体の利便性を活かしたレスペーパー

ペーパーレス化の成功を支援するソリューションやデバイス・サービスなどは、多種多様なものが提供されるようになってきました。そのため、現場に応じて導入しやすいものを選ぶことができます。書類の整理から電子化、データ保存など、基本となる環境整備をすべてワンストップで代行してくれる業者もあり、こうしたサービスを活用すれば、スムーズなペーパーレス化が実現できるかもしれません。

IT機器に不慣れでも直感的に使いこなせ、多機能で会議そのものを改善してくれるようなペーパーレス会議システムや、文書の電子化を支援するデジタル複合機もあります。こうした最新のテクノロジーを活かしたソリューションは、今後、あなたの身近な環境におけるペーパーレスを進めていくかもしれません。

ただ紙をなくすことを目的にするのではなく、生産性を上げるために適切な媒体を選択することで自然と紙を減らすことが今後のペーパーレスの姿となりそうです。

テクノロジーの進化に伴い「紙ではできない利便性」の発見により、自然とペーパーレスが広がっていくでしょう。そうした環境と風土が生産性を向上させ、新たな働き方を支えていくものとなるのではないでしょうか。

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