ペーパーレス化を失敗させないために~成功のポイントと役立ちツール

From: 働き方改革ラボ

2018年09月10日 07:00

この記事に書いてあること

コスト削減やセキュリティ対策などの面でさまざまなメリットがあり、これまで多くの企業が取り組んできたペーパーレス化。テレワークを導入する場合にも、ペーパーレス化は前提条件となってきます。 一方で、推進しているにもかかわらず思うように進んでいないという事例も多いようです。 そこで今回は、ペーパーレス化を実現するにあたって何が原因で躓いてしまうのか、失敗を避けるにはどのように進めていけばよいのか、どんな機器やシステムが必要になるのかなど、具体的なアプローチの方法を含めて解説します。

多くの企業がペーパーレスで躓く理由

ペーパーレス化の成功例は意外に少なく、せっかく専用のシステムを導入したにも関わらず思うような効果が出なかったり、管理が煩雑になってしまったりと失敗例が後を絶ちません。 失敗の理由を見ていくと、最も多く挙げられるのが「紙から電子への移行に慣れない」というものです。 紙であれば大判1枚に収めて表示したり、机上に並べて見比べることができる情報が、PCやタブレットの限られた画面では分割表示(あるいは極端な縮小表示)にせざるを得ないケースが出てきます。また書き込みも、紙に比べると自由さは制限されてしまいます。 もうひとつ大きな失敗の理由となっているのがユーザーの理解不足です。 書類を電子データ化したものの、ユーザーが電子デバイスの使い方をよくわかっておらず、必要な資料を探し出せなかったり、やりとりに時間がかかったりしてしまい、かえって紙の文書より業務の効率が悪くなる場合があります。新しいシステムに慣れるまでの扱いにくさが、ペーパーレス化に対してユーザーが忌避感を抱く原因となり、さらなる生産性の悪化を招いてしまうのです。 また、無計画にペーパーレス化を進めようとしたり、ペーパーレス化そのものが目的となっていることも問題として挙げられます。 このような課題をクリアし、ペーパーレス化を実現するためのアプローチを考えていきましょう。

何から始めて、どのように進めればよいのか

経営層に現状の課題とペーパーレス化の必要性を理解してもらう

ペーパーレス化の取り組みは、業務そのものを変えることにもつながります。それだけに経営層にその必要性と現状の課題を理解してもらった上で、進めていく必要があります。まずは社内で部門・個人ごとの紙の使用量、保管に必要なスペースやコストなどを数値として洗い出し、併せてデータ化のメリットとデメリットについてまとめるところから始めましょう。 ペーパーレス化は、単なるコスト削減に留まらず、業務を効率化して会社の競争力を強化するための手段です。それを改めて理解してもらい、経営層がリードする取り組みとしていくことが成功の第一歩になります。

取り組むための体制づくりも必要

経営層の理解と共に重要な点が、ペーパーレス化に取り組むための体制です。前述のようにペーパーレス化は業務の変更を伴うため、社内がその意義と目的を共有し、理解する事が大切です。リーダーを決め、具体的な数値目標を設定し、スケジュールを決めてから取り組みをスタートさせましょう。

電子データ化する書類や順番を決める

すべての紙の書類をペーパーレス化しようとすると、多大なコストと労力が必要になるため、現実的ではありません。まずは社内を見渡して、業務への影響が少なく取り組みやすいところから始めましょう。慣れてきたところで請求書、納品書、見積書など業務に不可欠な書類のデータ化を進めていきます。ただし、こうした書類をやりとりする相手がペーパーレス化に対応しているとは限らないことに注意しましょう。 またはじめは個人単位やグループ単位で試験的に導入し、その後全体へ展開するなど、ステップを踏んで導入するのもよいでしょう。

会議で使う資料を減らす

ペーパーレス化の対象にしやすいのが、日々行われる会議です。たとえば会議資料の印刷は、参加者分よりも多めに印刷しておくことが多いですが、参加者数を事前に確認をして必要な数だけ印刷するだけでも紙は減らすことができます。また、複数ページを1枚にまとめたり、両面印刷を使ったりするなど工夫が大切です。 さらに完全なペーパーレス会議を実現するとなれば、PCやタブレットなどの紙の代替デバイスやペーパーレス会議システムが必要になります。

ペーパーレス化に役立つ機器とシステム

次にペーパーレス化に必要な機器やシステムについて紹介します。

操作性や携帯性に優れた電子デバイス

ペーパーレス化に失敗する大きな理由「紙から電子への移行に慣れない」という課題をクリアするには、操作性や携帯性に優れた電子デバイスの提供が必須です。 例えば、外出の多い営業職や保守サービス担当者には高解像度のディスプレイを備えたモバイルPCやタブレットを、工場など製造ライン、倉庫での作業向けにはスマートフォンや小型のタブレットというように、業務に合わせて提供するデバイスを切り替える必要があります。 紙1枚と比較すると当然重量もあり、かえって複雑に感じるかもしれませんが、複数の冊子や膨大な資料、マニュアルを携帯する人にとっては、電子化された資料の方がはるかに利便性が高いです。

文書をデータ化し管理する文書管理システム

紙の書類のデータ化を進めていくと、データの量は一気に増加します。こうしたデータがどこへどのように保存されているかが把握できないと、肝心な時に必要な書類が参照できず、業務に支障を来してしまいます。 文書管理システムは、文書の自動分類や一括管理を可能にするものです。これにより検索性を高めるとともに、アクセス権限設定とそれに基づいた管理によって、セキュアな環境でデータを保管することができます。実際の現場での扱いやすさが重要なため、導入に際しては現場の声に耳を傾ける必要があるでしょう。

名刺、資料、ファイルなどのデータを保管するオンラインストレージ

社外から社内と同様に書類やデータへアクセスできるようにしたいとき、便利なのがオンラインストレージです。オンラインのサーバーへ名刺、書類、資料などを電子化して置いておけば、いつでも好きなときに確認することができます。

簡単、快適に使えるWeb会議システム

メンバーがどこからでも会議に参加できるようにするのがWeb会議システムです。これにモバイルPCやタブレット、大型モニター、オンラインストレージなどを組み合わせることで、会議の完全なペーパーレス化の実現も可能になります。 会議に必要な資料はあらかじめメンバーにデータで配布しておき、参加者はモバイルPCやタブレットで閲覧します。参加者の画面へ大型モニターの画面を同期させることもできるので、まるで全員が同じ部屋にいるかのようなに会議を進めることができます。

成功の秘訣はじっくりと取り組むこと

ペーパーレス化を進める過程では、必ず途中でデータと紙文書の両方を扱う過程が発生します。その際には一時的に業務の負荷が増えてしまうかもしれませんが、最終的には業務が効率化され、生産性も向上するはずです。あわてずじっくりと取り組むことが成功の秘訣と言えるでしょう。

記事執筆

働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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