ダラダラ在社にノン!今日も早く帰るために

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なぜ定時に帰れない?働き方を考えよう

平日の夕暮れ時、今日1日に必ず終えなければと思っていた自分の仕事に片は付いたけれど、残業が確定でまだパソコン画面にはりついている仲間もいるみたい。上司に帰る気配もないし......もう少し居残って様子をみよう。そんなふうに考えることが当たり前になっていませんか。退社時間は決められているけれど、そんなものはかたちだけ。定時に帰れないのは当然で、周囲に対しても気遣いをもつのが社会人たるもの、そうした理解が習慣になっているかもしれません。

もちろんチームワークはとても大切なものですが、仕事が終わっているのに何となく待機しているのは、やはり生産的でないと思いませんか?長時間労働も問題となっている今、あらためて働き方について考えてみましょう。

外資系企業の日本法人で働いた経験をもつ人は、多くの人が終業時間になるとものすごい勢いで片付けを済ませ、駆け足で帰っていく欧米人スタッフに驚き、気がつけば残って夕飯の相談や残業を始めているのは日本人スタッフばかりという毎日に、また驚くといった一種のカルチャーショック体験を口にします。

実際のデータでも日本人や韓国人は終業から退社までの時間が長く、30分程度はあるのに対し、欧米人では10分に満たないといった報告がなされています。自宅を出る時間や出社時刻にはほとんど差がみられないのに対し、この差は大きなところでしょう。ここから帰宅時間となるとさらに差が開き、日本は欧米よりも2時間近く遅い傾向にあるとされています。何となく居残ったところから残業に流れ込んでしまう、そうしたケースが多いことがうかがえます。

イギリス、ドイツと日本の勤労時間内訳を比較した調査でも、通勤時間がほぼ同じである一方、日本は就業時間が602分、会社に着いてから仕事を始めるまでと仕事を終えてから会社を出るまでの時間を足した待機時間が51分で、イギリスは就業時間が535分、待機時間が19分、ドイツは就業時間が539分、待機時間が18分と、日本の待機時間の長さが際立つ結果が得られています。

10分位の値で詳細をみると、イギリス、ドイツには待機時間が0~5分程度という人も少なくなく、やはり多くの人が口にする"駆け足で帰宅する欧米系スタッフ"の実態は、データとしても事実と確認できるようです。

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【出典:日本女子大学准教授永井暁子 就業時間と待機時間の国際比較

なぜダラダラ待機してしまう?

それではなぜ、日本人は待機時間が長い、他国に比べて早く帰れていないのでしょうか。その原因はまず周囲の目がもたらす環境にあるでしょう。一括採用から終身雇用、年功序列制度のもと、がむしゃらに働いてきた戦後の日本は、奇跡的な高度経済成長を記録し、現在の国の基盤を築きましたが、それによる負の基盤も同時に築かれ、労働の中身よりも残業をまず評価する空気が広がってしまいました。

さらにチームワークということが、軍隊的なシステムのようにも解され、部下の忠誠心がひたすらに求められる、長時間労働をもたらしやすい環境と意識がしみついてしまった面も指摘できます。

その結果、つきあいで残業している人が評価され、自分の仕事を終えたらさっさと帰社した人が嫌な奴だと訝しむ目でみられる、そうした世界が生まれ、帰ることができても帰りづらい意識から、待機時間や不毛な残業を増やしやすくなっていると考えられるのです。

こうした環境では、誰しもつきあいが悪い、空気の読めない奴だとは思われたくありませんから、残ることが習慣化するのは必然ですが、組織としてみれば、それはきわめて生産性が低く、改善すべき問題点を抱えていることが明らかです。

ワークライフバランスと生産性向上のため"早く帰ろう"

こうした悪習の環境を変え、組織として、個人としてより良く働いていくには、どうすればよいのでしょうか。まず、その日やるべきことを明確にし、チームとして完成させて1日の業務をきちんと終える流れや取り組みのイメージを具体的に共有することが大切です。

負荷がかかりすぎている人がいれば、適宜分散させて、みなが効率よく働き、定時に終えられるように調整します。チームの管理者は、今日1日という単位以外に、中長期的なタスク・目標も明示し、チームに周知徹底します。このもとで働くことで、柔軟かつ合理的、効率的に、個々が集中して自分の作業に取り組めるようになるでしょう。

自主的な残業はやめ、業務命令があるときややむを得ないと認められる申告済みのものだけに限り、何となく残る、ダラダラ残業が評価されない環境をつくることも必要です。どうしても発生してしまう残業についても、必ず時間を区切り、何時には帰るといった目標を個々に宣言しておくなどするとよいですね。

モチベーションを上げて短時間集中型で取り組み、終わったら速やかに退社する、それが生産性の高い働き方であってチーム内でも評価されるあり方だという雰囲気づくりが大切です。

周囲の目を気にして言いたいことも言い出せない旧来の軍隊的なシステムは、一見すると整然とし、うまく統制されているようですが、適切なコミュニケーションが図られている環境ではありませんから、生産性や価値創出の創造性、自主性に欠けるものです。

ダラダラとした待機に伴う残業に価値はなく、企業全体としてもマイナスを被るばかりであることに意識的にならなくてはなりません。待機時間が長い働き方は、労働者個々のストレス度合いも高くなり、さらに集中力を低下させることも分かってきています。

個人として、チームとして、会社全体として、労働の生産性こそが重視され、やるべきことをやったら早く帰る、こうした環境を定着させるため、できることから始めたいですね。

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