もうビビらない!労務監査をポジティブに捉える3つの考え方

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過労死や違法残業、賃金の未払い、若者の「使い捨て」などの労働問題が、テレビや新聞で取り上げられる機会が増えてきました。

企業の法令違反に対する社会の目は、年々厳しさを増しています。自社の労働問題が社会問題としてクローズアップされてしまった場合、企業のイメージが低下し、受ける損失は計りしれません。労働基準監督署の調査が入ると、企業も雇用者も緊張するものです。

しかし、労働基準監督署による調査は、決して特別なことではありません。労務監査をポジティブに捉えて、職場の労働環境をチェックし、効率的でより良い職場づくりに活かすための3つの考え方を紹介します。

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労働基準監督署の調査方法とは

まず、労働基準監督署の調査がどのような方法で行われるのかを見てきましょう。

労働基準監督署の調査方法は、目的別に「定期監督」「申告監督」「災害時監督」「再監督」の4つに分類されます。

  • 「定期監督」
    労働基準監督署が任意の事業所を選び、法令違反がないかを調査する方法です。最も一般的な調査法で、電話や書面で事前に連絡があることもありますが、事前連絡無しに、突然調査に入る場合もあります。
    平成27年 労働基準監督年報(第68回)によると、平成27年に「定期監督等」を実施した件数は133,116件、これは、労働基準監督署がこの年に行った全調査の78.7%を占めています。

  • 「申告監督」
    労働基準監督署に申告があった場合に行われる調査です。社員や元社員からの申告が多いですが、社員の家族からの申告も増えています。平成27年に「申告監督」を実施した件数は22,312件、全体の13.2%です。
    企業側が、定期監督であるのか、申告監督であるのかを判断することは難しいかもしれません。定期監督のフリをして、申告監督の調査だったという場合もあります。いずれにしても、ムダな抵抗をせずに、包み隠さずに対応することが大切です。

  • 「災害時監督」
    労働災害が発生した場合に、行われる調査です。実態を確認するとともに、災害原因の調査や、再発防止への指導も実施されます。平成27年に発生した労働災害による死傷者数は116,311人にも上ります。死亡者数は全産業で972人で、統計開始以来初めて1,000人を下回ったものの、決して少なくない数字と言えるでしょう。

  • 「再監督」
    定期監督等で指導を受けた後、改め直しているかを確認するために行われます。企業が「是正報告書」を提出しない場合や、対応に問題がある場合などに行われます。平成27年に「再監督」を実施した件数は13,808件、全体の8.2%です。

1.深刻な事故やトラブルを未然に防げる

ここからは、労務監査をポジティブに捉える考え方を紹介していきます。

労働基準監督署が調査に入ると、ほとんどのケースで「指導票」が発行されます。指導票は、法令違反ではないけれど、改善すべき点があると判断された場合に交付されます。

法令違反があった場合には、是正勧告書が交付されます。期日までにしっかりと対応し、是正報告書を提出することによって、一連の対応が完了となります。是正報告書には、違反内容、是正内容、是正完了日、会社名、住所、代表者名の記入及び、押印が求められます。

労働基準監督署の職員からの指導に丁寧に対応することによって、深刻な事故やトラブルを未然に防ぐことにつながります。

2.労働環境を見直すきっかけになる

ずさんな労務管理によって、労働基準監督署から是正勧告を受けた場合、企業が受けるダメージは少なくありません。

労働基準監督署の調査がいつ入っても良いように、定期的に自社の労働環境や労務管理体制をチェックし、労働環境の改善に努めると良いでしょう。

労働基準局や労働基準監督署は、あくまで中立です。社員と企業、両者が納得する会社づくりを行い、より良い職場づくりを意識していくことが大切です。

3.企業のイメージアップにつながる

法令に則っていない労務管理をしている企業からは人材が流出しやすく、適切な労務管理を行い、社員が働きやすい職場環境を維持し続けている企業には、より良い人材が集まりやすくなります。

平成27年8月に発表された日本商工会議所の「人手不足への対応に関する調査」集計結果によると、回答があった企業の半数以上が、人手が不足していると回答しています。労働環境を整えることによって、より良い人材が集まりやすくなりますし、人材の流出を防ぎやすくなります。

良い人材が集まると、企業は業績を上げやすくなり、更なる企業のイメージアップにつなげていくことができるでしょう。

働いている一人一人が、労働環境の問題解決に向けて考え、動いていくという姿勢が大切です。

まとめ

労働基準監督署の調査は特別なことではなく、どの企業にも必ず入るものです。身構えたり、緊張しすぎたりすることなく、職場環境の健康診断のように調査を受け入れることが大事です。

労働基準監督署の調査をポジティブにとらえ、会社全体で積極的に労務監査に取り組んでいくことが推奨されます。社員、企業、両者が納得できる職場づくりを目指して、労務監査に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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