問われる「ハンコ文化」。その承認フロー、スタンプラリー化していませんか?
2018年09月12日 07:00
この記事に書いてあること
宅急便や回覧板への認印、金融機関への届出印、契約書類への実印など、日常生活からオフィスシーンまでさまざまな場面で登場する"ハンコ"。
確認と承認の意味や、セキュリティー面でも意味を持つ押印作業ですが、特にオフィスでは、仕事の手を止めて行わなければならないこの作業を「手間」と感じる人もいるのではないでしょうか。また、幾人もの印鑑が必要な承認プロセスは、時間と労力を要し、生産性や企業の競争力ダウンを招く可能性も!?
今回は、こうしたオフィスシーンにおける承認ワークフローと"ハンコ文化"について考えていきましょう。
そもそも"ハンコ"の役割とは?
ビジネスパーソンなら一つは所持していると思われる"ハンコ"。企業では社内回覧版から報告書、起案書、稟議書まで多くのシーンで押印作業が発生しますね。これらの目的は、承認者が「承認するという意思を記録として残すこと」。大企業であればあるほど、こうした"ハンコ文化"が根強く残っている印象です。
一方で、「承認の意思を残すこと」が目的であれば、その形式は "ハンコ"にこだわらなくてもよいのでは?という意見も。現在の承認作業自体がそもそも本当に必要なものなのか、ペーパーレス化、テレワークなどの多様化するワークスタイルの中で、別の"承認スタイル"を検討する余地はありそうです。
「ハンコ文化」は働き方改革の妨げに!?
ここで、ハンコを使った一般的な承認ワークフローを振り返りましょう。
電子化された書類は、承認印を押すために一度プリントアウトし、押印。それをスキャンし、再度電子化して保存。さらに、「念のため」と紙書類をオフィス内に保管することも。
当たり前に行われているこうしたルーティーンですが、改めて考えてみると手間とコストのオンパレード。無駄も多い印象です。
さらに、複数人の印鑑が必要な書類の場合、ある社員が書類の回覧を止めてしまうとそこで承認スピードがダウン...なんてこともよくある話。急ぎの回覧が必要な文書では、社員が日常業務そっちのけで印鑑ゲットに奔走し、まるでスタンプラリー状態ということも起こり得ます。
働き方改革推進の背景で急増するテレワーク化においても、"ハンコ文化"がもたらしている紙媒体の必要性は大きな課題の一つ。本業以外の時間と労力を費やし、ペーパーレス化を妨げるこの"ハンコ文化"は、再考の時期に突入しているのかもしれませんね。
"脱ハンコ"ソリューション「電子印鑑」
そうした背景から登場したのが「電子印鑑」。"脱ハンコ"ソリューションの一つとして注目を集めている話題のサービスです。
「電子印鑑」は、その名の通りデータ化されたハンコのこと。PDFなどの電子書類をプリントアウトせずに押印することが可能なため、ハンコを持ち歩いたり都度取り出したりする必要がなく、作業効率の向上を期待されるサービスです。「電子印鑑」を押した書類は、印刷せずにそのままメールでの送信も可能。紙書類をやりとりする手間が省けるため、大幅な作業効率アップにつながるうえ、コストの削減も期待できます。さらに、多くの書類をペーパーレス化でき、文書管理も簡素化できると言われています。
このようにメリットの多い「電子印鑑」ですが、その一方で、導入時に発生するコストやサービス利用のための固定費、またデジタルデータであるが故の不正リスクも考慮しなければなりません。相手の企業がセキュリティーの観点から「電子印鑑」を認めないという場合もあるため、「さぁ、今日から"脱ハンコ"!」というわけにはいかないのも現状です。
また、クラウドサービス上で契約書の作成から、締結、管理までを一括管理する「クラウド契約」という電子契約形態も話題に。現在では"脱ハンコ"を含め、ペーパーレス化やデータベース化を進める企業や団体が増えているようですね。
まとめ
グルージェントが行った調査によると、一般的な会社員は1ヵ月間に平均11時間、営業職などの"申請業務"に携わる会社員に至っては平均17時間もの時間を申請・承認業務に費やしているとか。このことからも、承認ワークフローの効率化は企業の生産性や競争力アップに影響する大きなポイントであることがうかがえます。
その承認印一つのために、いつまでオフィスを奔走しなければならないのでしょう?今こそ、自社の承認プロセスや"脱ハンコ"の検討に取り組むべき時期なのかもしれませんね。
2020年2月12日:更新
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そのハンコ本当に必要?文書の電子化で社内承認を効率的に進めよう | 働き方改革ラボ
記事執筆
働き方改革ラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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