"指示しない"マネジメントが組織を変える!注目の軍隊式って?

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一から十まで言わなければ動かない!でもそれって本当?

近年、著しい技術やインフラ、社会の変化を遂げる時代性を反映してか、どう人心を掌握しチームワークを発揮させればよいか悩む人が増えています。通じるだろうと思ったことが通じない、とくに最近の若者は逐一言ったことしかしない、できないといった声もしばしば聞かれ、日々イライラ、ストレスのもととなっているかもしれません。

察して動けないからこと細かく指示するしかない、うるさい上司になるしかない、本当にそうでしょうか。ヒントは意外なところにあります。今回はよりうまく人を動かす力を身につけるため、注目の"軍隊式マネジメント"について探ってみます。

不確実なビジネスを戦うために

指示したことしかやってもらえない、指示したのにその通りにできない、報連相がない...今も昔も上司の大きな悩みです。

現在のビジネス環境は、昔に比べて圧倒的に複雑かつ不確実になってきています。次々と新しい技術やサービス、外部環境が変化し、これまでの当たり前が通じない。将来を見通して仕事を組み立てようとしても、変化が見通せずに仕事を組み立てることができない。

このようなビジネス環境の中ではなおさら、従来の命令系統や組織が機能するのは難しくなります。朝の指示を夕方に変更するのは日常的ですし、仕事に取り組むたびに新たな試みをしなければ、どんどん業務を不効率にしてしまいます。旧来型の事細かにやり方を決める指示をすることは生産性を下げ、部下の自主性や豊かな創造性の芽を摘み取ってしまうことになりかねません。

不確実なビジネス環境を生き残るために、上司は指示の仕方に悩み、ビジネスマンは毎日試行錯誤を繰り返しています。

軍隊式マネジメントに学ぼう!

こうした問題は究極の組織、軍隊でも同様に発生しています。伝統的な国と国との戦争を前提とした、上意下達の命令系統は過去のもの。現在の軍隊が直面しているのは、対テロリストなどの不確実な敵と、多国籍軍などの不確実な味方のなかでミッションを達成しなければならない、「不確実性を前提とした組織運営」です。欧米諸国の軍隊では、従来型のリーダーシップやコミュニケーションの取り方が徐々にうまく機能しなくなった結果、研究に基づいた大きな改革が実行されました。

この新しい軍隊式マネジメントが、今、企業で注目されているのです。まさに命のかかった戦場という極限状態で、各個人が自分のやるべきことを明確に理解し、組織全体の目的に沿った行動として確実に遂行できなければなりません。上の指示を待っているだけでは、まともに攻撃を受けてしまいますし、個々がバラバラで全体の統率が取れていなくても、軍が弱体化し、目的を達成できなくなってしまいます。

つまり刻々と変化する目の前の状況に対し、個々人が柔軟な対応を組織全体の目的にかなう形で確実に取るようにさせる、軍隊ではそうしたマネジメントが、研究に基づくしっかりとしたエビデンスのもとで取られています。これが企業内の組織運営にも応用できると考えられているのです。予測不能で神出鬼没のテロリストなどにも対峙し、溢れる情報の中から必要なものを取り入れて行動する、極限状態でも高いモチベーションと集中力、判断力を維持し、最大限の能力として引き出してチームの機能を果たさせる、そのために軍隊が取るマネジメントとはどのようなものなのでしょうか。

英国の海兵隊では、細かな指示を出すのではなく、「ミッション」と「制約条件」の2つを、作戦実行に関わる兵士に浸透させるようにしました。ミッションは、組織における目標であり、制約条件は行動プロセスにおける諸条件です。上層部は、何をすべきでなぜそれをやろうとしているのか、その行動にかかる条件は何かを明示することのみを徹底して行い、行動としてどうするかは兵士個人に考えさせます。

目標に関しては、中長期的なビジョンの策定と、短期的な個人の達成すべき目標の策定に重点が置かれており、これらを決定して周知することに徹したら、あとは前線の兵士個人に一任する、現場判断に任せる自由を確保することとしているのです。この作戦遂行理論により、兵士はそれぞれ創造性を発揮し、ミッション達成への道筋を考えて行動するようになったとされ、創造性と生産性(成果の達成)が高まったと言われています。

米軍もまた、あえて詳細な指示を出すことをやめ、兵士の自主性を尊重して、自ら判断し動くことを推奨するようになっています。この場合も全体の統制を取るため、大きなミッション、向かうべきゴールのみを明確にし、これを共有することが徹底されています。

英国の海兵隊も米軍も、最大のポイントは、現場へと大胆に権限を移譲したしなやかなマネジメントになっているという点です。そしてリーダーらが示す目標・ビジョンは、簡潔にまとめられた明快なものであること、実現期日も明示されていることが大切とされているそうです。企業のチームマネジメントでも、広く応用できる考え方ではないでしょうか。

軍隊式ミッションコマンドと働き方改革

昨今は"働き方改革"によっても、よりひとりひとりの働き方や価値観を尊重し、個々人が柔軟に選択して働ける環境の整備が強く求められるようになっています。こうした変化と新たな世代を前に、従来のリーダーシップは通用しません。

指示を待つばかりで動かない、だからあらゆることを常に細々指示しなければならないと決めつけず、見方を変えてみましょう。細部まで詰めるパワーマネジメントではなく、部下を信じる、認める、褒めることで自主性を引き出すしなやかなマネジメントの実践に努めるのです。

チームとして達成すべき目標と、今日1日のミッションを話し合い、明確化することに努め、詳細な判断や方法といった実行にかかるプロセスは任せるというマネジメント手法、初めは勇気が必要かもしれませんが、ぜひ一歩踏み出し、実行してみてはいかがでしょうか。

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