3分でわかる「働き方改革」!2018年の国会審議の論点とは?

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最近何かと話題になっている「働き方改革」という言葉。耳にする機会も多く、気にはなっているけど、実はその内容がよく分からないという方も多いかもしれません。今回は「働き方改革」の基本的な考え方に加え、最近の議論とその背景をおさらいしていきます。

※これまでの経緯のまとめ記事はこちら「サクッとまるわかり!「働き方改革」の全貌

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そもそも「働き方改革」とは

「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」や「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」など、従来の日本社会の構造では通用しない新たな働き方への対応が必要になってきている日本社会。低迷する日本経済の再生に向けて、投資やイノベーションによる生産性向上と同時に、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境作りが国の重要な課題になっています。そこで求められるのが、個々のライフステージや多種多様な状況に応じて選択できる働き方。こうした状況を踏まえ、第3次安倍第2次改造内閣の発足時に打ち出された「働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにする"一億総活躍社会"」に向けた一連の取り組みのことを「働き方改革」と呼んでいます。

政府の言う「働き方改革の実現」とは

首相官邸のホームページによると、働き方改革の基本的な考え方は次の通りです。

  • 働く方の視点に立ち、働く方がより良い将来の展望を持てるようにする
  • 労働生産性を改善し、賃金の上昇、需要の拡大を図る
  • 改革により中間層が厚みを増し、消費を押し上げ、多くの人が豊かになる

この考えに基づき、政府は現代の経済社会における課題とその解決の道筋を、以下のように描いています。

課題1:「非正規」労働者の処遇の差による意欲減退

⇒ 解決策:能力を正しく評価し、世の中から「非正規」という言葉を一掃していく。

課題2:長時間労働による健康被害・仕事と家庭の両立困難・女性のキャリア形成を阻害

⇒ 解決策:長時間労働を自慢するような風潮・文化を変え、ワーク・ライフ・バランスを改善。単位時間当たりの労働生産性向上につなげる。

課題3:単線型のキャリアパスはライフステージに合った仕事を選択しにくい

⇒ 解決策:転職が不利とならないようにし、働き方を自ら選択することでキャリア設計を可能にする。そして付加価値の高い産業への転職・再就職によって、国全体の生産性を向上していく。

最近の議論について

最近の議論では、特に前章の2つ目に挙げた課題に関するみなし労働時間制の一つ「裁量労働制」について焦点が当てられています。裁量労働制は簡単に言うと、働いた時間ではなく、出した成果によって労働者に賃金を支払う制度のこと。この制度を導入できれば、「みんなが定時で同じように働く」という考え方を脱し、一人ひとりが自分の好きな時間に仕事をできるようになります。一方で、早朝、深夜、休日に関係のない働き方が可能になり、長時間労働を助長しているとも捉えられかねません。1月29日の衆議院予算委員会で安倍首相は、「平均的な方で比べると、一般の労働者よりも(裁量労働制で働く人の方が)労働時間が短いというデータもある」と発言。しかしその後、データの調査方法が異なることが発覚し、2月14日答弁を撤回することになりました。その後調査結果を精査していく中で同月23日、首相が撤回した答弁の根拠となった厚労省の調査データに117件の異常値が発覚。同月28日には、とうとう国会に提出予定だった「働き方改革関連法案」から「裁量労働制の対象拡大」に関わる部分を削除する方針と発表されました。

実際には裁量労働制の導入によって労働時間が短くなるのか長くなるのか、明確には判明していません。しかし、長時間労働による疾患や過労死などの問題において、裁量労働制が切っても切り離せない関係であることは見逃せない事実です。

まとめ

労働力不足という避けられない課題が深刻化する中、「一億総活躍社会」を実現するには誰もが正当な労働で正当な賃金をもらい、生き生きと末永く働いていくことが必要不可欠です。この度「働き方改革関連法案」からは削除されることになった「裁量労働制」ですが、自由な働き方を可能にする制度の一つとして見逃す事のできない重要なキーワードであることには変わりありません。今後の働き方改革、そしてこの裁量労働制にまつわる動向にも引き続き注目していきたいものです。

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